橋長戯言

Bluegrass Music lover, sometimes fly-fishing addict.
橋長です。

EHAGAKI#382≪整理術という言い訳≫

2019年11月22日 | EHAGAKI

断捨離 や終活は安定した売上げが見込めるツールなんでしょうね
このEHAGAKIでも整理・整頓について
いろいろ書いてきました

もっともそれは「整理しないコト」に対する
言い訳であります

EHAGAKI #354≪頭の領域≫2018.6.26

EHAGAKI #352≪世界にまるで不用の物なし≫2018.5.6

そんな「整理しない言い訳本」の決定版がありました

アンチ整理術
森 浩嗣著 日本実業出版社



この本の「まえがき」

 ◇ ◇ ◇ ◇
この「まえがき」だけで本書の内容が理解できたと思う
結論をここで書いておこう

断捨離するなら、持ちものなどどうでもも良い
そのまえに、自分の気持ちを断捨離
終活も同じ、まずは死ぬ覚悟を
次に、人間関係を断捨離しておく
そういう面倒なものを子孫に残さない
それが本当の断捨離である

断捨離を奨励しているわけではない

そうはいっても、人それぞれ
生き方が違っている、なかなか縁が切れない

理想となるべき方向性へ、少しずつでも近づこう
いっか死ぬ
明日や明後日は、なんとか死なずに迎えることができそう

明日のために、今日は準備を
そういう意味での「整理術」
 ◇ ◇ ◇ ◇

これだけ読んで、もうエエか、と思ってしまいます
以下、この本とネットで拾った私の断片メモです

 ◆ ◆ ◆ ◆

◆「整理術」というものはない

はっきりいってしまうと必要がない

整理する時間があったら
研究や創作や工作を少しでも前進させたい

無駄なことに時間を使うなんて馬鹿げている
すなわち、これが「整理術」である

◆断捨離はもってのほか

世間では「生活の知恵」なるものが登場する
どう収納するか
どう整理するか
どうやってものを捨てるのか
不要なものをどう活用するのか

筆者の断捨離に対する考えは一つ

不要だと断言できるものは捨てれば良い
そうでないものは持っているしかない

これだけである

工作室や書斎は、可能性でいっぱい
ものに溢れて散らかっている様は「可能性の山」

ガラクタもすべて「宝の山」
捨てるなんて考えは、これっぽっちも湧かない

◆「終活」なんていらない

「終活」なるもの、死ぬときの準備
身の周りを整理しておこう→無駄に思える

そんなことをして楽しいか?
人間、死んだらそれで終り

◆人と比較する人生か

世間は、努力をすれば必ず報われる、というものではない
努力をしても、 上手くいかない場合がある
努力をしないでも、成功を収める人もいる

これは不公平ではないか
そのとおり、不公平

◆向上心という基本的能力

若い頃、知らないから損をしているのではないか
という不安を持つ
歳を取り仕事にも慣れ、少し安定した時期に
もう一段自分を高めたい

自分の仕事や生き方について、本を読んで参考にしよう
と思うだけでその人は成功者のグループに入る条件を満たしている

日本人の半分くらいは、本など読まない
活字を読んでも意味を頭に展開できない
だから
文字を読めるという基本的な能力に加えて
自分の人生を向上させたいという意欲を持っているだけで
なにごとにも積極的になれる

これが、成功を導く要素となる
意欲と言うよりも、能力といっても良い

どんな情報も、それを役に立てようと思えば役に立つ
逆に
こんなものは自分とは関係がない世界だ
これを書いた人はただ自慢をしたいだけだ
と受け取る人は、同じ情報を活かせない

得をするか損をするかは、その人次第

◆発想:思いつき

思いついたこと→メモしない
メモしないと忘れるようでは、インパクトがない
=そもそもアイデアとして失格

思いついたときは、それを過剰に評価する
時間が経つと、冷静に見ることができる

だから、メモをしない
忘れるか忘れないか篩(ふるい)にかけて、アイデアを吟味する

◆評価:経験

思いつきを、「ああ、これだな」と評価することは
発想とはまた別の思考
これは、経験やデータに基づいた計算

経験により洗練された評価ができる様になる

初心者は、良いか悪いかがわからない
思いついたものを経験者に見せる

これが仕事の仕組み
良いか悪いかを教えてもらい解ってくる

この判定は「方法」が確立できる
しかし
判定ができるからといって、発想できるわけではない
思いつけるかどうかは、別の才能

◆求められる才能は散らかったもの

たとえば編集者が売れる小説がわかっていても
自分で書けない

創作には、最初の思いつきが、絶対的に必要

小説の場合
作者がオリジナリティ溢れる作品を書く
文章が酷いとか、表現が変だとか
そういった部分は、編集者が直せる
サポートできる、経験も能力もある人が沢山いる

しかし
めちゃくちゃでも
最初に発想を書き上げる人が求められる

出版社が欲しい才能は、整っている必要はない
むしろ、散らかったままの作品が良い

こぢんまりとまとまっている
売れそうな要素を上手に取り入れている
人気が出ている既成作品に似ている
そういったものが求められているのではない、ということ

戦略を立て、こうすれば売れるものが作れる
という手法では駄目だ、という結論になる

おおむねこの傾向にある

戦略や修正は、装飾的な部分で活かせる
あくまでも、本質は最初の発想

◆大事なことは方法論ではない

少し俯瞰すれば、文化の価値も多様化している
人の感覚は、それぞれで自由

自分が思い描いたとおりのものを実現していくことが
その人の人生の目的
他者と同じである必要はない

そんな多様化した時代に
昔ながらの整理術が役に立つだろうか?

役立つ場合もある
けれど、それですべてが解決するわけではない

大雑把にいうと、整理・整頓をし
気持ちが少し良くなる、という効果は認められる



◆大事なことは方法論ではない

人は、どんな場所でも歩ける、走れる
アスファルトの道路、舗装されていない場所

水の上、泳げる
どこへでも行くことができる

どう歩けば効率的?
歩きやすい環境は?

歩き方を改善すれば、もっと速く歩ける
環境を整えれば、もっと楽しく歩ける

そうやって歩く場所の改善に頭を巡らすのが「方法論」

しかし、違う
大事なことは、どこへ向かって歩きたいのか、である

「整理・整頓は、あなたの外側ではなく内側
あなたの心の中でするのが、最も効果がある。」

 ◆ ◆ ◆ ◆

ということでした

この本の帯のキャッチ

「ものは散らかっているが、生き方は散らかっていない」
とあります

言い訳、という方法論とも上手に付き合っていきたい
と、愚考する今日この頃です

ではまた