橋長戯言

Bluegrass Music lover, sometimes fly-fishing addict.
橋長です。

EHAGAKI #304≪読書のワザ≫ 2015/6/15

2015年06月14日 | EHAGAKI

お世話になります

読書?何を今さら と思われるでしょうか
金融機関から配布される“その手の冊子”のタイトルが「読書のススメ」そしてその中の1章が「読書の伎」でありました

近頃はスマホ依存 SNS依存 その結果じっくり考える時間 何も考えない時間が減った とよく言われています
私自身 間違いなく読書の時間が減っていますので 今回のお題は 自戒の念を込めて「読書のワザ」といたしました

テレビやベストセラーの『声に出して読みたい日本語』でお馴染みの齋藤 孝氏の冊子からごく一部を抜き出してみました


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

「読書の技」を身につける


■カバーや目次を見て本の全体像をつかむ

書店の棚を眺めていて気になる本を見つけたら手に取る
まず帯を読んでみて著者や編集者の思いを知る

目次で大まかな構成や論理の流れをつかむ
こうして本の全体像をつかみ「読んでみたい」と思ったら、レジへ


■新鮮なうちに本をさばく

喫茶店に入る
買った直後はその本に対する思いも最高に盛り上がっている
この状態のときにコーヒーを飲みながらパラパラとページをめくり 大まかに内容をつかんで 本格的に読み始める前の準備作業をしておく

オフィスや家にいると 雑用が飛び込んできたりして作業が中断されるが喫茶店ならその心配はない
落ち着ける喫茶店を読書の場所と決めておく
筆者は 喫茶店で行うこの準備作業を「本をさばく」と呼んでいる

捕れたての魚を天日干しにして おいしい開きにするために「さばく」のと同じ
一冊当たり二〇分くらいかけてサッサッとページをめくりながら ある程度の内容を把握する

これをやっておくと、しばらくして本格的に読み始めるときには すでに天日干しが済んでいるので すぐに食べられる(読める)状態になっている

新鮮なうちにこの作業をしておかないと せっかく買った本が眠ったままになってしまう

本と人との関係は、恋愛と似ている 店頭で見つけた本を買うのは、その本にひと目惚れしたから しかし 買ったときのテンションは時間がたつにつれて薄れてしまうもの
買った喜びが薄れないうちに 一気に「さばく」ことがおすすめ


■うまくさばけば5分間で要約できる
 
本のさばき方をもう少し詳しく
目次を手がかりにして大まかな内容をつかんだら 目次の中から重要と思われる部分を抜き出す

例えば5章立てで各20項目ずつ、計100項目で構成された本があるとすると全て読んで全体を把握しようと考える必要はない

100項目の中から重要と思われるものを10項目ほど抜き出します。
このとき 1つの章から10項目を選ぶのではなく できるだけ各章から選ぶことがポイント

後で 抜き出した項目だけをしっかり読めば、おおよその論点は理解できるはず


■声に出して読んでみる

本の内容を細かく吟味しながら丁寧に読むことを精読という
読書の効果を自分のものにするためには 精読が大切

精読の技術はいくつかあるが 「声に出して読むこと」つまり音読は 精読のために欠かせない技術

江戸時代の寺子屋では、「素読」つまり、音読が代表的な学習方法
孔子の教えである『論語』などは まず先生が音読し それを子どもたちが声に出して復唱する形で講義が進められた

音読を聞くことで正しい解釈ができるという利点がある
文章を正確に理解するためには 正しい区切り方やイントネーションを知る必要がある
そうでないと 意味が違ってくることがあるから

音読には注意力がいるので、黙読では見過ごしそうな言葉も 読み飛ばすことがない

最近の脳科学研究では 文字を読む場合 黙読より音読のほうが脳の活性化領域が広くなることも分かってきた

本1冊を音読するのは大変だが 本当に重要だと思うところを音読するだけでも効果がある


■音読すると読んだことが自分のものになる

音読してみると 自分の日本語の力量をチェックできる
黙読なら難しい漢字を読み飛ばせるが 音読ではそうはいかない
きちんとした読み方を調べないと、音読できない


■本は汚して読むべし

子どものころには声に出して本を読む習慣があった人でも 大人になると活字を目で追う黙読になるのが普通
その場合、本の内容を自分のものにするためには ただ黙読するのではなく、線を引きながら読む方法が効果的

黙読しているとメリハリがなく 読書が受動的なる 線を引くのは 自分から積極的に本に関わろうとする行為
どこに線を引こうか考えながら読むことで 読書は積極的な行為になる

線を引いてしまえば それは自分の本になる 他の人が線を引いた本はとても読む気になれない
しかし、自分の刻印を残した本は いとおしく大切なものに

※橋長注
私も基本そう思いますが いちど面白い体験がありました
古本屋さんで仕入れた田中長徳氏の本

前の所有者さんがあちこちに鉛筆でマークが!それがまた的を得てるというか共感できるマークでありました
「正しいライカ道は、ボディ一台、レンズ一本、ストラップ一本、、、」長徳先生の教えですが 私はまだまだ修行が足りません


本はきれいに読むべし Vs 本は汚して読むべし

どんなものでも使えば使った痕跡が残る スポーツ選手の道具 グローブやラケットがきれいなままだったら「あまり使い込んでいないな」と、むしろマイナスのイメージを持たれてしまう
使い込まれた本 つまり 徹底的に読みこなされた本は クタクタになり書き込みで汚れていて当然である


■難読本に挑む前に解説書を読む


■芋づる式読書のススメ

好きな著者の本を続けて読むことを 著者は「芋づる式読書」と呼んでいる

 孔子は『論語』で「知るは好むにしかず、好むは楽しむにしかず」と言っている
つまり
「知っていることは、好んで学ぶことにかなわない。もっというなら、好む程度ではなく、学ぶことを本当に楽しむことが何にも勝っている」という意味

これは読書も同じ 好きな本だからこそ深く読め、幸せを感じる 仕事の必要上の読書だけでは ストレスを抱え込む
仕事で読む本以外に 自分が本当に好きで、読みたい本を確保する
そうした大好きな本は精神の避難所の役割を果たし、自分を取り戻す助けになる


■図書館で「読むべき本」を探す

本に親しむには 図書館が大いに役立つ 書店は新刊本中心の店が多く スペースも限られているので 少し前に出た本を探すのは容易ではない
こしれに対し 図書館は書店よりスペースがあり 過去の名作が大量に所蔵されています。良書に出会う絶好の場所


■リアル書店とネット書店を使い分ける

古い本を購入する場として ネット書店はとても便利
アマゾンなどでは、かなり古い本でも出品されているし 古本専門のネット書店もある

ネット書店が登場したことにより、新刊本、古書の大量なタイトルの中から、在庫の有無、価格、本の状態などを見て購入できるようになり、手元に届くまでの時間も大幅に短縮された

「読みたい」と思ったとき、本がなかなか手に入らないと 徐々にテンションが下がってしまう
ネット書店の場合、2~3日以内に届けられることが多いので 待ちくたびれる前に手に入り 本を待つ楽しみも味わえるようになる
著者は 基本的に新刊はリアル書店 古書はネット書店で購入すると決めている


■「読書のススメ」もくじ

序 章 読書しなければ成長はない。
社会人こそ本を読もう

第1章 読書が「仕事力」を高める
読書は思考力を高める
読書は柔軟な精神力を鍛える
読書すると世界が大きく広がる
読書は仕事の武器になる
読書すると話す力が鍛えられる
言語能力を高めると仕事力も高まる
新しい概念が自分のものになる
きちんとした文書が書けるようになる
読書すると自分の成長を実感できる

第2章 「本のある生活」を始めよう
ルールをつくって読書を習慣化する
自分の本棚を持つ
本について語り合える友人を持つ
背中を押してくれる本を見つける
古典を読んで普遍の真理に触れる
偉人の伝記は生きる知恵の宝庫
自分なりの読書の楽しみを見つける
時と場合に応じて3通りの読書をする
本は自分を見つめ直す鏡にもなる
新聞で活字に慣れ親しむ
1冊の本が未知の世界の扉を開く
本との出会いを大切にしよう

第3章 「読書の技」を身につける
カバーや目次を見て本の全体像をつかむ
買ったばかりで新鮮なうちに本をさばく
うまくさばけば5分間で要約できる
声に出して読んでみる
音読すると読んだことが自分のものになる
気に入った部分を暗唱する
本は汚して読むべし
3色ボールペンで線を引きながら読む
引用力で文章を自分のものにする
読書メモに感想をひと言残す
難読本に挑む前に解説書を読む
芋づる式読書のススメ
図書館で「読むべき本」を探す
リアル書店とネット書店を使い分ける
マンガはコミュニケーションの道具として最適
職場に読書会をつくろう
精読と多読を組み合わせる

面白い! ためになる! 役に立つ!
■読書初心者のためのおススメ本

齋藤 孝
さいとうたかし
明治大学文学部教授
1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大大学院教育学研究科博士課程、日本学術振興会特別研究員、慶應義塾大学非常勤講師などを経て現職。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。『声に出して読みたい日本語』はシリーズ260万部を超えるベストセラーとなる。読書文化の重要性を説き、大人は世界文学や古典などを読むべきだという教養主義を唱えている。著書累計出版部数は1000万部を超える。
http:// www.kisc.meiji.ac.jp/~saito/

 

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ということでした

他人に影響されずに 自分で考える時間を大切にしたいものです

                         ではまた