皆様もステイホーム週間でしょうか
「いろいろと考える週間」になることは間違いない様です
さて
すでに人間が神様の様に振舞っている
次の神様はデータです
え?
そんなことないでしょ
でも、こんな会話、経験あるでしょう↓
「あれ、あの~大井町のあの店、え~」
若手の人が、話し終る前に
「はい、居酒屋○○○ですね」とスマホ片手に即、調べてくれる
神に祈って店選びしますか?
いや、食べログなどでしょう
グーグルも食べログもカーナビも
以前は参考にする程度でしたが、今は、結構それを信頼している
ということで今回のお題は
前回の「サピエンス全史」の続編「ホモ・デウス」について
途中、1999年当時の考察「逆襲するテクノロジー」をはさみつ<wbr />つ
逆襲するテクノロジー、サピエンス全史上下巻、ホモ・デウス上下<wbr />巻
この6冊、どれも厚さ3cm程
あくまで拾い読み、私の勝手な解釈であります
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
人類発展のきっかけは四つの革命
7万年前◆認知革命
フィクション(虚構)の言語が出現
1万2000年前◆農業革命
植物の栽培化と動物の家畜化~永続的な定住
500年前◆科学革命
人類は自らの無知を認め、空前の力を獲得し始める
地球全体が単一の歴史的領域=資本主義が台頭
200年前◆産業革命
家族とコミュニティが国家と市場にとって代わる
動植物の大規模な絶滅
すべては虚構「嘘を信じる力」で成り立っている
ここまでが「サピエンス全史」
「ホモ・ゼウス」では未来について語られる
医療、AI、ロボット工学が発展
我々人類はどんな未来を迎えるのか
結論は
「人類が神になる」
とのことです
その前に
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
おそらく40歳以上の価値観
と思われる1999年の書籍「逆襲するテクノロジー」から
◇携帯電話やパソコン通信など
通信機器が発達緊急事態への対処によい意味で影響
事件や事故に巻き込まれたとき、以前なら公衆電話を探す
携帯電話があればすぐに警察や消防署に連絡を取ることができる
1998年1月から11月までにかけて警察にかかってきた110<wbr />番は
前年同期に比べて5.9%増加
その3分の1を携帯電話やPHSなど移動電話から
携帯電話は現場から通報できる一方
通報者が移動中で自分のいる場所が答えられなかったり
通話が途中で切れてしまうデメリットもある
あまりに簡単に通報できるため
急を要しない内容の通報も増え
本来の緊急の通報がつながり難くなるという懸念もある
◇コンピュータ
訳者は本書を訳出中にマッキントッシュを購入
使い始めて間もないころまだ定期的にデータを保存する癖がついて<wbr />おらす
6時間続けて作業を行なった後、コンピュータがフリーズ
すべてのデータが台無しに!
(気を取り直し作業再開、わずか2時間で同じだけの作業をこなす<wbr />ことができた)
◇電子メール
郵便ほど手間や時間がなく相手の仕事の邪魔をすることなく
メッセージを届けることができる
仕事上の情報交換だけでなく
日ごろの仕事では接触のない友人との交流にも役立つ
あまりの手軽さのために
メールを書くのにあまりに多くの時間をとられてしまっている
と、訳者は最近実感している
便利だからといって、度を超して使うようになれば
報復作用が利用者を襲う使うには慎重すぎるほどの警戒が必要だ
◇価値観が多様化
情報が氾濫する現代(1999年)においては
根本的な問題に真正面から取り組むことこそが、新しい価値感を導<wbr />く
◇科学技術への過度の依存
それによって生じる報復作用が単一の分野だけに止まらず
娯楽から仕事にいたるまでさまざまな人間生活の
思いがけない場面で現れる
◇著者の最終的な結論◆1999年
現代の文明社会に生きる人々が「巧みさ(finesse)」を持<wbr />つことで
報復作用を回避することができるだろう
人間が本来持っているはずの
ごく当たり前の能力や生理的な感覚を活かすことにある
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ということで
ノスタルジックな感慨も覚える理屈であります
「勝ち負け」の問題ではない、と思うのですが
さて「ホモ・デウス」
この本のタイトル「ホモ・デウス」が
ホモ:ヒト/ゼウス:神
もうすでに人類は神に近づきつつある
神とは
◆オペラ
万物が原則として対等で森羅万象がそれぞれ役割を果たしていた
~狩猟採集民は、たんなる動物の種の一つにすぎなかった
◆対話劇
このアニミズムの「オペラ」は
農業革命によって神と人間以外が脇へ押しやられ
有神論の人間と神の「対話劇」に変わる
~農耕民は自らを森羅万象の頂点と考えた
◆ワンマン・ショー
さらには人間至上主義の科学革命を経て
神が沈黙させられ人間の「ワンマン・ショー」へと変化した
◆科学者は人間を神へとアップグレードする
その実現を可能にしうるのが
科学とテクノロジーの進歩
◆三つの道筋
すなわち自然選択の法則を打ち破り
生物学的に定められた限界を突破する
生物工学、サイボーグエ学、非有機的生命工学だ
その背景に2つの流れがある
1.生き物はアルゴリズムであり生命はデータ処理である
というあらゆる生物を網羅する考え方
2.知能を意識から分第し
AI(人工知能) の形で急速に発展させる動き
◆科学の力で神を再現
神は存在しない=人間至上主義 カーストのトップに人間が
◆究極の悩み
つまり飢餓、疫病、戦争が強大な敵であったが
あきらかに減っている
◆人類は無敵に近づきつつある
一方は、サイボーグ技術で不老不死に
もう一方は、脳に「幸せ成分」を注入して幸せになる
◆それやっていいの?
昔なら宗教や神様が判断した
ナニをしていいか
ナニをしてはいけないか解からない、難しい
◆神を求める人類
「あなたはこうしなさい」
と言ってくれる神様を求めてしまう
しかし、人類では神は勤まらない
ではなにが
◆人間至上主義からデータ至上主義の時代へ
アルコリズム・ビッグデータが
あなたはこうしなさい、という時代が来る
(すでに来ている)
いやいやデータは使うもの?
◇ここで冒頭の「食べログ」等の話を思い出して下さい
データは神
人類が神様になる
正確に言うと
◆選ばれた小数の人類が神様になる
◆残りの人類は家畜になる
◆未来のカースト
ホモ・デウスがデータ・アルコリズムを管理する
それを基に多くの人間が動かされる
人間の価値はどんどん劣化して、家畜と同列になる
今まで人類は
「働ける」という絶対的な価値を持っていた
これは家畜には真似の出来ない、圧倒的な価値であった
◆一部の人が
AI、ロボットが発達し人間が邪魔になる
データ・アルコリズムを管理する一部のホモ・デウスのみが
最先端の医療で不老不死に近づき、神の様に君臨する
◆大多数の人は
何を食べて、誰と結婚して、どういう遊びをするのか
家畜として管理される側になってしまう
これは著者の予測で、著者自身もハズレてほしいと願っている
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ということでした
今は、人間が神の様に振舞っているが
将来はデータ、アルコリズムを管理する少数の人間が
ホモ・デウスとなり、残りの人類は家畜となる
あくまで予測とのことですが
現状の危機に全体主義的な風潮があるように感じます
寛容で多様性を認め合う世の中を願うばかりです
文章中「今までは飢餓、疫病、戦争が強大な敵であった」
とありました
「強大な敵」を変換すると「兄弟な適」と出ました
こちらの方が良いなぁ、と愚考する今日この頃です
厳しい時、心の栄養補給は怠らない様、ご自愛下さい
ではまた
「ホモ・デウス」
テクノロジーとサピエンスの未来
ユヴァル・ノア・ハラリ著、柴田裕之訳
Kindle版
https://amzn.to/2RMZuHx
「サピエンス全史」
文明の構造と人類の幸福
ユヴァル・ノア・ハラリ著、柴田裕之訳