
銀塩カメラ全盛時代、甲子園の高校野球で,
ネット裏で試合を見ていました.
私の横に,新聞社のカメラマンが
長い望遠レンズを付けたカメラで,
バッターを狙っていました.。

ピッチャーが投球した瞬間から,
カメラはモータードライブの連写が始まりました.
「バチ…バチ…バチ…バチ…バチ…バチ…バチ…バチ…」
そのバッターがヒットを打ちました.
バッターは,一塁に向かって疾走します.
カメラマンはランナーが一塁に到達するまで,
シャッターを押し続けていました。.
横にいる私はあっけにとられてしまいました。
すぐフィルム・チェンジです。
巻き取ったフィルムと簡単なメモを缶に入れます。

しばらくすると,新聞社のボーイさんが
各カメラマンのところにやってきます.
撮影済みのネガを受け取り、ズック袋に入れて,
新しいフィルムを渡していきます.
… … …
高校野球の取材のフィルムの消費量は膨大なものです。
甲子園のスタンド下には,自動現像機を持ち込んで,
カメラマンから上がってくるフィルムをどんどん現像します.
現像機の横の机に、社のデスクが座って,
ネガをセレクトしていました.

ニコン,キャノンからそれぞれ超高価デジタルの
「フラッグ・シップ機」が現れます.。
新聞のスポーツ取材にデジタルが導入されます。
最初は,銀塩カメラとの二本立てで,
装備が倍,重量も倍になりました.
カメラマンは大変でした.

取材したデジタル映像を電話で
本社に送稿します。
万が一の事故に備えて,銀塩カメラで
バックアップの意味で取材していたのでしょうか.
