2023-06-23
私は「自決」ということばを好みません。差し支えないと思う場合には「自殺」ということばに言い換えています。
改訂版 沖縄戦 民衆の眼でとらえる戦争 P154から
慶良間諸島の中の座間味(ざまみ)島では敵前上陸直前に役場の職員が各住民
壕をまわって、住民は男女を問わず軍の戦闘に協力し、老人子どもは忠魂碑前
に集合、全員自決せよ」という通達を伝えてあったが、忠魂碑前は砲撃がはげ
しくて集合がかなわず、めいめいの家族壕で手榴弾、カミソリ、鎌などで自殺
を遂げた者がおおかった。
ヤマト馬という横穴壕では、住民約二〇名が一本のロープで絞め殺された。
絞めたのは体力のある男性で、ロープの端を杭木に結びつけ、一人一人の首に
ロープを巻きつけて一方の端を強く引っ張って絶命させた。もちろん、自分も
死ぬ覚悟であったが、二〇名を始末して最後にのこった自分はどうしても死ぬ
ことができず、放心状態で壕から逃げていった。
また、裏の高月山の中腹にある組合壕には村長、助役以下の村の幹部が避難
していたが、敵上陸直後に一斉に自決が行なわれた。この壕からは一人の生還
者もないので真相は明らかでないが、遺骨の状況からみて防衛隊長がもってい
た小銃でとどめをさしたものと推測されている。
現場には「村長、助役以下五九名集団自決之地」の碑が建っている。
座間味島の自決者一七七名。
※当時の「陸軍防衛招集規則」では、満17歳から満45歳までの男子で兵役にもれ
た者が防衛隊に招集されることになっていました。
た者が防衛隊に招集されることになっていました。