(株)カプロラクタム-blog

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畑の科学

2005年07月23日 | 重禾
「畑に水撒いてるから後で止めておいてね。」
生徒指導の先生にこう頼まれたのが昨日の13時・・・
やべっ!
気づいたのは今日の18時。水道全開のまま、ゆうに1日以上も経ってしまいました。しかも明日はサマースクールとかで日曜なのに全職員が集まります。水さえ止めれば月曜までには干上がるでしょうけど、流石に明日までとなると、バレないためには一刻の猶予もありません。
慌てて車を走らすこと20分。昨日の日直か、休日出勤の誰かが止めてくれている事を淡く期待しつつ現場へ。しかし、辿り着くと見事な“田んぼ”が出来上がっていました。無慈悲に回り続けるスプリンクラー。とりあえず水を止めて、しばし思案。
夜に家族でウナギを食べに行くことになっていたため、それほど留まってはいられません。試しにトレイのようなもので水をかき出すも、全くの焼け石に水状態。

そこで思いついたのが「サイフォンの原理」を使うことです。
近くに適当なホースがないか探し、1mほどの短めのものを発見。水を満たして一方を畑、一方を地面に置くと、みるみるうちに水が吸い出されていきました。
これならば・・・と満足したのも束の間。田んぼ状態といえども前身は畑ですから、盛り上がった部分に阻まれて水が吸い出されない箇所がいくつもできています。
1つではダメだと思い、さらにホースを探して奔走。しかし手ごろな長さのものは中々見つかりません。ドラムに巻かれた長いホースならいくつもあったのですが、ドラムの高さが邪魔をしてうまく水が出ないし、試しに全て解いてやってみても長すぎるのかうまくいきません。
ふと気づくと親から不在着信の嵐。すでに19時を回ってしまい、仕方なく一時撤退を余儀なくされました。

とりあえずウナギを満喫し、再び学校へ。今度は一旦家に寄って懐中電灯と剪定バサミを持ち出しました。最終手段「長いホースを切って利用しよう作戦」に使うためです。数箇所にこのサイフォン装置を作っておけば、夜のうちには何とかなるでしょう、後は明日早く行ってホースを片付けるのみです。早くと言うと、バスが出るのが7時なのでそれより前ということに。かなり大変ですが、バレないようにするにはそうするしかありません。肩を落としつつ畑まで戻ってみると、
ちゃんと畑だ…
水は、サイフォンに頼らず全て畑の中へと吸収されていました。
自然の力は偉大だと感動しつつ、無駄な努力のために二度も学校へ足を運んでしまった己の愚かさを悔いながら、ホースを片付けて帰りました。
本来ならウナギ屋でおいしいビールが飲めたはずなのに、家で1人飲む第三のビールは涙の味がしたそうな。

(終わりの歌:にんげんっていいな)