心構え)
よく「釣師は嘘つき」と言われます。生まれつき嘘つきなのでしょうか。我々釣師はまず、自分自身に嘘をつくことから始め、徐々に耳を貸してくれる人になら誰にでも嘘をつくようになります。理性的な判断と客観的な視点をもってすれば"うまくいく"し"健康的"であるはずです。嘘をつくことは、後天的にその能力を開発したからである、と言われています。勝利する為の工夫かも知れません。
自己啓発システムとポジティブな幻想が共存すれば、行動へのモチベーションが生まれ、その行動からいくつかのポジティブな結果がうまれます。結果をうみだすためには、行動しかないので、ポジティブな結果は持続性を生み、持続性は勝利を生むという図式です。
「シュートを打つのをやめないことが何より大切なんだ。」マイケル・ジョーダンがユタ・ジャズを相手に、第3クォーターまでの不振から一転し、第4クォーターで逆転した時の勝利インタビューで語った言葉です。
釣において過酷な状況でも、ポジティブな幻想は希望をもたらし、キャストし続けることが出来る、その状況を楽しむことが出来るのは、釣師にとっては必須です。だからこそようやく釣れた魚はどんな魚であれ“特別な魚”であり“大きな魚”であり“すごいファイトを味わわせてくれる魚”なのです。慢性的楽天家である釣師としては、ついついポジティブな幻想から自己啓発した過程と結果を“客観的”にではなく、心のままに幻想のつづきとして表現してしまうのです。これは、客観的に言うと“嘘?”釣師の副作用と呼ばれている現象です。
行動)
アメリカのフィッシングガイドであるEd Van Put(カーター大統領のガイドも務めた)が言ってます。
「川の流れは同じに見えても、状況は毎日違う。その時々の流れを読まなければ、ベストなフィッシングはできない。」と。
しかし、正確さ、緻密さを求めるあまり、判断が遅れたり、手を変え品を変えやってみるがうまくいかない、という状況はよく経験します。私などもフライ(毛鉤)作りが好きなせいか、次々とフライを交換し、結局は最初のフライがよかった、なんてことがよくあります。 Ed Van Putは、3種類のフライしか使わないそうです。彼は次のようにも語っています。
「フライフィッシングが好きだったルーズベルト大統領もいっていたように、近ければ充分だ、フライは、本物(その時の捕食対象の虫)に近い色とサイズであればいいし、キャスト(プレゼンテーション)はできるだけ魚に近ければいい、要は魚のタイミングに合わせることが肝心だ。そして“何を使うか”ではなく“どう使うか”がポイントだね」と。
まだまだ修行は続きます。公式にするとこんなもんですかね。
幻想≧行動≧寛容な判断≒結果≦調子に乗る≦前進
MCEIの冊子“SCOPEVol.152 ”に掲載した文章です この文章は「LS HAGAKI Vol.26(1999.9.10)」と「LS HAGAKI Vol.46(2003.2.18)」に加筆修正したものです LS EHAGAKI #156
近頃まったく“釣り”にいけてません もっともバンドが忙しい為なのですが 関係者の皆さんすいません 写真は昨年から使いっぱなしのフライたち