いつだったか最近のこと、テレビで「ワンス・アンド・フォーエバー」という映画を見ました。ベトナム戦争の時の激戦の物語です。これは映画館でも一度見ました。
私はいつも「平和、平和」といっています。しかし、勇敢なことや英雄の話は人並みに好きです。私が小学生のころは、アメリカ映画でも西部劇がたくさんありました。とりわけ好きだったのは騎兵隊ものです。
後年、先住民の人権問題などから、騎兵隊ものもほとんど見られなくなりましたが、そのころは騎兵隊は絶対に「善玉」で、インディアンは絶対に「悪玉」でした。紺にオレンジ色のラインのユニフォームやオレンジのスカーフ。そのうえにスマートな馬。騎兵隊は、かっこよかった。
騎兵の一隊がインディアンに包囲されて、馬を下りて円陣を組んで対戦しています。もうあかんというときに、ぎりぎりはらはらという場面で、援軍の突撃ラッパがかすかに聞こえます。兵隊はそれを聞いて元気を取り戻します。そこへサーベルをかざした将校、吹きつづけるラッパ手、勇猛な軍曹らの援軍が突撃して行きます。全部、騎兵です。かっこよかった。
インディアンが撃たれてばたばた倒れます。落馬していきます。騎兵隊も死んだり負傷したりします。でも、そのころの映画の中では、死人もけが人も、血が出ません。脚や腕がちぎれたりという場面はありません。撃たれてウーンといって倒れたり、落馬したりするだけです。
そのころのストーリーは決まってこういうものでした。
騎兵隊ものでいちばん有名なのが、実際にあった第7騎兵連隊の全滅物語です。そして「ワンス・アンド・フォーエバー」は第7騎兵連隊第1大隊の物語で、これも実際にあった話です。