9月20日に「81歳母親の失禁」を書きました。母がこうなったきっかけは、昨年末に脳梗塞を起こしたことです。脳梗塞を起こしたそのまた原因は、糖尿病です。
母は長年、糖尿病を患っています。最初の発症からもう20年を超えています。食養生はほとんどしません。間食をやめることはできません。あんぱんもおまんじゅうも食べます。アイスクリームも食べます。放っておけば、一時に2つか3つ食べます。朝食前の血糖値は常に200を超えています。でも、元気でした。高血糖が長年つづいていても、不思議にも余病併発はなかった。
昨年12月、とうとう脳梗塞という事態に至りました。大阪のデパートから帰ってきた夜、顔色悪く疲れ切っていました。その翌日も臥せっていました。微熱が出て、少し吐きました。本人も私も、「かぜ」だろうと思っていました。
ところが2日目の夜、トイレに立った母がよろよろと台所に行きました。次に風呂場に行きました。トイレのありかがわからないのです。3日目、県立病院の通院日(糖尿病月例検診)でした。CTスキャンなどの検査をして、即日入院となりました。
さいわいなことに、身体機能その他は平常でした。脳梗塞発症以後の記憶だけがだめになりました。過去のことは覚えていますし、知人・家族のこともこれまで通り、平常に認識しています。
しかし入院中、病棟のトイレを覚えられず、トイレに行くと自分の病室に戻れません。お見舞いに来てくれた人のことも、その事実さえも、すぐに忘れています。妄想も出ました。母の話によれば、世話している猫が1匹か2匹、病室に出入りしています。
入院中、すっと熱は出ていません。病状が安定しているということで、3週間で退院しました。