川本ちょっとメモ

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古賀義明氏講演(1)I am not Abe と官邸圧力の実際 外国特派員協会2017.6.5. (書き起こし))

2017-06-16 17:02:39 | Weblog

2017-06-16
古賀義明氏講演(1)I am not Abe と 官邸圧力の実際 外国特派員協会2017.6.5. (書き起こし)
2017-06-17
古賀義明氏講演(2)中村格氏が「報ステ」降板圧力・山口敬之氏逮捕状握り潰し 外国特派員協会2017.6.5. (書き起こし)
2017-06-24
古賀義明氏講演(3)日本のメディアはなぜ権力に弱いのか / テレビ朝日と朝日新聞の関係 / 安倍政権下における報道の自由と自主規制 外国特派員協会2017.6.5. (書き起こし)
2017-06-25
古賀義明氏講演(4終) ◎森友学園 役人は文書で仕事をする種族 安倍昭恵夫人の力が財務省に及んだ / ◎加計学園  外国特派員協会2017.6.5. (書き起こし)



みなさん、こんにちは。お招きいただきまして本当にありがとうございます。

私にとってこのFCCJっていうのは、うかがうといつも心が、なんというか、ほっとできる安心できる場所です(微笑する)。

ええ、きょうはこの「日本中枢の共謀」という本を出したということでお呼びいただいたということでありますけれども、この本の内容を紹介する、というよりもですね、私がずうっとこの、何年もテーマに活動しております「報道の自由」ということについて、最近起こっている問題を含めてお話をさせていただきたいと思います。

で、まず最初にですね、この本に出てくるエピソードを一つ、紹介させていただきたいんですけれども、私が2015年3月27日に I am not Abe という紙を報道ステーションで出しまして、番組中にメインキャスター古館一郎さんと口論になったということで、非常に世間を賑わせたことがありました。それに関連するエピソードです。

ええ、実はですね、多くの方が感違いをしたままなんですけども、私があのペーパーを番組中にかかげて、そして、古館さんと口論をしたことが原因になって報道ステーションを降板したという風に思っておられる方が多いと思うんですね。

で、実際はそれはまったく違うということを直接お話させていただきます。実は、 I am not Abe という表現を私が使ったのは、その3月のプログラムの時が最初ではありません。それは、その2カ月前、1月23日に、やはり同じ報道ステーションで、私、I am not Abe という言葉を使いました。ただし、ペーパーは使っていませんが。

その時は、ちょうど後藤健二さんがISIL (イスラム国) につかまっているということが1月20日にビデオが公開された、その直後でした。私、あのう、多くの方と同じでまったくく知らなかったものですから、その事実をですね。非常にそのビデオが出た時に驚いたわけですけれども、その時にですね、同時に非常におかしいなという大きな疑問をいくつか感じました。


安倍首相 わざわざこの時期に中東へ 反ISIL外交をやった

まずですね、その事件についてもちろん官邸は、安倍総理も含めてですね、後藤さんがISILにつかまっていたということをよく知っていたはずなんですね。にもかかわらず、というのは11月ぐらいにISILから後藤さんの奥さまへの連絡があって、それはもちろん総理まですぐに報告されてですね、ええ、それは政府の中枢においてはよく理解されている事実であった。

にもかかわらず、まず第一に、なぜ、わざわざ中東に行ったのかということです。それが最初の疑問です。

そして二つ目にですね、行った国がですね、ヨルダン、それからエジプト、イスラエルというようなアメリカの盟友ばかりで、しかもイスラエルではイスラエルの国旗の前に立って会見を行い、そしてエジプトであの有名なスピーチをしているんですね。そのスピーチの内容はISILと戦う周辺各国に2億ドルの支援をいたします、お約束します、という内容でした。

そして、これは事実上ISIL (イスラム国) に対する宣戦布告になるわけですね。実際は後藤さんの奥さんが身代金の交渉をしていたわけです。その最中に、こういうステートメント発するというのはどういう意味を持つのかということは、政府はよく理解していたはずです。

で、実は、その時にいろんなところから聞こえてきた話としては、政府は、後藤さんの奥さんが身代金交渉をすることに対してまったくサポートしていなかった、ま、サポートするなと厳命されていたという情報が、いろんなところから聞こえていました。

そして、それは、政府が後藤さんをまったく助ける意志がなかったと私は思ったんですけど、もう一つですね、もしも裏取引でなんとか後藤さんを救おうという風に考えていたのだとすればですね、ええ、当時、対策本部がヨルダンのアンマンに置かれたんですけども、普通であればトルコに置くべきだったと思うんですね。トルコは直前に総領事館員40人以上をISILから取り戻したという実績がありますので、やはり普通に考えればトルコに置くんだと思うんです。

アンマン。アンマンはCIAの中東の拠点があるところで、ある意味、アメリカに「見てください」と、むしろ「見せたい」というぐらいの意志だったんだろうなと、私は理解しました。


I am not Abe 報道ステーション降板の内情
官邸から報道ステーションに抗議

そして、結局ですね、後藤さんたちは亡くなってしまうわけですけれども。私が1月23日に I am not Abe と言ったのはですね、安倍批判というよりも、世界に対して安倍さんが中東に発したメッセージっていうのは日本人の考え方と違うんだ、ということを示したいと思ったんですね。

そのために国民一人一人が I am not Abe と、私は安倍さんと違いますよ、というメッセージを世界中に発信しましょうと。それが、中東の人々、あるいは世界中の人々に対する、対してですね、そういうメッセージ、日本人は決してイスラムと戦うつもりはないし、世界中の人々と絶対に戦争なんかしたくないんだというメッセージを伝えましょうということで、I am not Abe というプラカードを掲げて発信しましょうという発言をしました。

そしてその放送がですね、実は官邸にいた菅官房長官の逆鱗に触れるということになったようです。これはですね、なぜかと言うと、1月20日に後藤さんのビデオが公開された直後に、「やはり安倍さんのスピーチがまずかったんじゃないか」という、そういうことを言うコメンテーターがテレビで何人かいたんですね。しかし、これは2日ぐらいの間に、そういう人たちはテレビの画面から一掃されました。

そして、官邸から見れば押さえこんだという風に思っていたところで、私がそれを非常にはっきりした形で持ち出したということに対して官邸は、この問題は一歩まちがえると後藤さんを見殺しにしたという批判を浴びて、安倍政権にとって非常に大きな打撃になるんじゃないかと心配していたようなので、それに対する私のコメントが出たので、非常に怒った、ということです。

そしてその結果として、私がまだ番組に出ている最中に、菅官房長官の秘書官が何人かいるんですが、そのうちの二人からテレビ朝日の幹部に、私の発言に対して抗議するメールが来ました。

これは、あの、海外のメディアだったら無視して終わりだったんじゃないかと思うんですけれども、テレビ朝日の場合は残念なことにですね、そのうちの一人がですね、これは編集長という立場にいる人ですけれども、この人が報道局長に報告をし、大変な騒ぎに、ま、大騒ぎになったということがあります。

で、その後ですね、私、あのう3月まで出演の約束が決まっていたので、それまでは首にならなかったんですけれども、上層部からの指示で、4月以降は出すな、という風に聞いてます。ただ、ええと私が首になったということが重要だということじゃなくて、実はその秘書官のうちの一人は中村格(いたる)さんという人なんですけれども、この人が今話題になっている中村格さんだと。そのことをちょっとまた説明します。

――次回につづく


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