<ノーベル平和賞受賞者 マリア・レッサ氏のことば>
「事実のない世界というのは真実と信用のない世界なのだ」
10月8日、ノルウェーのノーベル賞委員会は、2021年のノーベル平和賞をフィリピンのドゥテルテ政権を監視してきたジャーナリストのマリア・レッサ氏(58)と、ロシアのプーチン政権に批判的な報道を続けてきた独立系新聞ノーバヤ・ガゼータのドミトリー・ムラトフ編集長(59)の2人に授与すると発表した。
10月8日、中国・環球時報がノーベル平和賞の発表を速報したが、すぐに削除されたという。中国国内でノーベル平和賞は報じられていない。
10月8日、中国は民間事業者の報道事業を禁止する案を発表した。民間報道は禁止されることになる。報道してもよいのは国営・公営報道機関のみ。
10月8日ロシア法務省は、3報道機関・記者9人を「外国の代理人」に指定した。2017年以降、今回の分もあわせて85の報道機関と記者が「外国の代理人」に指定されている。 「外国の代理人」というのはスパイ扱いのことで、報道弾圧だ。
<ノーベル平和賞授賞の理由>
アンデルセン選考委員長は授賞理由を次のように述べて2人を称揚した。
――2人は、民主主義と恒久的な平和の前提となる表現の自由を守るために、勇気を出して闘っている。民主主義と報道の自由が逆境に直面する世界で、理想の実現のために立ち上がるすべてのジャーナリストの代表だ。(ニュース源 2021.10.08 NHK、毎日新聞)
<アンデルセン選考委員長、ノーベル平和賞授賞発表時のことば>
「自由で独立し、事実に基づいたジャーナリズムは、権力の乱用と戦争への扇動から人々を守ることができる」
「今回の授賞によって、人々の基本的な権利を守ることの重要性を強調したい」
「表現の自由、報道の自由があってこそ、国どうしは友好関係を築き、武力を放棄し、よりよい世界秩序をつくることができる」
<フィリピンのマリア・レッサ氏のあしあと>
調査報道のためのニュースサイト「ラップラー」の2012年共同創設者でCEOであるマリア・レッサ氏は「ラップラー」を通して、権力の中枢にいる人たちに関する調査報道をしてきた。
フィリピンのドゥテルテ政権は2016年6月に発足。それ以後、ドゥテルテ大統領の「麻薬捜査なら殺人をいとわない」方針のもと、麻薬密売人らを次々と殺害。人権団体は、作戦で子供が犠牲になるなど、警察発表の6600人を大幅に上回る最大約3万人が殺害されたと指摘している。国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)は今年9月、超法規的殺害を認めて、正式な捜査に移行する方針を示した。
またレッサ氏は、利用者の見たい情報を優先的に表示するソーシャルメディアの機能などが、フェイク(偽)ニュースの拡散に影響している可能性を調査。事実が伝わらないことで、民主主義が崩壊するリスクを指摘した。
「ラップラー」はドゥテルテ大統領から「フェイクニュース」と呼ばれ、レッサ氏は政府当局から弾圧の標的とされ、脱税などさまざまな訴追の連発を受けながら、苦難をはねのけての活動がつづいている。レッサ氏は2020年6月、名誉毀損の罪で最長、禁錮6年の有罪判決を受け、現在は保釈されて裁判がつづいている。
また、2020年5月にはフィリピン最大手の民間テレビ局ABS-CBNが放送停止を命じられ、同年2020年7月に、大統領支持派が大半を占めている下院で放送免許の更新が否決されました。一部のケーブルテレビやインターネットへの配信を除き、今も放送は再会できていません。(ニュース源 NHK、毎日新聞、時事通信)
<ロシアのドミトリー・ムラトフ氏のあしあと>
ムラトフ氏は1993年にノーバヤ・ガゼータを共同創設。同紙にはチェチェン問題でロシア当局の弾圧策を批判して2006年に自宅で射殺された女性記者アンナ・ポリトコフスカヤ氏も所属していた。同紙では所属メンバーがそのほかに5人、毒殺、撲殺などで殺害されてきた。そのゆえに「ロシアで最も危険な新聞」とも呼ばれている。
ノーバヤ・ガゼータ紙の小さな社屋には6人の犠牲者の写真が掲示されている。同紙メンバーは日々、6人とともに業務に励んでいる(ノンフィクションライター福島氏による)。
そうした脅しにもかかわらずドミトリームラートフ氏は「ノーバヤ・ガゼータ紙」の編集長として、プーチン政権の高官の汚職や、国内の環境破壊の問題を報じるなど、批判的な姿勢を崩さず、プーチン大統領の退陣を求めるロシアの反体制派などに支持されてきた。ムラートフ編集長はロシアで報道の自由を守る中心的な人物として国際的にも評価されている。(ニュース源 主としてNHK)
<ノーベル平和賞授賞の理由>
アンデルセン選考委員長は授賞理由を次のように述べて2人を称揚した。
――2人は、民主主義と恒久的な平和の前提となる表現の自由を守るために、勇気を出して闘っている。民主主義と報道の自由が逆境に直面する世界で、理想の実現のために立ち上がるすべてのジャーナリストの代表だ。(ニュース源 2021.10.08 NHK、毎日新聞)
<アンデルセン選考委員長、ノーベル平和賞授賞発表時のことば>
「自由で独立し、事実に基づいたジャーナリズムは、権力の乱用と戦争への扇動から人々を守ることができる」
「今回の授賞によって、人々の基本的な権利を守ることの重要性を強調したい」
「表現の自由、報道の自由があってこそ、国どうしは友好関係を築き、武力を放棄し、よりよい世界秩序をつくることができる」
<フィリピンのマリア・レッサ氏のあしあと>
調査報道のためのニュースサイト「ラップラー」の2012年共同創設者でCEOであるマリア・レッサ氏は「ラップラー」を通して、権力の中枢にいる人たちに関する調査報道をしてきた。
フィリピンのドゥテルテ政権は2016年6月に発足。それ以後、ドゥテルテ大統領の「麻薬捜査なら殺人をいとわない」方針のもと、麻薬密売人らを次々と殺害。人権団体は、作戦で子供が犠牲になるなど、警察発表の6600人を大幅に上回る最大約3万人が殺害されたと指摘している。国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)は今年9月、超法規的殺害を認めて、正式な捜査に移行する方針を示した。
またレッサ氏は、利用者の見たい情報を優先的に表示するソーシャルメディアの機能などが、フェイク(偽)ニュースの拡散に影響している可能性を調査。事実が伝わらないことで、民主主義が崩壊するリスクを指摘した。
「ラップラー」はドゥテルテ大統領から「フェイクニュース」と呼ばれ、レッサ氏は政府当局から弾圧の標的とされ、脱税などさまざまな訴追の連発を受けながら、苦難をはねのけての活動がつづいている。レッサ氏は2020年6月、名誉毀損の罪で最長、禁錮6年の有罪判決を受け、現在は保釈されて裁判がつづいている。
また、2020年5月にはフィリピン最大手の民間テレビ局ABS-CBNが放送停止を命じられ、同年2020年7月に、大統領支持派が大半を占めている下院で放送免許の更新が否決されました。一部のケーブルテレビやインターネットへの配信を除き、今も放送は再会できていません。(ニュース源 NHK、毎日新聞、時事通信)
<ロシアのドミトリー・ムラトフ氏のあしあと>
ムラトフ氏は1993年にノーバヤ・ガゼータを共同創設。同紙にはチェチェン問題でロシア当局の弾圧策を批判して2006年に自宅で射殺された女性記者アンナ・ポリトコフスカヤ氏も所属していた。同紙では所属メンバーがそのほかに5人、毒殺、撲殺などで殺害されてきた。そのゆえに「ロシアで最も危険な新聞」とも呼ばれている。
ノーバヤ・ガゼータ紙の小さな社屋には6人の犠牲者の写真が掲示されている。同紙メンバーは日々、6人とともに業務に励んでいる(ノンフィクションライター福島氏による)。
そうした脅しにもかかわらずドミトリームラートフ氏は「ノーバヤ・ガゼータ紙」の編集長として、プーチン政権の高官の汚職や、国内の環境破壊の問題を報じるなど、批判的な姿勢を崩さず、プーチン大統領の退陣を求めるロシアの反体制派などに支持されてきた。ムラートフ編集長はロシアで報道の自由を守る中心的な人物として国際的にも評価されている。(ニュース源 主としてNHK)
<10月8日中国、民間事業者による報道事業禁止案を公表>
中国は国内で今年のノーベル平和賞のこと伝えていない。環球時報が速報したが、すぐに削除されたという。国営あるいは公営報道とはこんなものです。
ノーベル平和賞発表と同じ10月8日、中国が民間企業による報道事業を禁止する案を発表した。
公表された案によると民間企業参入禁止項目は―
① 新聞、通信社、出版、テレビ、ネットニュースなどでの取材・編集
② 政治、経済、軍事、外交、重要な社会問題、文化、科学技術、衛生、教育、
スポーツなどのほか、世論を導く実況中継
③ 海外メディアのニュースの引用やニュース、世論に関わるフォーラムなどを
開催してはいけない
④ 外国の新聞社やテレビ局などは中国で取材活動を認められているが、メディア事業を手がけてはいけない (ニュース源 2021.10.09.日本経済新聞)
中国ではエンタメ統制も始まりました。中国は、習近平個人崇拝強化や共産党批判封じ込めに向けて、社会や思想への統制を強めています。共産党一党独裁から習近平一代皇帝への道を歩み始めています。中国人だって、ここまでくれば習近平体制の被害者ではありませんか。
<10月8日ロシア、3報道機関・記者9人を「外国の代理人」に指定>
ロシアのプーチン政権に批判的な報道を続けてきた新聞「ノーバヤ・ガゼータ」のムラートフ編集長がノーベル平和賞に選ばれた8日、ロシア法務省は、3つの報道機関と9人の記者を外国のスパイを意味する「外国の代理人」に指定したと発表した。
今回、新たに「外国の代理人」に指定されたのは、反体制派の指導者ナワリヌイ氏の毒殺未遂とされる事件にロシアの治安機関が関与したと伝えた、国際的な調査報道グループ、ベリングキャットや、イギリスの公共放送BBCの記者など。
「外国の代理人」に指定されると、資金の収支について詳細に報告することが求められるなど当局の監視が強まり、ロシアのメディアは、スポンサーが資金の提供を停止して経営難に陥り、事実上、取材活動が制限されることになる。ノーバヤ・ガゼータは以前からこの状態だ。
ロシア法務省によると、2017年以降、今回の分もあわせて85の報道機関と記者が「外国の代理人」に指定されている。
プーチン政権は、批判的なメディアに対して「外国の代理人」に指定するなど圧力を強めていて、これに対し、「ノーバヤ・ガゼータ」などの独立系のメディアは、ことし8月、プーチン政権に対して、公開書簡を送り、報道の自由を保障するよう求めている。
今回、新たに「外国の代理人」に指定されたのは、反体制派の指導者ナワリヌイ氏の毒殺未遂とされる事件にロシアの治安機関が関与したと伝えた、国際的な調査報道グループ、ベリングキャットや、イギリスの公共放送BBCの記者など。
「外国の代理人」に指定されると、資金の収支について詳細に報告することが求められるなど当局の監視が強まり、ロシアのメディアは、スポンサーが資金の提供を停止して経営難に陥り、事実上、取材活動が制限されることになる。ノーバヤ・ガゼータは以前からこの状態だ。
ロシア法務省によると、2017年以降、今回の分もあわせて85の報道機関と記者が「外国の代理人」に指定されている。
プーチン政権は、批判的なメディアに対して「外国の代理人」に指定するなど圧力を強めていて、これに対し、「ノーバヤ・ガゼータ」などの独立系のメディアは、ことし8月、プーチン政権に対して、公開書簡を送り、報道の自由を保障するよう求めている。