いったいいつ頃から、フランスツアーにモンサンミッシェルが組み込まれるようになったのか、私は詳しくは知らない。
が、しかし、行く前から嫌な予感はしていた。あまりに通俗的な扱われ方、宗教抜きに、行ってきたことだけがスタンプラリーのように語られる昨今のブーム。
いゃあ、悪い予感は的中しましたね。バス降りた途端に海が臭い。広大な遠浅の海、引き潮でしたが、水色とも緑ともつかない海の色。泥の色も気味悪い。生物の姿は一切なし。死んでしまった海でした。
日本の高度経済成長時代、川はこんな匂いをしていた。そのことを思い出した。
西のテラスから入り口付近を見下ろす。薄緑色の海水!!
道を付けて潮の流れが変わったからとの説明。高架式のトラムを造り、いずれ自動車道は廃止するとか。
がしかし、潮の流れが戻るだけで、海はきれいになるんだろうか。
潮だまりがあちこちにあって、海底が見えています。シーーーーンとしてなにもない海。
夕方、潮が満ち始め、川を海水が遡っています。ベージュ色の海水は膜が張り、泡が立ち、逆流しています。私には一切の水質浄化をしていないように見えました。
川縁にはずらりとホテルやレストランが。壁紙が日本風なところを見ると、きっと日本人観光客がいちばん多いのでしょう。
元々はノルマンディーの地の果て、広大な牧草地帯。ホテル街は海のすぐ近く。そこへ年間何万人の日本人が来るのでしょう。自然の自浄能力をはるかに超えた汚水で、環境はものすごく悪くなっているように見えました。
取り敢えずは早急に、各ホテルからの排水を浄化する設備でしょうか。私の見た限りでは、見当たりませんでした。
とっても悲しい眺めの観光地でした。