川本ちょっとメモ

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今年のノーベル平和賞の重みがわかる――殺害された記者たち

2021-10-14 15:46:39 | Weblog

2021-10-11( ↓ クリック




<近年は「平和」だとみなされている地域での犠牲者が増えている>
 ジャーナリストが命を落とす例が絶えない。

 国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(RSF、本部パリ)の報告書によると、2020年に報道に関連して死亡した記者は、世界全体で50人

 総数では減少傾向にあるが、近年は紛争地以外の「平和」だとみなされている地域での犠牲者が増えて、全体の7割近くを占めた。2020年末時点で387人の記者が報道活動に関連して拘束されている。

 「国境なき記者団」は、新型コロナウイルスの流行を受けて、中国など少なくとも38カ国で、政府の意向に沿わない報道への圧力があったとしている。



<報道の自由 2021年侵害のバロメーター(国境なき記者団)
    https://rsf.org/fr/barometre?year=2021&type_id=233#list-barometre

 ★2021年(年頭から閲覧日10/14まで)に殺された
    ジャーナリスト ‥‥‥‥ 25人
    市民ジャーナリスト ‥‥   0
    協力者‥‥‥‥‥‥‥‥‥   4人

 ★2021年 現在(年頭から閲覧日10/14まで)まで投獄されている
    ジャーナリスト ‥‥‥‥ 351人
    市民ジャーナリスト ‥‥   91人
    協力者‥‥‥‥‥‥‥‥‥   13人



<暗殺・脅迫に抗して  ロシアのノーバヤ・ガゼータ紙(ムラトフ編集長)>
 ムラトフ氏が編集長を務めるノーバヤ紙は1993年、大衆紙コムソモリスカヤ・プラウダを辞めたムラトフ氏らが中心となり設立。ゴルバチョフ元ソ連大統領も出資した。

 論調は創刊より一貫してリベラルで、プーチン政権への批判的な姿勢を貫いている。最近では、今年2021年9月のロシア下院選の不正疑惑に関する報道を続けた。

 その活動は常に生命の危険と隣り合わせだ。2006年にプーチン政権への批判で国際的な評価を得ていたアンナ・ポリトコフスカヤ記者(当時48歳)が射殺されるなど、同紙記者の殺害や脅迫などが相次いでいる。ポリトコフスカヤさんの事件は発生から15年の10月7日に時効となったが、誰が殺害を指示したのかは分かっていない。

ムラトフ氏は受賞発表の10月8日、国営ロシア通信の取材に「このノーベル平和賞は私にではなく、ポリトコフスカヤ記者をはじめ命を失った同僚のために授かったものだ」と話した。

 プーチン政権下では主要な新聞やテレビが政権の影響下に置かれ、インターネットの規制も年々強まっている。主要な独立系メディアが次々と「スパイ」を意味する「外国エージェント」に指定され、一部は広告収入の減少などにより閉鎖に追い込まれた。ノーベル平和賞授与は、メディアへの圧力を強めるプーチン政権の強権姿勢に国際的な注目を集めさせることになるだろう。 
(ニュース源 毎日新聞 2021.10.08.  NHK 2021.10.08)



< 記 者 殺 害 > (ニュース源 毎日新聞2021.10.8.ほか)

★ロシヤのアンナ・ポリトコフスカヤ氏は、プーチン大統領54歳の誕生日2006年10月7日に自宅で射殺された。ノーベル平和賞を受賞が決まったムラトフ氏と同じロシヤ紙ノーバヤ・ガゼータの記者であった。実行犯らが実刑判決を受けたが、ノーバヤ・ガゼータは「黒幕がいる」と主張している

ーナリストのダフネ・カルアナ・ガリチアさんは地中海の島国マルタで2017年10月、車で自宅を出た直後に爆発で飛び散り、遺体を確認できなかった。仕掛け爆弾による爆殺の容疑者として逮捕されたのは、ムスカット首相(当時)の側近だった。ガリチアさんはタックスヘイブンの実態を暴いた「パナマ文書」報道に参加していた。 (ニュース源  ハフポスト日本版 2017.10.18.)

パナマ文書はICIJが調査報道に取り組んでいて、2015年に外部に明らかにされた機密文書。これによって租税回避地を利用した国際的な逃税システムとマネーロンダリング、その利用者が姿を現した。利用者は各国にまたがっていて、私企業、公企業、公機関、政治指導者、富豪、裏世界のボスと、世界のありとあらゆる有力者がそろっている。

  ※ICIJ‥‥国際調査報道ジャーナリスト連合The International Consortium of
         Investigative Journalistsの略称。 https://www.icij.org/
         日本からも記者が参加している。
             

サウジアラビア政府を批判していたサウジ人記者のジャマル・カショギ氏は2018年10月、トルコ・イスタンブールのサウジ総領事館で殺害された。サウジのムハンマド皇太子の側近ら11人が起訴され、5人に死刑判決が出たが、後に減刑された。米政府は今年2月、ムハンマド皇太子が殺害事件の「作戦を承認した」とする報告書を公表した。


★アフガニスタンでは取材に携わる女性の自由や安全への懸念が強い。東部のテレビ局「エニカスTV」によると、20年12月と今年3月に計4人の女性社員が殺害された。いずれも過激派組織「イスラム国」(IS)の関与が指摘されている。




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