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平成6年(1994年)に開園された柏市にあるあけぼの山農業公園ですが今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため施設の利用も向日葵畑には向日葵も植えませんでした。
キツネノカミソリは野草なので園内何か所かで咲いていますが今年は例年よりピークは早かったように思いました。
開園前の朝早い時間帯(8月3日)でしたので日本庭園の前の斜面で撮影してきました。その斜面は「でいだらぼっちの足跡」と言われているところです。
むかし、布施村の近くに、でいだらぼっちと呼ばれる大男が住んでいました。せいは3メートル近くありましたが、とてもやさしく、少しボーっとしたところもありました。子どもたちは、みんなこの大男が大好きで、いつもいっしょに遊んでいました。
ある年、村に日照りが続きました。たんぼの水は干上り、畑にはほこりさえ舞っていました。井戸水も少なくなり、稲や野菜や、そして人間さえもみんなふうふうしていました。老人たちが集まっては、何かよい考えはないかと相談していましたが、雨を降らせる名案は出てきません。
でいたらぼっちの絵 そんなある夜、でいだらぼっちは、『布施の弁天さまをひとまたぎする者がいれば雨は降る』と、いう夢を見ました。さっそく、このことを村の人に話しましたが、
「そんなばち当たりなこと、よく言えたもんだ」
「何をばかこけ。いよいよ狂ったな。」
などと言って、信じてくれる者は、ひとりもいませんでした。
しかし、相変わらず日照りは毎日続き、村の人たちは、ますます元気がなくなっていきました。子どもたちも、あまり外で遊ばなくなってしまいました。
2・3日たった朝、むっくりと起き出したでいだらぼっちは、布施の弁天さまの方をじっと見つめて、
「おらは、この村が好きだ。この村の子どもは大好きだ。」
と、つぶやくと、弁天さまを目がけてゆっくりと歩き出しました。不思議なことに、でいだらぼっちはずんずん大きくなっていくのです。しまいには頭が雲の上に出てしまいました。毛むじゃらな2本の足だけが、のっし、のっし、と動き、そのたびに地面がゆれていきます。そして、とうとう布施の弁天さまをひとまたぎしてしまいました。
とたん、空は黒雲におおわれ、大つぶの雨が降り出しました。稲は生き返りました。人々は、おもいおもいのかっこうで、降りしきる雨の中を踊り狂いました。その中に、でいだらぼっちの姿はありませんでした。その後もでいだらぼっちを見た人はありませんでした。仲よしだった子どもの話では、そのまま利根川をまたぎ、筑波山の方へ歩いていったということです。
ひとまたぎした時の、左足の跡があけぼの山公園下に、そして右足の跡が、宿連寺の天王さま近くに今でも残っています。
でいだらぼっちの足跡は、逆井にも酒井根にも、高田にもあります。
もうひとつのでいだらぼっちのお話 子供編
以上は柏市生涯学習部文化課から転載しました。
炎天にキツネカミソリゆるるかな
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