【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 8月11日 社長と事業部長の思惑の違い
平素は、私どものブログをご愛読くださりありがとうございます。
この度、下記のように新カテゴリー「【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記」を連載しています。
日記ですので、原則的には毎日更新、毎日複数本発信すべきなのでしょうが、表題のように「老いぼれ」ですので、気が向いたときに書くことをご容赦ください。
紀貫之の『土佐日記』の冒頭を模して、「をとこもすなる日記といふものを をきなもしてみんとてするなり」と、日々、日暮パソコンにむかひて、つれづれにおもふところを記るさん。
【 注 】
日記の発信は、1日遅れ、すなわち内容は前日のことです。
■【小説風 傘寿の日記】
私は、経営コンサルタント業で生涯現役を貫こうと思って、半世紀ほどになります。しかし、近年は心身ともに思う様にならなくなり、創業以来、右腕として私を支えてくれた竹根好助(たけねよしすけ)に会社を任せて数年になります。
老いぼれコンサルタントが日々起こったことや感じたことなどを徒然に記述してゆきます。
また、毎日のように、私のところに業務報告に来ては、二人で昔話をするのが日課となっています。話し上手な彼は、まるで小説の朗読でもするかのように思い出話をしてくれます。私自身の記録として、それを文字変換して、そのままここに記述してゆきます。
早朝ウォーキングは、健康維持だけではなく、季節を感ずることもできます。
木槿が峠を腰掛けています。
反対に、サルスベリが、今を盛んに、満開の花を見せてくれています。
■「有」を「無」にする発想
世界で初めて無線通信を行ったのは、イタリア人のマルコーニで「国際マルコーニデー 」という記念日もあります。
グリエルモ・マルコーニ(Guglielmo Marconi)は、イタリアの無線研究家、発明家で、ノーベル物理学賞を受賞しています。
彼の研究は「無線電信」を電波を使って行うことで、自宅で無線装置を作り、実験を開始し、実用化した後にマルコーニ無線電信会社を創立しました。
彼のすばらしさは、グラハム・ベルが発明した電話の欠点である有線工事をしなくても通信できるようにしたいと考えたところにあります。
「不便を解消する」という基本的な発想が発明を生み出します。
「今存在するものをなくす」という発想が彼のすばらしさです。
ビジネスも「お客様は何に困っているのだろうか」というところから新しい商品・サービス構想が生まれてくるのです。
◆ 竹根好助(よしすけ)が業務報告にやってきて、このような話をしてくれました
毎日のように、私のところに業務報告に来ては、二人で昔話をするのが日課となっています。話し上手な彼は、まるで小説の朗読でもあるかのように思い出話をしてくれます。私自身の記録として、それを文字変換して、そのままここに記述してゆきます。
【これまでのあらすじ】
竹根は、本日の報告を終わると、竹根の商社マンとしてのサラリーマン時代の話の続きを始めました。まだ社歴の浅い竹根がアメリカ駐在員の候補になっていることに不満の声も出てきていました。
竹根は、サラリーマンとしての心得のひとつとして上司からの命令には逆らうなというビジネス書の教えをかたくなに守っていました。
不満の声が出ている中で、人選がどの様に進んだかを遡って、竹根が話し出しました。
角菊事業部長は、三名を候補として福田社長に提案しているようです。竹根の課長は、人を見る目がないことで知られているために、竹根に対する評価もあまり高くありません。福田は角菊事業部長を自分が抜擢しただけに、彼の成長を願う一方、彼の人事案には大いに不満なのです。
竹根は、あたかも推理小説を読むかのごとく、この人事選考を推理し続けるのでした。
8月11日 社長と事業部長の思惑の違い
「佐藤君を推薦する理由は、前回も聞いたが、も一度説明してくれるかね」
「佐藤君は、わが事業部の若手の中では稼ぎ頭であり、彼の英語力は抜群です。人間も如才なく、お客からの受けは結構よいのです。先日も、タイから来た・・・」
「確か、彼の担当は東南アジア向けの輸出業務だよね。東南アジア向けは、うちは伝統的に強いし、すでに彼の先輩たちが築いてきた土台の上での彼の実績だよね」
「彼の実力を見込んで、重要な東南アジアの輸出業務の任に当てています」
「東南アジア市場全体のわが社の売上高の伸び率はどうかね?」
「伸び率は把握していませんが、わが社の海外売上高の四十六%を占めています。その中の約半分は彼の売上ですから、わが社の輸出の約四分の一を彼一人で稼いでいることになります」
「彼は、この一年で、何社くらいの新規顧客を開拓したかね?」
「東南アジア市場は、代理店網がきちんとできているので、新規開拓は特にしていません」
「そうか、わかった。ただ、今日は急な用件が入っているのでこの辺で終わりにしよう。次回は、明日の九時四十五分からにしたいが、予定はどうかね。それまでに、今回推薦している三人の年率の売上高伸長率と新規顧客開拓数を調べておいてくれたまえ」
「スケジュールの件と、データの件は了解しました。明日の午前十時十五分まえですね。では、失礼します」
――今日は、結論を出したいので充分時間を取ってあると確か社長は言っていたのに、なんで急に仕事を入れてしまったのだろうか?――
角菊には、社長の考えが不可解に思えた。
<続く>
■【経営コンサルタントの独り言】
その日の出来事や自分がしたことをもとに、随筆風に記述してゆきます。経営コンサルティング経験からの見解は、上から目線的に見えるかも知れませんが、反面教師として読んでくださると幸いです。
■ 「頑張れ、前畑!!」ママさんスポーツ教室の創始者 811
東京オリンピック2020は、一年遅れで実現しました。競技場建設や道路などのインフラ整備が進みましたが、施設跡の利用には、いろいろと問題があるようです。運営者の問題も発覚し、あまりにもダーティな現実に国民は壁栄としています。
1936(昭和11)年8月11日、ベルリンオリンピックが開催されました。
NHKのアナウンサーである河西三省氏の「前畑がんばれ」という連呼を思い出します。
女子200m平泳ぎで前畑秀子氏が優勝したのです。
何かで読んだのですが、「練習中、泳いでいながらプールの中で汗が流れるのがわかった」とおっしゃっていたとのことです。
過酷な練習だったのでしょうね。
引退後は、椙山女学園で後進育成に努めました。
ママさん水泳教室を開き、その精神は、各種スポーツに引き継がれてきました。
死してもその精神が生きているというのは素晴らしいことですね。
■【老いぼれコンサルタントのブログ】
ブログで、このようなことをつぶやきました。タイトルだけのご案内です。詳細はリンク先にありますので、ご笑覧くださると嬉しいです。
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