先日内職として、英文特許の和訳をやっていることを書きましたが、たまたま最近農薬に関する特許が2件続けてきました。この特許はすでに海外で公開されているものですし、内容がなかなか面白かったので紹介します。
最初の特許は、クモが生産する毒素を殺虫剤として使おうという物です。この毒グモ?は、オーストラリアに生息しており、その生産する毒素が人間にも効くかどうかわかりませんので、毒グモというのは適切でないかもしれません。このクモは、クモの巣をはってかかった昆虫類を餌にするのではなく、いわゆる狩人グモとして、素早い動きで昆虫を捕まえ、毒素を注入して動かなくするというタイプのクモのようです。
このクモが生産する毒素は、タンパク質で、その遺伝子をクローニングし、融合タンパク質として生産する方法が記載されていました。実際に農薬として使うためには、この遺伝子の一部を改変し、人間や哺乳類には害を及ぼさないように工夫したものが使われるようです。この融合タンパク質は、かなり広範囲の害虫に対して、殺虫活性を示すようで、色々な添加物を加えて殺虫剤としての使用が可能となりました。
かなり昔からこのようなバイオ農薬は研究されていましたが、なかなか実用化まで行っていませんでした。このクモ毒も特許ですので、本当に実用化されるかは分かりませんが、自然にあるタンパク質を農薬として使うというのは、面白い試みと言えるでしょう。
もう一つが農薬には分類されるのですが、植物育種という昔ながらの方法によって、害虫の耐性を獲得した植物の話です。なぜ害虫に対して耐性ができたのかを調べていったところ、アミラーゼ阻害タンパク質を生産していることが分かったようです。この遺伝子をクローニングし、一連の塩基配列を決定しました。これを遺伝子操作によって耐性のない植物に導入したところ、しっかり害虫抵抗性が出たという話でした。ですからいわゆる農薬の概念からは外れますが、この一群の遺伝子が、農薬として考えられるということになります。
ポイントは、このアミラーゼ阻害タンパク質が、人口の物ではなく、植物が自然に作り出したものという点です。この手法は遺伝子組み換え植物という、また別な問題が出てくるわけですが、化学農薬からバイオ農薬へとの転換の一例となるのかもしれません。こういったバイオ農薬が本当に化学農薬より安全性が高いのか、このあたりはまだ検証できるところまでいていないようですが、これからの農薬の方向を示唆しているような気がしました。
最初の特許は、クモが生産する毒素を殺虫剤として使おうという物です。この毒グモ?は、オーストラリアに生息しており、その生産する毒素が人間にも効くかどうかわかりませんので、毒グモというのは適切でないかもしれません。このクモは、クモの巣をはってかかった昆虫類を餌にするのではなく、いわゆる狩人グモとして、素早い動きで昆虫を捕まえ、毒素を注入して動かなくするというタイプのクモのようです。
このクモが生産する毒素は、タンパク質で、その遺伝子をクローニングし、融合タンパク質として生産する方法が記載されていました。実際に農薬として使うためには、この遺伝子の一部を改変し、人間や哺乳類には害を及ぼさないように工夫したものが使われるようです。この融合タンパク質は、かなり広範囲の害虫に対して、殺虫活性を示すようで、色々な添加物を加えて殺虫剤としての使用が可能となりました。
かなり昔からこのようなバイオ農薬は研究されていましたが、なかなか実用化まで行っていませんでした。このクモ毒も特許ですので、本当に実用化されるかは分かりませんが、自然にあるタンパク質を農薬として使うというのは、面白い試みと言えるでしょう。
もう一つが農薬には分類されるのですが、植物育種という昔ながらの方法によって、害虫の耐性を獲得した植物の話です。なぜ害虫に対して耐性ができたのかを調べていったところ、アミラーゼ阻害タンパク質を生産していることが分かったようです。この遺伝子をクローニングし、一連の塩基配列を決定しました。これを遺伝子操作によって耐性のない植物に導入したところ、しっかり害虫抵抗性が出たという話でした。ですからいわゆる農薬の概念からは外れますが、この一群の遺伝子が、農薬として考えられるということになります。
ポイントは、このアミラーゼ阻害タンパク質が、人口の物ではなく、植物が自然に作り出したものという点です。この手法は遺伝子組み換え植物という、また別な問題が出てくるわけですが、化学農薬からバイオ農薬へとの転換の一例となるのかもしれません。こういったバイオ農薬が本当に化学農薬より安全性が高いのか、このあたりはまだ検証できるところまでいていないようですが、これからの農薬の方向を示唆しているような気がしました。