橋長戯言

Bluegrass Music lover, sometimes fly-fishing addict.
橋長です。

EHAGAKI #343≪ことばの起源≫

2016年10月24日 | EHAGAKI
言葉の使い方、常に変化するものとはいえ「変だなぁ」「汚いなぁ」と実感する今日この頃であります
空気を読み「いいね!」と褒め合うかと思えば、違う意見には炎上!

ことばの起源は、噂話を通じて互いの安全を確認、群れを作るとそれは、集団の掟を確認しあう役割となった、とか
個人よりも強固な集団を優先するのは、古来から人間の本能かも知れません
特に“世間”というものを気にする日本人、行き過ぎないことを願うばかりです

さて、今回のお題は「ことばの起源」であります
 

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

◆言葉とは「毛づくろいの代わり」であった
色々事情があって、人類は毛を脱ぎ捨てたので、毛づくろいが出来ない  それで毛づくろいの代わりにしたのが「喋る」「世間話」ということ
実にあっけない結論  言葉というのは初め、遊具・オモチャであったという結論 以下、類証・例証を集めながら説明

◆ダンバー曰く、言葉は所詮「仲間内の噂話をするための道具だ」
コミュニケーションは、二人で語り合って何かを結論を出すために語り合うのではない コミュニケーションは、ずっと話し続けるために語るもの、それがコミュニケーション(内田樹氏)
結論を出すとそこで終わり  「君と話したくない」という代わりに「君の言うことは分かった」という

◆人間は生後18ヶ月で言葉を話す  
2歳で語彙数がゆっくり増えるが、50あまり 3歳で千、そして単語を繋げて文にし、話し始める 6歳で1万3千語 18歳では普段使う言葉6万語以上
以後の人生で毎日平均で10個、90分に1つのスピードで新しい単語を覚えていく 「こんな言葉知らない」ということが何歳になってもある  人間は、言葉というものを、死ぬまで覚えていく

◆社会では?
言葉を売っている新聞 イギリスの例)
「ロンドン・タイムズ」、タブロイド版の「サン」の二大紙
ロンドン・タイムズ 政治経済が記事全体の57%、人物・ゴシップが43% 政治経済面と、ゴシップ記事がほぼ半々
サンは政経は22%、ゴシップは78% (78%の中には文化とかイベント等々も含む)

「豪栄道優勝」というよりも、どのくらい今まで駄目だったかとか、決定戦の夜は眠れなかったとか、そういう「まつわる」情報を知りたがる

◇情報だけボンと出すと?
新幹線の車内に流れるあの電光ニュース あれ見てイライラしませんか?
「今月7月は降雨量が先年の50%しかなかった」 それ読んで「だから何が言いたいんだ! お前は」みたいな
背景とかドラマ、「裏」を知らないと我々はその話題を楽しめない そういう事情・状況が言葉として伝わってこないと、情報だけでは耐えられない
やはりゴシップ好き

◆変化は1千万年前の頃にやってきた
気温が下がり、アフリカの森林がだんだん枯れ始めた 海水温度は、なんと10度も下がった 森の木の実が減り、食料不足になった
こうなると森に住んでいたサル、特に類人猿は困った 先祖の類人猿は青い木の実を食べる能力がなく、熟れた実しか食べられなかった(タンニンを解毒する能力がなかった為)

ヒヒ等は青い実を食べる能力を育てて、森に踏みとどまる 類人猿たちは700万年前、森を出て草原に向かった
熟れた実を探すサルの一団になった、そして草原では、恐ろしい事が次々起こる 草原には剣の歯を持ったトラ、ライオン・ヒョウ・ハイエナ・リカオン、等々恐ろしい肉食獣たちが待ち構えていた

おそらく人類は、群れ全体の20から40%が襲われて死亡 絶滅の危機に瀕する この絶望に類人猿は2つの偶然を活かす
1つは、身体を、食べられにくくするために、とりあえず大きくした  そしてもう一つ  遠くが見えるように、草原の中で立ち上がった
四つ足を、前二本を諦めて、立ち上がり背伸びして遠くを見る  安定が悪く、スピードが落ちるが二本足で移動した  移動する時に、群れで生活をし始めた

襲ってくる獣はそれぞれ攻撃距離がある
チーターはスタートから数秒後で時速100キロになる だから60mが危険距離 60m以上離れておけば、とりあえず逃げられる可能性が出て来る
ライオンなら30m離れておけば大丈夫 ヒョウで10m 安全を測る距離が、解ってくる
その上に群れで行動すれば、誰か一匹が見つければ伝えられる 「危な~い!」

◆群れを作る時に最も重大だったのが「毛づくろい」
毛づくろいのコミュニケーション 「やってくれたら、やってあげる」 「私の背中を掻いてくれたなら、あなたの背中を私は掻きましょう」
これが毛づくろいの鉄則

もちろん、その中身は、虫・汚れの除去等々であるが 毛づくろいの間は「敵が来たら私が教えてあげるから」という約束事が含まれている それ故、リラックス出来る リラックスした瞬間にエンドルフィンという脳内合成麻薬が出て、ストレスが激減する 1回エンドルフィンが出ると、次の日に「またエンドルフィン出したいなぁ」となる この「快感の交換」、これこそが群れを作るという動機を励まし、類人猿の生き残りの協力者となった

◆祖先は草原で生き抜くために群れを作る
その群れが大きくなったが故により多くの食料が必要となり、そのためには遠くまで歩き始めた 人間が最も安定した集団を組みやすいのが、150人 200人になると阻害というか、意思疎通が上手くいかなくなる

◇アマゾンにいるベルベットモンキーは、仲間に危険を知らせるため鳴き方を使い分ける
地を見ろ・木を見ろ・空を見ろ 「大地を見なさい、ヒョウが近寄ってる」 「木を見ろ! ヘビは上から狙ってる」 「もっと頭上を見ろよ! ワシが狙ってる」 それぞれ見る場所の注意・警報が異なる

◆祖先は、その鳴き声を聞き分ける耳を持たねばならなかった
熟れた果実しか消化出来ないから採取する季節を記憶しなければならなかった そして「色」 人間は熟れた実だけしか食べられないから、熟した色を見分けなければならなかった  色を見分ける、鳴き声を聞き分ける等、そういう情報を入れる度に脳の進化が始まった

◇長距離移動で、汗をかく
汗をかくと、着ている毛が邪魔になってくる、そして捨てる 「裸の猿」 マダガスカル方面に向かって歩き続けた草原のサルは、ついに海に達する 海に入って逃げない貝等を食べ始めた、上手に追い込んで、魚を食べ始めた そうすると、ますます濡れた毛が邪魔になる

◇海の中に腰まで浸かって歩くうちに、歩き方がどんどん上手になっていった、という説もある 海が歩行器の代わりになって直立歩行を助けた
集団としては150頭前後いる だけど毛が無くなった 毛づくろいをすることが出来ない 「毛づくろいの代用となったのが言葉の誕生である」という説

◆最初は150人という集団のゴシップだったはずだ、と
「あの男には気をつけるのよ」  「ちょっかいだしてくるからアイツ、嫌いよ!」  そういう仲間たちに伝える集団共有の掟、出来事の報告等々  そして下世話な話題、そういうものがコミュニケーションに使われ、言葉はゆっくり膨らんでいった

◇夫婦間で同調するのも、人の悪口を言う時
「そうでしょ? 私もねアノ人はそういう人だと思った」とか 真面目な話はしない 「良かったよなー、ロシアと上手くいって」「TPPは」なんて話さない  「アイツさ、アブナイらしいよ」「やっぱりね!」とか

◆毛づくろいの代用で言葉は生まれ、発達した
発達していくうちに、人の脳は、その人が話す言葉の意味よりも、その言葉の裏側に隠していることを知ろうとする 「彼は何が言いたいのか」、それを懸命に探すようになる 会話はどんどん複雑になってゆく この言葉を膨らましたのは、仲間内のゴシップ 仲間の噂話等々無責任に語り合うことは、集団にとっては重大なことであり、それを語り合うことによって集団の目に見えない掟を確認し合うことになる

◇最近のテレビ、在京テレビ3局は同じような内容
実はそういう噂話が集団の掟を確認するための遠回しの儀式ではないか?

『他人の浮気など別にガタガタ言う必要は無いと思うんでありますが、「ガタガタ言わなくてもイイんじゃないの?」つうと大変非難が集まったりする。非難する人が集団全体の掟を確認するために、という。ですからドンドン掟が一般化していくというね。スペシャルを絶対認めない』 武田鉄矢

◇今問題になってるのは、言葉の中で「言葉が一種の裏切り者をあぶり出す手段」として用いられている
ゴシップを語り合って、そのゴシップのやり取りの中で「あれ? コイツこんなこと考えてんのか。群れ全体にふさわしくないなぁ」というあぶり出しの「センサー」として言葉が使われている

◆ロード・レージ (Road Rage)とは、普段は温厚で人当たりの良い人物が、運転中に他車の割り込み、クラクションなど些細な事で人格が一変するかのように激高する心理状態
相手が目の前に居ないネットでの会話・交信は、ロード・レージ同様、罵り言葉が常軌を逸したものになる  相手が見えてないと罵る言葉が極端に汚くなるという傾向がある

◆進化とは「やり繰り」
現代、言葉を巧みに使う人間 ブログやらライン、SNS、これも一種の「毛づくろい」 遠くの仲間と交信するのは動物の快感
この様な毛づくろいは仲間に対する自己宣伝でもあり、露出によって「俺は沢山の人に知られているんだ」という快感 また炎上等々の個人攻撃も、一種毛づくろいの快感の名残り

ダンバーは繰り返し言う

進化とは、何か大きい目標に向かって生命が大躍進を遂げたような響きがあるが、そうではない 進化とは、とどのつまり、「やり繰り」のことである
先のことを考えたんじゃない 「今日どうする?」っていうやり繰りから工夫していったものが進化になった

毛がなくなった、じゃあどうするか? 「鳴き声でお互い鳴いてみよう」  鳴いてるうちに安らぎが生まれて、それが言語になった

◆言葉は重大な瞬間、役に立たない
言い訳や弁解がすらすら言葉として語られると、その言い訳や弁解は言葉としての信用を失う この辺が言葉の難しいところ

◆言葉の生まれた理由
群れでしか生きられない毛のない猿の必死のやり繰りであった 毛づくろいの安らぎの代理が言葉であり、その中身はほとんどゴシップであった  
 最後に著者:ダンパーはこんな例で言葉の本質を語っている↓

◆無駄話の効用
150人規模の組織を動かしているある女性プロデューサー(テレビ局)
会議室を設けて、娯楽室を潰した するとその150人規模の組織の制作能力が落ちた 視聴率・聴取率が真っ逆さまに落ち、全くヒット作品が生まれなくなった

危機を感じた女性プロデューサーは慌てて社内に飲み物コーナー、小さな小部屋、喫煙コーナーをつくった
すると、新企画が次々生まれるようになった  

これが、「無駄話の効用」
無駄話をすればするほど、新企画が生まれ、会議室を立派にすればするほど、新企画は生まれなくなった

※元ネタ
文化放送「武田鉄矢・今朝の三枚下ろし」を耳で聞いたメモ、ネット上にある書き起こしを参考にしたものであります(参考図書は読んでおりません)

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

ということでした

「不適切な言葉」が問題になり非難する、その発言の前にも「不適切な言葉」があったとして非難する
発表される見解について非難する  それぞれの非難にはしばしば「不適切な言葉」が用いられる

それぞれ非難する人はどちら側かの立場でしょうが、問題の本質についての賛否が語られることは少ない様に思います

意味のある言葉、柔軟で寛容な言葉、批判的でも心ある言葉を使いたいものです
それを妨げる要因は、日本独特の「世間」かも知れませんが

ではまた

EHAGAKI #342≪サービスとは?≫

2016年10月19日 | EHAGAKI

お世話になります

「お客様は神様です」
三波春夫のこの言葉が独り歩きし、誤解され様々な問題が起こってます

また、日本で使われている「サービス」に当たるちょうど良い言葉が、外国語には見当たらないそうです

サービスとは?
ウィキペディアでみると ↓

◇サービス(サーヴィス、英: Service)
無形商品
取引の対象となりうる無形の商品のこと。役務(えきむ)。相手方の時間および手間を肩代わりする概念。

接客、給仕 - ホテル、レストラン、店などでの対応一般。
奉仕 - 報酬を求めず、また他の見返りを要求するでもなく、無私の労働を行うこと。
無料奉仕 - 無料、「おまけ」の意味。無料または割引価格で提供されるもの。
機械整備 - 整備や修理のこと。
公共事業・インフラ関連

とあります

◇日本で最初に「サービス」という言葉を使ったのは

日本自動車会社の社長石沢愛三氏が、大正末期に米国を視察、米国の自動車販売に「サービス・ステーション」が大きな成果を上げていることを知り、日本でも広めようと取引先にはがきを出します

「今般、当社は完全なるサービス・ステーションに依り顧客本位の御便宜を計ることに相成り候」

これに対し
「サービス・ステーションという便利なものが到着した由、至急届けてもらいたい」
との回答が多数返ってきたそうです

困った石沢はサービスの和訳を試みますが、辞書には「サービスとは奉仕的なるもの」との記述のみ、外国人にきいても要領を得ないので、使うのをやめたそうです  詳しくはウィキペディアで

という行き違いから始まり、日本における「サービスという言葉」は独自の意味合いを付け加えはじめた訳です


今回のお題は「サービスとは?」であります

◆本当は怖いサービスの話 大野舞さんのブログ

◆三波春夫事務所の公式見解 三波春夫オフィシャルサイト

リンク先からどうぞ ↑

ということで

お客様は、神様ではなく同じ人
同じ人どうしだからこそ敬意をもって、礼儀正しく接する

と愚考する今日この頃であります

ではまた


EHAGAKI #341≪ホッピー族の格言その2≫

2016年10月11日 | EHAGAKI

お世話になります

昨日は十月十日の体育の日、昭和組にとっては、しっくりきます
一度、覚えたコトがなかなか修正できない、いかんですね

記憶のプロである落語家が教える“記憶術”という紹介があった「記憶する力 忘れない力」立川談四楼:著、を読もうと思ったのですが、こちらの方が面白そう、と「談志のことば」立川志らく:著、を選びました
ここでご紹介出来るいい話があるかなぁ、と思ってのことです

ところが、落語好きの私にとっては、涙腺が緩みっぱなしで

談志師匠の我の強さ、弟子に対する愛情に、、、

「努力とはバカに与えた夢」
「馬鹿は群れたがる」
「馬鹿とは状況判断できないやつのことだ」

とあり、そんな馬鹿に困った事例として

「馬鹿は隣の火事より怖い」 と

“もくじ”からだけの抜粋です

「詳しくはWEBで」なんてありませんので、ご興味のある方は、本を読んでみて下さい

談志のことば
立川志らく
徳間書店
記憶する力 忘れない力 (講談社+α新書)
立川 談四楼
講談社

ということで(どういうこと?)、今回のお題は「ホッピー族の格言その2」であります
その成立ち、いきさつについては、最後に記載しております


 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

May the“IZAKAYA”be with you.
日本のホッピー族による珠玉の居酒屋讃歌


83.酔ってからの言葉は、会議より尊い。

84.教えはジョッキーの外側からではなくジョッキーの内側よりもたらされるもの。

85.アルコールの過摂取は、いくら隠したとしても、酩酊を招く。

86.ホッピーを見て、それを呑もうとしなければ、過ちを犯した者と同罪だ。

87.大井町にいようと、北千住にいようとホッピー族はその地に融け合う。この酒場を創った同じ手がホッピーをお創りくださったのだから。我らは野にあるタケノコのように育ち、地鶏のように土とともにある。

88.酒場が差し出すお通しを自分に与える時間を、たっぷりとりなさい。ふれあい、やすらぎの中で生きあえるエネルギーがふつふつと湧く。

89.大いなるホッピーはすべてを見、聞き決して忘れはしないのだと教えられた。我らはそれぞれの行いにしたがって、魂の酒場を与えられる。行いのよいものは良い酒場が与えられる。行いの悪いものは、悪い酒場が与えられる。私はそう信じている。

90.ホッピーは矢のように放たれたら、肝臓を射る。注意しないと自分の放ったホッピーで倒れることになる。

91.尿酸値の変化に備えよ。いつも希望を持っていよう。

92.酒場の探訪では、真に心を開くように努力しなさい。人にあなたの内側を見せなさい。あなたの自己にも外をみせてやりなさい。

93.ホッピーは中と外で一つ、そのことを見失うな、「中がない」時は「中」と叫べば良い、「中がない」後は必ず「中」だ。

94.あなたのジョッキーであなたの生き方がわかる。

95.痛風のワタシはビール大瓶を飲み尽くしはしない。

96.本当の酒場はキラキラ輝くようなものではなく、店主の意志と信念を貫くこと。

97.不思議な力とヴィジョンの酒場は、つねに準備の出来た人間を捜し求めている。

98.あなたの鼻を誘おう、焼きとんの匂いに、さんまの焼ける匂いに酒場の真髄を匂え。ビールのはざまのホッピーに人は酔いをしる。

99.奴は四角い。その表面には味もしゃしゃりもない。その白さと同じ、肴はない。酒場の形づくった産物、完全な存在。見てくれは美しく。だが軟弱だ。我らを安心して酔わせてくれる酒場のごとくに。

100.あなたの耳を誘おう、ジョッキーの音に、ノベルティのグラスの響きにホッピーの心音を聴け。お代わりのはざまの沈黙に人は酔いをしる。

101.すべてのジョッキーは平等だ。ホッピーがビールより偉いわけではなく、ビールがホッピーより偉いわけでもない。すべてはアルコール、アルコールはすべて。

102.箸の先を見えてるホルモンの群れにひたして、楽しめ。無煙ロースターの風に吹かれることもあるのだと。

103.人間は人として呑まれるのではなく人になるために呑まれる。

104.ジョッキーをいつくしめ。

105.ホッピーの色彩と発泡を見逃すな。ホッピーが旨すぎて困ることなどあるだろうか。

106.ジョッキーの泡のはざまの沈黙に直観が見つかる。ここからホッピーがあふれるばかりに流れだす。酔いは何もないところから生まれる。

107.喉を研ぎすましてホッピーを呑め。今は、呑むという経験をする時。

108.一杯一杯に集中せよ。それは末枯れた酒場の中を旅するようなもの。日没ばかり求めていては夜明けを見逃す。

109.ひとびとのこころに真の平和が宿るまで、ホッピーとビールとの間に平和はやってこない。

110.私たちが酒場にいるのは、ほんのわずかな間だけ、だからその経験を楽しもう!

111.評判で判断せずに、呑んで判断しろ。

112.お通しにはご用心。あなたから小銭を絞りとることもある。

113.なじんだ酒場にしがみついては飛べない。自分の力で飛び込む危険をおかさなければ肴を見ることはできない。

114.ハッピーはホッピーの隣り、その一字違い。

115.わたしが愛するのは、酒場への愛に生きている人たち。

116.酒は毒のようなもの。毒の効き目を知るのはよいこと。でも飲まなければ幸はない。

117.ホッピーは、目的について教えてくれる。いつ果てるとも知れず飲み続けるうちに空ジョッキーがきづきあげられ、酒場は様変わる。目を開けて、自分が飲めるものを探せ。

118.長年会っていなかった兄弟のように注ぎ合おう。

119.まだ注がれていない時のジョッキーをあげ未来をのぞき見る力は、われら人の身にはありません。さような力をお持ちなのは、神だけです。しかも、その神でさえ中とホッピーを念入りに注いでのちはじめて未来を見分けることができるのです。

120.あるがままのあなたのジョッキーを見つめる勇気をもて。あなたが出会うホッピーをあなたのジョッキーに注ぐ勇気をもて。

121.感性を刺激する酒場は、知性だけ刺激する三ツ星よりも はるかにすばらしい。

122.目で判断せずに、ホッピーで判断しろ。 

123.酒場の瞳は舌が発音できないなった時に言葉を話す。

124.ひとに与え、与えられるのが酒場。

125.身構えず、ホッピーからおのずと出る答えを信じるがよい。

126.酒場が差し出す贈り物を自分に与える時間を、たっぷりとりなさい。ふれあい、やすらぎの中で生ホッピーのエネルギーがふつふつと湧く。

127.絹のような柔らかい豆腐が要る。奴世界を見るには。石のようなかたい鰹節が要る。出汁世界を見るには、その酒場の中にいるためには。

128.焦点をぼやかしてモノを見よ、想像し、呑み続けよ。酒場世界を酔った目で見て尊重せよ。

129.大切なのは「呑み続けること」である。

130.グラスを倒せばホッピーとともに生命が流れ出る。このことから生きている理由を学んだ。この世にやってきたのは死ぬため。身体はただ魂をやどしているもの。私は背中からホッピーをかけられたくない。ホッピーは正面からきてもらいたい。

131.身構えず、ホッピーからおのずと出る答えを信じるがよい。

132.大将はホッピーを作ることでまた儲けている。

133.財布の中の変化に備えよ。いつもグラスを持っていよう。

◆ホッピー族の格言、いきさつ

SNSをやっていて面白い“遊び”が自然発生しました
facebookで写真に「インディアンの言葉」を添えアップしてていました

たとえば

片足をカヌーに突っ込み、片足をボートに突っ込めば川に落ちてしまう。(タスカロラ族)

と、写真の添え書きに書くとある方からコメントが入るようになりました

片足を人形町に突っ込み、片足を門前仲町に突っ込めば墨田川に落ちてしまう。(ホッピー族)

数回繰り返しているうちに、これは面白いと思い「ホッピー族の格言」というコーナーをつくり、酒場を中心とした写真とともにアップしております  そんな写真が今では“252枚”となりました

インディアンの言葉も真理を言い得てますが、ホッピー族の言葉もなかなかの味わいであります

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

ということでした

愛される馬鹿で居たいものです

ではまた


EHAGAKI #340≪植物のお話≫

2016年10月03日 | EHAGAKI

お世話になります

10月となりました
ついつい「早いものでもう10月ですね、、、」
なんて知らぬ間に言ってしまいます

知らぬ間、生きていく為の大部分は“知らぬ間”にコトが運んでいます
今回のお題は、「植物のお話」です


参考図書)

面白くて眠れなくなる植物学
稲垣 栄洋
PHP研究所


 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

文化放送「武田鉄矢・今朝の三枚下ろし」を耳で聞いたメモ、ネット上にある書き起こしを参考にしたものであります
※今回も本は読んでおりません


◆実の付け方

柿の実をイメージ
大きな種を包むように果肉がある
ミカンも袋には分かれているが、袋ごとにミカンの果肉がある

柿やミカンは種を包む脂肪を果肉にして動物を誘う
食われてタネを運ばせる

リンゴは違う
種を守る脂肪は、固いリンゴの芯
あの芯が脂肪、柿とミカンは柔らいがリンゴは固い

リンゴは花の付け根の果托と呼ばれる部分が膨らみ、果実になって脂肪を包み脂肪は芯となって種を守り続けている

なぜリンゴはそんなことをしたか?

柿とミカンと食われ方が違う運命を選んだ
柿とミカンはその場で種を吹いて、親の木の根元辺りに種が落ちる
リンゴは「芯ごと捨てられる」ことを目標にしている

芯ごと捨てられて、芯が腐って種の栄養になり、そこで芽を出す
だから種を守る脂肪を食べさせるミカン・柿と違いリンゴは運ばれてから食われることを目指した

かくの如く、食われることにおいても色んな食われ方をして、種を運ばせるという工夫(生存戦略)を果物はしている


◆葉の付き方

葉の付き方は植物によって法則があり、その法則に従って葉を出す

(真上から見て360度)
180度ずつ2枚出す
120度で3枚出す
2周で144度ずつズレて、5枚出す
3周で135度ずつズレて、8枚出す

葉の枚数を上から見ると、法則がある
2、3、5、8、13

「フィボナッチ数列」

この数列に従って葉っぱが出る
このフィボナッチは自然界を支配する数列
2、3、5、8、13

この数列は葉だけではなくて、花びらも支配している


◆花の付き方

百合の花びら、何枚?

6枚では?
本当は3枚
よく見ると質が違う
3枚が花びら、あとの3枚は萼(がく)が変化したもの

山吹が4枚、桜が5枚、コスモスが8枚、マリーゴールドが13枚、
マーガレットが21枚、デイジーが34枚

多少の例外はあるものの、ここでも葉と同じようにフィボナッチ数列が花びらを支配している
植物は自然界の中でその姿形を数学に従って作り上げている

花と葉は太陽に対して最も効率の良い姿
樹木の形をした太陽光パネルは出来ないものか?


◆植物の進化

恐竜が繁栄したのはジュラ紀、巨大な裸子植物が森を形成

恐竜時代の最後となった白亜紀に、被子植物が出現
ここでやっと白亜紀の草原に花が咲いた

裸子植物というのは種の元になった種が入ってる「さや」
胚珠がむき出しで、今で言うと松の木のようなもの
「さや」の中に種を抱きしめて守り続ける

その松は花粉を受けて、受精までに1年かかる
ところがこの被子植物は、アブラナのような草花は数時間で受精する
早い、これが圧倒的な力、繁殖の力の差となる

そこに大きな気候変動が起こり環境が激変、進化をスピードアップしないと淘汰される
そこで被子植物は受精のスピードを上げて適応していく

まさしく進化とは、「やりくり」

その適応の中で被子植物は何をやったか
それは毒で身を守るという手段を発達させた

例えば被子植物の中にはアルカイドという毒を持っている植物がいる

恐竜絶滅
これは巨大な星が落っこってきて滅んだっていう説と、もう一つ説がある
被子植物が増えることによって草食系の恐竜が全滅したんじゃないか?

そのアルカイドという毒で、草食系の恐竜が絶滅すると肉食系は餌が無くなって、自然と自滅したんではないか
植物の毒が恐竜を全滅させた
隕石という説の方がかなり有力視されているが


◆植物は毒を持つ

植物の歴史、人間との関係

人間は凄まじい
色んなヤツに食われながら、タフに生き、やがて尻尾を落として、サル系になった
サル系からやがて類人猿になって、類人猿からヒトになっていく

ヒトになったサルの凄まじさ
最初は森で暮らしてる、偏食のサルで、どうしようもなく、すぐに滅びるために生まれてきたようなサルが人間
他の猿は葉っぱを食べるのに、人間は食べれない、セルロース(植物の中にある繊維)を消化できない

それで他の植物を、仕方がないので木の実かなんかを食べるうちに、別の能力で草原で生き残っていったというのが我ら人間

人間はセルロースは食えないが、毒を持った植物と付き合う
毒を持った植物を飲んだり食ったりし始める、それを薄める知恵がついた

トリケラトプスを中毒死させたアルカイド
そのアルカイドの一種がカフェイン

「このカフェインかなんかいっぱい含んだ豆を挽いて、スターバックス作って、みんなで飲んでるっていうから、トリケラトプスからすると無念ですよね。」

興奮という毒を調理で工夫して、弱めて飲むことを、人間というサルは利用して飲むことを覚えた

ハーブ・香辛料、カカオのカフェイン
アオギリ科のコーラ
唐辛子のカプサイシン
バニラの実のバニリン
これらはもともとは全部毒です

お茶の木、お茶も毒です


◆米

米は、稲の種「種子」

その種は籾殻で守られ、玄米が中にある
玄米は「杯」、植物の芽になるもの
「胚乳」、栄養になるものです

赤ちゃんそのものとミルク、それが一種に入ってるのが杯と胚乳
一緒にあの一粒の中に入ってる

そして身を守るために玄米、これは「糠」っていう薄着の肌着を着込んでる
この3重の部分が一粒の米のワンセットである

米の胚乳、これは炭水化物
大豆は炭水化物とタンパク質、そして糖質も含む

いかなる環境でも、芽をふくために、そういう栄養を一緒に抱き合わせにしている
トウモロコシ・ヒマワリ・菜種・ゴマも脂質を含み、たちまち世界に広がる力を持った植物であった

野生種の麦、実ったら弾けて種を飛ばす
植物としては、自分でやる

お米も実った瞬間にバーンって種撒くっていう仕掛けはあるはず
ところが今は麦でもお米でも、種が落ちない

それは変種だから
普通だったら、植物の世界では両方共滅んだ種かもしれない
種をばら撒かないから

では何故、生き残ったか?

それは人間のおかげ

種をばら撒くっていう「脱粒性」という性格を麦でも稲でも持ってると
収穫が大変、一粒ずつ拾わなきゃいけないから

だからぐずぐず付いてる奴の方が人間にとっては有難かった
米も麦もそういう意味では、ワイルドさが無くなって、大いなる欠点が人間によって利用され増やされていった


◆文明

人間の文明はこの植物と出会わなければ成立しなかった

アステカ・マヤ文明、これはトウモロコシ
トウモロコシが無ければこんな文明は起きていない
インカ文明、これはジャガイモ
トウモロコシ・ジャガイモとも南米・中米の作物
中国は大豆
インダス文明、これが稲です
そしてメソポタミア・エジプト文明、が麦

つまり文明というのは一つずつお得意の穀物を持っているからこそ発展した文明
これがなければとっくに滅んでいる、人間はそういう生き物である


◆雑草

とある1件の家が無くなると、まずやって来る雑草がネコジャラシ
やたら伸びます、雑草が空き地に
人類が滅亡しても、日本はすぐ雑草だらけになるだろう


◆ネコジャラシは物凄い高性能

エノコログサ、俗名がネコジャラシ、これが繁殖力が強く、水がなくても元気

ネコジャラシって、枯れたとこ見たことある?

強くて元気
ネコジャラシ何故あんなに元気か?

高性能な光合成システムを持ってる
車のターボエンジンに似て、取り込んだCO2、二酸化炭素、その炭素を圧縮して倍に膨らまし、光合成の能力を上げている

光が強ければ強いほど炭素を倍にして合成する
太陽光を浴びると炭素を圧縮するというのは、光合成の能力を上げる能力を持っているので、いつも栄養満点

二酸化炭素を吸うために植物も吸い込む口「気孔」を開くが、開くとそこから水分も逃げてしまう
ところがネコジャラシは取り込むCO2を濃縮させるので、気孔を開く回数が減らせる

口を開くと口が乾くが、その口の開け方を工夫する


◆物凄いところに話を飛躍

シンクロの鬼コーチ、鬼監督の激(ラジオの口調のままで)

日本代表の女の子たちを叱りつけるんだけど、競技が終わって、検尿検査で尿を調べるんです
尿検査の結果が出た瞬間にアノ監督さんが怒鳴った言葉が「なんだ! 一人も血尿出てねえか!!」って言ったっていうね

もう一つ

「練習量が足りないからこんなことでバテてるんだよ!」って言ったら
とある選手がカーッとなって「私たち死ぬ気でやってます! 監督」って言ったら

あの監督さんが「死んでねえじゃねえか!!」って言ったっていうね

でも、それで銅でしょ
金獲ったロシアは才能で獲ってるのか?
じゃないんですってね
本当にロシアって極限までいってるんですって練習が

日本代表の選手12時間練習する時に、水中で飯を食わせるんですってね
プールサイドまで持ってこさせるんだって、水から上がらせない

入ったまんま飯を食わせる
で、ロシアは、日本が12時間だったら、公開してないんですが、あの監督さん曰く24時間漬けてる

さあ、そこに何が起きるかというと、このネコジャラシなんですよ

ロシアのシンクロの選手たち、練習に関してはもうほとんど魚扱い
とにかくメチャクチャやらされてる
ロシアのシンクロの女子たちの体が違うんですって、練習によって内臓が変わってるんです

なんと驚くなかれ、内臓の中の、脾臓という臓器がある
そこが息をしてるっていう話なんだ

肺に息を吸い込みます、その酸素でしばらく水中で泳いでます
それを出し切る

その後、出し切るっていう肺に負荷をかけると「死んじゃう」と思った瞬間に
脾臓という臓器に緊急用として、酸素ボンベとして脾臓を使うんです
ですから水中でロシアの選手は長く活動できるんです

じゃないと出来ないんですってあの技
そこをあの監督さんは狙ってらして
練習でくたびれたどこじゃないんです
「この人は殺す気か 殺されてたまるか」の向こう側まで行かないと、ロシアに金で望むことは不可能なんですって

物凄い話です

◆サボテン

サボテンってのは何者か、植物の中でも、もうすっかり限界の向こう側に行ってる
砂漠という所に適応するため、サボテンは昼間眠ってる
そして炭素を蓄えて夜に光合成をする
所謂「ラクダ型」の植物


◆光合成というシステム

あの薄い葉っぱの中で糖を作る
人間は出来ません
糖を取り入れないと生きていけない

植物は独自で、何も食べなくても自分のからだの中で太陽と水と二酸化炭素で糖を作り食事をしている

何かを捨て、捨てた代わりに何かを拾う
それを戦略にしたのが植物


◆ツル科

ツル、巻き付くやつ
これも植物の戦略の一つ

ツルは根を諦めて、他に絡むことで上を目指す
例えばブドウ科の蔦も、それから朝顔・ニガウリ
何かに触れて巻くんですが、右巻きと左巻きを途中で反転させる

右に巻いてんだろ? それを途中で左に巻くんだ

何故?

巻き付く、風が吹く
その時に巻きついた枝が伸びると、逆巻きのところからバネになって千切れない
これが右側だけだったら伸び切っちゃったら切れるんだが、左巻を間に挟むことによって切れない


◆生物を呼びつけた生き物

(陸ができた後に)一番最初に地球上に適応した生き物は植物

まず植物たちがゆっくり占領し、その準備ができて酸素だらけにし、酸素で呼び寄せたのが植物だから
「準備ができたよ」って呼んだんでしょうね海の中の生き物を

そして仕事を与えた

それは「これからはアンタ二酸化炭素を吐きな、俺酸素吐くから」っていう交換条件で
地球っていう環境を整えた


◆我々人間という生き物

植物はセルロースというブドウ糖の細胞壁で身を守る
この壁は強靭で牛馬は体内で発酵させてセルロース分解
ところが我ら人間はこれが分解出来ない

でも腸を刺激し掃除するためにはこのセルロース、食物繊維は必要で
「腸内の乳酸菌やビフィズス菌のための食物になる」と

植物が偉いのは、植物が作った物は全部土に還る
太陽とエネルギーの化身で、地球への負担を植物はかけない

それに比べて人間は、生存のために地球に大きな負荷をかけている

「自然の本当の支配者は植物なんだ」と著者は言う

人間は、そういう意味では、ゴミを多く出しすぎる
だから植物を見習うことが必要なのだ

と、文章が締められている


◆でもね

「花が美しいと思った生物は、人間だけです」 太宰治

君はさ、そう人間をひどいひどいと言うが、花を美しいと思って眺めたのは、人間なんだよ。


 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

ということでした

地球上で、我が物顔の“人間”ですが、本当は肩身の狭い立場であると知るべきでしょうね

ではまた