初心者の老人です

75才になって初めてVISTAを始めました。

テープレコーダー③

2012年04月20日 21時30分30秒 | Weblog


1957年(昭和32年=55年前)ごろ

からLPレコード、EPレコードは

ステレオになりました



ステレオ・レコードは左右の音の

広がりが特徴ですから

二つの音声信号がいります



レコードの音溝の両側にそれぞれ

左と右の音声を振り分ける

巧妙な方法が考案されました



テープレコーダーも早速

ステレオに改造されます



テープレコーダーの録音、再生ヘッドを

二つにしてステレオにしました



家庭用テープレコーダーは

さらに4トラックにしてテープを

往復で使えるようにしました



オーディオ・ファンやオーディオ・マニア

にはこの遅いテープスピードと

4トラックステレオが嫌われました



オーディオ・マニアは

FM放送並みの38センチのテープスピード

で2トラックのフォーマットの

テープレコーダーを愛用しました



このシステムを2トラ38(つーとらさんぱち)と

呼ばれていました











テープレコーダー②

2012年04月19日 19時27分33秒 | Weblog


テープレコーダーで特に

可搬型というか携帯型テープレコーダーが

活躍します



ソニーの通称「でんすけ」は

放送業界で重宝しました



「でんすけ」の駆動はゼンマイです

録音前にハンドルでゼンマイを巻きます

テープはオープンリールです

録音アンプは乾電池で動作します



ソニーの「でんすけ」の他に

外国からスチューダー、ルボックス

ステラボックス、ナグラなど輸入されました



ナグラはオール電池駆動でした

「でんすけ」のようなハンドルはついていません

あちこちの民放でよく見ました



これら携帯型(可搬型)テープレコーダーは、

インタビュー番組ドキュメント番組で活躍しました



テープレコーダーはテープが録音ヘッド、

再生ヘッドを通ります



テープのスピードは

76㌢、38㌢、19㌢、9、5㌢、4、75㌢と

速いスピードから半分半分と遅くなっています



テープ材質や録音ヘッドの

性能向上でテープスピードは

遅くなっていきました



放送機器のテープレコーダーは38㌢と

19㌢の切り替えでした



… … …



音楽番組や、FM放送には38㌢の

速いテープスピードが使われていました













テープレコーダー①

2012年04月18日 23時30分59秒 | Weblog


テーマの映画フィルムについて、から

少し横道に逸れます



戦後、テープレコーダーが出現しました

ソニーからオープンリール・テープレコーダーと

録音用のテープが発売されます



最初テープの材質は紙製でスタートしましたが

アセテートなどプラスチックになります



ソニーの社名を東通工(東京通信工業)と

いっていたころです



ラジオ放送で使っていた

円盤式録音機では円盤

1枚の録音時間が短かったのですが



テープレコーダーの出現で

長時間の録音が可能になり

ラジオ放送の録音番組は

テープを使用することで

街頭録音など名物番組が

数多く生まれました



民間放送ラジオは、

テープレコーダー

導入を前提に始まりました



番組のプロデューサー、

ディレクターは鋏を使って

番組の録音テープを編集していました



民放の公開録音番組、ドキュメント番組など

テープレコーダーあっての名物番組が

多くありました



… … …











映画フィルムについて⑤

2012年04月17日 22時40分37秒 | Weblog


映画が完成すると

撮影所長をはじめ

制作スタッフ、主演俳優さん

俳優部さんで

所内で完成試写が行われます

… … …

サウンドステージが

完成試写会に使用されます



試写室に集まったスタッフ、キャストに

撮影所長の

「ご苦労さま…」の

挨拶から試写会が始まります

勿論、初号プリントが上映されます



完成試写会で問題がなければお開きです



担当撮影技師から××シーンを

もう少し焼き込んでくれとか

△△シーンを浅く焼いてくれなど

プリントに注文が出されることがあります



監督から○○カットは

もう少し切り込んでくれ

(つまんでくれ)など

編集に注文がでます



これらの注文でデュープフィルムを

手直しして劇場用プリントが完成されます



映画制作途中で、主演の○○さんの芝居は乗っている

とか、俳優○○さんの演技が

所内で注目されて噂が広がっています

… … …

前評判の映画の完成試写会には

あちこちから制作に関係のない

所員が集まってきます

… … …

完成試写会でスクリーンに

エンドマークが出ると

スタッフ、キャストを労う拍手が

鳴り渡ります










映画フィルムについて④

2012年04月16日 17時34分32秒 | Weblog


スタジオ、ロケーションの撮影は

終わりました



録音部さんはサウンドステージで

オーケストラで劇伴

(シーンにまたがるブリッジ音楽)や、

効果音、シーンごとの俳優さんの台詞の整音

(音量のレベル調整)などを経て、

サウンドフィルムは完成しました



そして映像のネガフィルムと

音声のサウンドフィルムを

1本のデュープフィルムに焼き付けることで

その映画作品の制作は終わります



このデュープフィルムが

劇場上映フィルムの原板になります



このデュープフィルムから

全国の映画館に必要な本数

が焼き付けられます



最初に焼き付けられた劇場用のプリントを

初号(しょごう)プリントといいます








映画フィルムについて③

2012年04月15日 21時33分08秒 | Weblog


撮影されたネガフィルムと録音(光学)された

サウンドフィルムは現像所に送られます



現像の済んだネガフィルムと

サウンドフィルムは撮影所の

編集部に返ってきます



ネガフィルムはポジフィルムに焼き付けて

編集用プリントとして返送されます



この編集用プリントを映画監督は

映像編集用のビュアー「ムヴィオラ」で

編集のマークをつけていきます



このマーク付きのプリントフィルムを参考に

ネガフィルムを切ったり

つないだり編集していきます



映像の編集を済ませてサウンドフィルムの

編集をします



このネガフィルムとサウンドフィルムは

大事なマスターフィルムですから

フィルムの切ったりつないだりは

編集部の主任しか扱えません



編集の済んだネガフィルムとサウンドフィルムは

現像所に送られます。



映像のネガフィルムと音声のサウンドフィルムは

1本のフィルムに焼き付けられます

… … …

このフィルムをデュープフィルムと云います

デュープとは複製とか写しの意味です










映画フィルムについて②

2012年04月14日 20時10分55秒 | Weblog


写真説明、清学院の教室(寺子屋)に

置かれていた五つ玉ソロバン。

私が小学生のころに

現在の四つ玉ソロバンになりました。

… … …




撮影用のネガフィルムも

音声のサウンドフィルムも

パーフォレーション(穴)の開いた

35㍉フィルムです





それぞれフィルムに塗布されている

乳剤に違いはありますが



映画は毎秒24コマで撮影し

劇場で上映されます



スタジオで映像はキャメラで撮影して

音声は別の場所の光学録音機で録音します



この光学録音機の設置場所はどこの撮影所でも

大きな窓ガラスのスタジオの高い場所にあります



スタジオの本番で

助監督さんは

「お2階さん、本番行きます」

と録音技師のスタンバイをうながします



毎秒24コマで撮影するのでネガフィルムは

毎秒1、5フィート走ります

したがって、光学録音機のサウンドフィルムも

毎秒、1、5フィートで走ります



1、5フィート×2、5=37、5センチです



映画の同時録音は、映像フィルムも

音声のサウンドフィルムも同じスピードで

ないと、編集で厄介なことになります



… … …










映画フィルムについて①

2012年04月13日 21時06分22秒 | Weblog


映像のネガフィルム、

音声のサウンドフィルム

について書きます



映画館で上映するフィルムは

図のような構造になっています



フィルムには映像に並んで

サウンドトラックという

光学的の音声信号が

焼き付けられています

… … …

この図のサウンドトラックは

エリア型で焼き付けられています

録音方式にはエリア型の他に

デンシティ型があります



無声映画に音声が録音されて

トーキー映画になりました



映画スタジオのセットで

映像はキャメラ、音声は録音部の技師さんが

光学録音機に装填したサウンドフィルムに

録音していきます

… … …

音声信号は、サウンドフィルムの端に

細い帯状に記録されていきます



スタジオ撮影ではワンカットずつ

キャメラの前でカチンコを

鳴らして映像フィルムと光学録音フィルムの

同期編集のマークにします









冨士フィルム

2012年04月12日 21時13分11秒 | Weblog


映画用フィルムのことを

書きます



撮影用、生ネガフィルムは

1000フィートのフィルム缶に

入っています



完成した映画フィルムも1000フィートの

フィルム缶に入れて映画館に配給されます



1000フィートのフィルム缶に

入れた劇場用フィルムを

一巻と言います



普通の長さの映画は七、八巻ぐらいです

それ以上長い映画は十巻とか

劇場のパンフレットに書き込まれていました



一つの街に同じ映画を上映する映画館は

数軒ありました



一つの上映フィルムを数軒の映画館で

使い回します



それぞれの映画館は上映開始時間を

ずらしてあります



一番早く開場する映画館で第一巻を上映して

その第一巻の上映が済むと

フィルムの運び屋さんが

自転車で次の映画館に運びます



映画全盛の時代、全国の映画館数は

大変なものでした。



撮影用生ネガフィルム、サウンドフィルム

デュープフィルムなど

映画制作に使用するいろいろのフィルムを

冨士フィルムが作っていたのですから

すごいことです。











コダック

2012年04月11日 21時00分50秒 | Weblog


カメラ雑誌、日本カメラ3月号の表紙に

徹底追跡、コダックのフィルムはどうなる?

の文字が見えました



ラスベガス・CES&PMA

カメラショー新製品大特集の記事に

キャノン、ニコンD4、D800など

新製品の記事に対してコダックコーナーは

フィルムに関する展示はなし、と寂しい



本文、スペシャル・インタビューのタイトル

コダック製写真用フィルムはどうなるの?

でコダック(株)とコダック製品の

日本総代理店である加賀ハイテック(株)の話



結論、コダックを再編成して合理化はするが

映画用フィルムの需要があるので簡単に

フィルムはやめない…



フィルムをやめるどころか

粒状性を高めた新設計の新しい

フィルムを開発している…



「コダックのフィルムがなくなる?」

騒動の顛末の記事で



プロカメラマン木之下晃さんは

「写真芸術からフィルムや印画紙を

奪ってしまうことは、画家から絵筆を

日本画から和紙を奪ってしまうようなもの…」

と嘆いておられます