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■【心 de 経営】 徒然なるままに日暮パソコンに向かいて 001 10  ありたきことは

2024-05-23 12:03:00 | 【心 de 経営】 徒然なるままに

■【心 de 経営】 徒然なるままに日暮パソコンに向かいて 001 10  ありたきことは

 

 「徒然草(つれづれぐさ)」は、吉田兼好による随筆集の冒頭の文章です。作者は、兼好であるという明確な証拠はないようです。おそらく大半の方が、何らかの形で、この文章に接しているのではないでしょうか。

 徒然草といいますのは、清少納言の『枕草子』、鴨長明の『方丈記』とならび日本三大随筆の一つといわれています。

 

 高校生時代に戻った気分で、また、社会人として人生を歩み、自分の高校時代には理解できなかったり、誤解していたりすることを発見しながら、独断と偏見に満ちた、我流の解釈を僭越ながらお付けしました。

 徒然なるままに、日暮パソコンに向かいて、よしなしごとを、そこはかとなく書き付けてまいります。

 お届けも、徒然なるままにアップロードしますので、読者の皆様も、日暮パソコンに向かいて、末永く、徒然にご覧下さるよう、お願いします。

 

 ◆10  ありたきことは、まことしき文の道、作文・和歌・管弦の道、また有職に、公事の方、人の鏡ならんこそいみじかるべけれ。手などつたなからず走り書き、声をかしくて拍子とり、いたましうするものから、下戸ならぬこそをのこはよけれ。

 【語彙】

 あたりきこと: 望ましいこと
 まことし: 正式だ、ホンモノだ
 文: 学問、手紙、書物
 作文: 漢詩(を作ること)
 有職(ゆうそく): 朝廷における儀礼に通じている人
 公事(くじ): 朝廷の政務や儀式
 いみじ: 立派
 手: 字の美しさ
 つたなし: へたな、劣った
 走り書く: 文字をスラスラと書く
 をかし: 趣がある
 拍子をとる: 宴席などで音頭をとる
 いたましう: 困った様子
 下戸(げこ): お酒に弱い人

【現代語訳】

 これまで人間としてのありかたを身分や地位、容姿・容貌などの視点で見てきましたが、本当に人間として望ましいことは、正式な学問の道や、漢詩や和歌に通じていたり、管弦の道に長けていたり、朝廷の儀礼や政務などに詳しい、人の模範となるような人は、大変立派なことでしょう。

 筆を持たせれば素晴らしい字をスラスラと書き、宴会などが開かれますと、綺麗な声で、座の中でリーダーシップを発揮し、酒を勧められて下戸のように困り顔をしても、全く酒を飲めないわけではないのは、男としては好ましいことです。

【ひと言】

 人間としての価値は、身分・地位や容姿容貌などよりは、本当に望ましい姿は何かという視点で、兼好は意見を述べています。

 兼好の見方としては、正調派の学問に通じ、漢学・漢詩や和歌などの素養を持っていたり、音楽の道に長けていたりすることの方を高く評価しているようです。

 また、朝廷における儀礼や政務などに詳しく、人の範となるような人も高く買っています。昨今の政治家やお役人のあり方を、兼好は見通しているのでしょうか、政治家や役人のあり方を指摘しています。

 個人的な素養・人柄という面で、さらに字の綺麗な人を評価しています。たしかに達筆な人はうらやましいですね。

 面白いのは、宴の席で、朗々とした声で、全体を仕切る人のリーダーシップについても記述していることです。年末年始や、人の移動に伴う歓送迎会など、日本人は宴会が好きです。その様な場を取り仕切るのが上手な幹事さんは、兼好には好かれるのでしょう。

 酒宴で、お酒の飲み過ぎを暗に批判しているのでしょうか。一方で、酒を飲めない、私のような下戸には、厳しい目を向けています。

 私も、商社マンをしていましたので、先輩から商社マンは酒が飲めなければダメだと、ずいぶんと教育を受けました。兼好がいうように、少しでも良いから飲めるようになりたいという気持ちは強く持っていました。

 しかし、一向にお酒が飲めるようにはならず、どうやら飲めない体質なようです。結局、10年商社マンとしてサラリーマン生活を送りましたが、下戸で通しました。

■ バックナンバー

   https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/eb88c477696adc4e2e78376c81b7274b

 


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