日々雑感「点ノ記」

備忘録(心の軌跡)

川祭りの回覧板

2005年07月17日 | インポート
今朝、隣の家の奥さんが回覧板を持って来てくれた。
内容は、住んでいる川端町内会の「川祭り」の実施予定の通知だった。

昭和32年7月25日に、未曾有の集中豪雨により、諫早市を中心とした地域で起きた諫早大水害の翌年から、川端町内会で続けられている町内会行事だ。

川端町内会と新崎町内会の一部の間を流れる千鳥川も氾濫して、低平地域である付近一帯が床上浸水した。

当時3歳だったが、記憶に残っている場面がある。

水害の直後に、氾濫した千鳥川の濁流に運ばれて、当時住んでいた我が家の庭に堆積していた土砂を、父親がクワを使って掘り起こして除去していた場面だ。

歯先が三本あるクワで掘り起こしていたが、そのクワの歯先の一本が、土砂の中に埋もれていたヤカンの蓋に刺さり、そのヤカンを掘り出していた場面が記憶に残っている。

その、蓋にクワの歯跡がついた大きなヤカンは、その後しばらくの間は、我が家の食卓で役に立つことになる。

父母が、私たち子どもを早目に高台の方に避難させていたので、川の水が氾濫して、自分の住む家が床上浸水している場面は記憶に無いが、水害後の跡片付けの時のその一場面は覚えている。

その諫早大水害の翌年から、千鳥川に対する畏敬の念を表すために、千鳥川の一部の除草作業や清掃作業を、川端町内会全員参加で実施している。

当初は、記念日の7月25日に行っていたが、最近は勤めに出ている人が多くなったという理由で、7月25日に近い日曜日にやろうということになり、今年は7月24日に実施するということになっている。

男性は、朝の8時から河川の除草・清掃作業を行い、同時に町内会全域の住まいの周りの害虫消毒も実施する。

女性は、午後1時から川端公民館に集合して、夕方からの懇親会の料理の準備をする。

夕方からは、川端公民館に集まって、半年分の町内会費を集めて、それから懇親会が始まる。

たとえ合併して雲仙市になっても、継続していかねばならない、小さな地域での大切な行事の一つだ。

回覧板での情報伝達ということも、おもむきがあって好ましい。

豊田かずき