川本ちょっとメモ

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検察は進むことができるのか? 岸田新内閣の派閥分布、細田(安倍)派は官房長官・経産ほか2人、麻生派は財務ほか2人

2021-10-06 16:28:04 | Weblog


岸田文雄新内閣が発足しました。
岸田総理大臣を入れて全21閣僚。

派閥分布は岸田派4、細田(安倍)派4、竹下派4、麻生派3、無所属3、二階派2、公明1の計21閣僚。

細田(安倍)派はなんと官房長官を取っています。岸田派ではなかった。そのほかに文科相と防衛相を取りました。

細田(安倍)派は、経済政策を司る経産相も取っています。安倍氏子飼いの萩生田光一氏が経産大臣です。安倍氏との親密度を証明する興味深い写真があります。<加計学園> 萩生田副官房長官ご発言概要  (← クリックをクリックしてご覧くだされば一目瞭然です。

経産省は原発政策と経済政策を所管する重要な官庁。原発再稼働とアベノミクス。

原発政策に岸田風新味は期待できないと思います。

また岸田新首相は、経済格差解消をめざして中間層のレベルアップを看板政策にしています。しかしこれは、アベノミクスからの脱却と法人税、所得税、資産税、利子税などの税配分率に大ナタを振るわなければできないことです。果たして、そのような大枠の構想があるのしょうか? 今のところ、そんなに大きな構想があるようには見えません。 

おまけに、麻生太郎氏が長年牛耳ってきた財務省の新大臣は、麻生派の鈴木俊一氏です。財務官僚+鈴木俊一新大臣+麻生自民党副総裁の壁は大きいものと思われます。

また党についても、岸田首相は自民党総裁ではありますが、麻生副総裁と甘利幹事長のタッグでは、党支配力は強くないと思われます。


 
 ○首相   岸田 文雄(64) 岸田派 衆9期
  ○官房長官 松野 博一(59) 細田派 衆7期
  ○財務相  鈴木 俊一(59) 麻生派 衆9期
  ○総務相  金子 恭之(60)  岸田派 衆7期
  ○法相   古川 禎久(56)  無派閥 衆6期 ※本年9月石破派離脱
  ○外相   茂木 俊充(65)  竹下派 衆9期
  ○文科相  末松 信介(65)  細田派 参3期
  ○厚労相  後藤 茂之(65)  無派閥 衆6期
  ○農水相  金子 原二郎(77) 岸田派 参2期+衆5期
  ○経産相  萩生田 光一(58) 細田派 衆5期
  ○国交相  斎藤 鉄夫(69)  公明党 衆9期
  ○環境相  山口 壮(67)   二階派 衆6期
  ○防衛相  岸 信夫(62)  細田派 衆3期+参2期
  ○復興相  西銘 恒三郎(67) 竹下派 衆5期
  ○国家公安委員長 二之湯 智(77)竹下派 参3期
  ○経済再生相 山際 大志郎(53)麻生派 衆5期
  ○経済安保相 小林 鷹之(46) 二階派 衆3期
  ○デジタル相 牧島 かれん(44)麻生派 衆3期
  ○ワクチン相 堀内 詔子(55) 岸田派 衆3期
  ○少子化相  野田 聖子(61) 無派閥 衆9期
  ○万博相   若宮 健嗣(60 ) 竹下派 衆4期
  
古川禎久法相は内示に際して、石破派ではまずいと、離脱を求められたという。元石破派ということなら、法相の立場から検事総長に無用な圧力はかけないだろうと思うが、甘利明自民党幹事長が恥も外聞もなく法相に圧力をかけてくるでしょう。甘利自民党幹事長は3A(安倍・麻生・甘利)の一人なのです。

甘利幹事長はまことに悪党。機を見るに敏なり。泳ぐのが上手で、9月自民党総裁選でも、まっ先に総裁選に立候補の声を上げた岸田文雄氏のもとへ早々と駆けつけました。甘利氏が幹事長で麻生太郎氏が自民党副総裁ということなので、自民党は3A支配、ということになるでしょう。岸田政権発足時のこのパワーバランスは、岸田新首相が10月衆院選と2022年参院選をうまく乗りこえるまで続くのではないでしょうか。

ということなので、安倍擁護のために、党から古川禎久法相への検察統制圧力が強いことは予測できます。おまけに岸田首相はそういうことがわかったうえで、甘利明氏を自民党幹事長に登用したことでしょう。二階を制し、安倍・麻生とうまくやっていくには甘利が必要です。岸田首相は、3Aから古川法相への検察統制圧力をうまくかわすことができるでしょうか。

岸田首相は自分が総理になった今では、安定した政権運営のために、モリカケサクラ(森友学園・加計学園・桜を見る会)プラス2019参院選広島1億5000万円という安倍案件を荒立てたくはないと見てよいでしょう。仮にそうであっても、検察正義と国民のために、林検事総長の健闘を期待します。


■ 検察の2019参院選広島1億500万安倍追及があるならば、
■それは11月から来年1月ではないか
 
検察は、捜査や起訴立件についてそれ自身が政治に影響を与えることを避けると聞いている。

今年2021年6月18日、2019参院選広島の河井案里陣営に関する大規模買収事件について、東京地裁は河井克行元法相に対して懲役3年の実刑判決を下しました。林検事総長による検察指揮が厳しいものであることがうかがえます。

この2019参院選広島河井案里陣営に自民党が選挙資金1億5000万円を投じました。同じ広島から立候補した自民党ベテランの溝手顕正陣営への党選挙資金支給は1500万円でした。

広島県本部は溝手顕正支持で固まっているところへ、東京の党本部が新人候補河井案里氏を押し込んできました。当時の安倍首相も菅官房長官も、当時の自民党選対本部長の甘利明氏も選挙カーに乗って河井案里氏を応援しました。

その結果、河井案里当選、溝手顕正落選。河井克行氏は選挙公示前の春ごろから、自民党県本部の固い溝手顕正支持を打ち破るために広島県政界の首長・議員たちを広範囲に買収してまわりました。その中にはむりやりお金を置いていかれた地方政治家も多人数にわたりました。

しかし公判で河井克行氏は買収を認めたものの、その原資は河井陣営に送金された自民党資金の1億5000万円ではないと口堅く言い通しました。

そんなことを信じる者も、自民党内部の報告書を信じる者もいないでしょう。表向き、1億500万円の使途を正当だったとしているのは、当時の安倍首相と二階自民党幹事長の影響下にある自民党国会議員しかいないのですが、目下のところは「自民党資金1億5000万円」の行方は灰色のままになっています。

しかし、河井案里氏と河井克行氏の二人を捜査してきた検察はかなりの証拠を押さえているはずです。1億5000万円は河井案里陣営と河井克行氏の支部に分けて振り込まれたのです。その金額と送金年月日は公表されています。

これほど明瞭な出所があれば、使途不明金額は明らかになります。問題は「その使途不明金はとこへ流れたのか」ということです。

わたしは、1億5000万円の一部が河井克行氏の懐におさまったり、あるいはまた、ほかの誰かに1千万単位の札束が少なくとも二つや三つ、上納金として渡ったのだろうと思っています。ほかの誰かが、誰のことであるかはご想像にお任せします。

検察は1億5000万円のことについてかなりのことを明らかにしていると思いますが、立件できるほどに確実なものがあるかどうか、わかりません。

なにしろ、河井克行氏は「実刑3年」について控訴していますし、買収には1億5000万円を使っていないと証言しています。控訴審の過程で、安倍氏が政治力を失って過去の人になれば、彼が証言を翻すかもしれません。

3年実刑判決が確定すれば、河井克行氏は刑務所で一囚人として作業に服する
前科者になります。政治家として再生できることはあり得ません。こういう場合、安倍晋三氏が出所後のなんらかの身分保障をしているはずです。しかしそれは、安倍晋三氏が政界の黒幕として絶大な勢威を張っていることが前提になります。河井克行氏が控訴審の間に、3年も4年も先のそのことを信じられなくなったときに、真実を語って一審の証言を翻すかもしれません。

来年7月にはまた参院選があります。検察の基本姿勢として、政治に直接的な影響を与えない、選挙に直接的な影響を与えないということであるのならば、さし迫った衆院選が明ける11月から来年1月くらいの間に検察が活躍してくれなければなりません。

そのときに検察が動かなければ、2019参戦広島の河井案里陣営選挙資金1億500万円の件は、河井克行元法相の懲役3年判決をもって終息するものと思われます。

今はまだ、検察への期待をあきらめることはできません。
10月衆院選で政権交代が成れば、安倍追及への期待はさらにふくらみます。




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