まだまだ先が見えないCOVID-19であります
暑さ対策と調整しつつ、油断なくご自愛下さい
「シルク・ドゥ・ソレイユが企業債権者調整法の適用を申請
事実上経営破綻した」というニュース
驚きとともに
「そりゃあコロナ禍、そうなるわな」と思う出来事でありました
それを耳にして思い出したのが
2011年、糸井重里氏が
おもしろくて、自立してて、食えてて、持続している人々
の理想的な例として
二つ挙げていたのがシルク・ドゥ・ソレイユ
そして
グレイトフル・デッド
でありました
https://www.1101.com/hubspot/2011-07-15.html
今回もネタ資源の持続可能な保護の為、再利用であります
また、ただ単に再利用ということではなく
興味を持ち、面白い!調べる!書く!
うん?、前にも、、、
という「忘れる実力が確実に上がっている」
ということも多分に作用しております
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
今回のお題は
ビートルズよりストーンズより儲けてしまったバンドの
「彼らの長く奇妙な旅が紡ぎ出す、超・革新的な10の教訓」
であります
参考図書)
グレイトフルデッドのビジネスレッスン#
バリー・バーンズ (著), 伊藤富雄 (翻訳)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
#1戦略的インプロヴィゼーションをマスターせよ
#2自らの価値観に従って実践せよ
#3顧客に親切であれ
#4コンテンツをシェアせよ
#5ビジネス部族を形成よ
#6インソース(内製)を実行せよ
#7イノベーションを継続せよ
#8リーダーシップを通じて変化せよ
#9権限をシェアせよ
#10経験経済を有効に活かせ
◆経験経済を有効に活かせ
顧客の人生をよりよくするために、本物の体験を提供せよ
ジェリー・ガルシア
俺たちが特別優れているわけでもあるまいしね
ただ、本気であることは並はずれているよ
俺たちは
やる気を削ぐような経験を乗り越えて
耐え抜くことに決めたのさ
◆顧客に親切であれ
顧客に親切であれ
高品質の商品やサービスを提供し
彼らの関心事に気を配れ
そうすれば、生涯の顧客になってくれる
良い演奏、音響、安いチケット代を追求
演奏は即興で毎回違う
演奏を聴いているとよくある
「クライマックスで盛り上がり完全燃焼!」
という感じではなく「続く」ステージ
集中しなくても聴ける音楽
音はあくまで空気を伝わってくる感覚
ファンになってしまうとその魅力にとりつかれる
その為の努力
バンドはファンにニュースレターを送り続ける
よくある年会費を徴収するファンクラブではなく
無料で情報発信
「顧客は高く評価すべき資産」と定義
◆権限をシェアせよ
横並びの組織構造は
よりよい意思決定と従業員のロイヤリティを生む
意見を聞く
反対意見があればその案はとりやめ
リーダーシップそのものも共有するということを実践した
◆リーダーシップを通じて変化せよ
変革のリーダーは組織内を結束させ人々を鼓舞して偉大であれ
ジェリー・ガルシア
俺はグレイトフルデットのリーダーじゃないし
そういうのじゃない
リーダーなんか必要ない
なぜなら誰もがリーダーだから
マリア・マルダー
彼は人を惹きつけるのよ
より好んだりしない
彼は、今、いくつかの世代にある偶像や教祖になりたいなんて言わないのよ
でも私は、彼のそういう控えめなやり方が
彼自身を高いエネルギーを発する楽器にしているのだと思う
ピーター・ローワン
ガルシアと一緒に演奏したら、能力の限界まで連れていってくれる
お互いにそうだと思うけれどね
演奏しているときは、全くエゴを感じなかった
◆自らの価値観に従って実践せよ
強固な企業価値観を持ち
社会的意識の高い行動を実践せよ
なぜなら正しい行いというだけでなく
利益につながる行為だからだ
“The Grateful Dead Movie”というDVDの中で
ジェリー・ガルシア
「自分の価値観で決めることはやめた」と語っていた
自身の価値観に焦点を絞ることこそが
彼らが長きにわたって
必死にビジネスで出来た唯一の理由
これは矛盾ではなく「価値観の共有」
というグレイトフルデッドの基本の考えに沿ったもの
ファンを正当に扱い大切にする
「死ではなく生、悪ではなく善」
という価値観を目標としている
◆戦略的インプロヴィゼーションをマスターせよ
戦略的インプロヴィゼーション
プランを練りながら行動し
即時に修正を加える能力が組織を動かすカギとなる
「ミスしなかったらそれがミス」
もしその演奏が完璧なら、違う表現を逃した証拠である
時代の転換点
新たな価値観へ移行することは間違いない
その流動的な状況を
受け入れる能力
即興(インプロヴィゼーション)
の力が必要とされる
◆インソース(内製)を実行せよ
インソースせよ
可能な限り多くのビジネス機能を社内に持ち
創造のプロセスを自らコントロールし
顧客をハッピーにすることで収益性を向上させる
アウトソーシングではなくインソース
グレイトフルデッドという組織は
たとえばツアースタッフなども
ツアーの期間だけ雇うのではなく通年採用としました
またレコードの製作、チケットの販売も直接自分たちで行う
道を選びました多くの失敗・損失を重ねながらも
新たなビジネスモデルを形成したのです
どんな組織もそのコアコンピタンスを
アウソソーシングすべきでないことは当然
バンドから派生する「仕事」を
コアコンピタンスに育てていった
◆コンテンツをシェアせよ
「クリエイティブなビジネスでは
希少性より親しみやすさが価値を生む
自分の知的財産をシェアせよ
自分の仕事について人々が知れば知るほど
利益を得る方法も増えていく
無料、シェアする
今でこそ我々も理解できるマーケ手法
コンサートを無断で録音する
※私もやってましたが
グレイトフルデッドの場合
仕方なくそれを一定のルールで公認
重視すべき相関関係は
親しみやすさのもたらす価値であって
希少性がもたらすものではない
ジョン・バーロウは言う
アダム・スミスは
少なく作れば作るほど、価値が上がると教えている
物理的にはそれはそうだろう
しかし
我々はテーピングを規制できなかったし
それにオンラインでは規制出来ない
インターネットではそんなことは無理なんだ
しかし、こういうことはありうる
もし私が自分の曲を20人に無償で提供したら
そして彼らもさらに20人にシェアしたら
あっという間に誰もが私のことを知ってくれて
クリエーターとしての私の価値も劇的に上がる
これこそがデッドからの価値ある提案
◆ビジネス部族を形成せよ
消費者部族のパワーを利用して、顧客とコラボし
パフォーマンスを向上させ、収益をあげよ
熱狂的なファンとコラボレーション
仲間として敬意を表し信頼する
帰属意識を育てる
グレイトフルデッドのファンは「デッドヘッド」と呼ばれる
バンドはそのデッドヘッドに対し
「共生娯楽組織」と位置づけ
互いに不可欠な存在であること求めた
◆イノベーションを継続せよ
時代の先を行くために失敗や損失を恐れず
継続的にイノベーションを起こせ
実際かなりの失敗を重ねていた
「より良いモノを提供する」という組織の価値観が
リスクを恐れず継続するモチベーションであった
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
ということでした
2011年12月16日
「グレイトフル・デッドに学ぶ」という本について書きました
その帯か何かで
グレイトフル・デッド(なんか)に
(あのややこしい)マーケティングを学ぶ?
とあり、ファンとしてはニンマリしたものです
厳しい時は続きます
心の栄養補給は怠らない様、ご自愛下さい
ではまた
前回発信の元ネタ
EHAGAKI #250 ≪組織の土台≫2012年05月10日
EHAGAKI #243≪グレイトフル・デッドに学ぶ≫2011年12月16日
グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ
デイヴィッド ミーアマン スコット;ブライアン ハリガン (著)