ごっとさんのブログ

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   薬と猫と時々時事

食品中の有毒物質

2016-08-20 10:33:35 | 自然
3か月ほど前ですが、身近な有毒植物としてスイセンやスズランを取り上げました。

最近理化学研究所が、毒のないジャガイモを開発というニュースを見ましたが、たいしたことではないと思っていました。ところがこのジャガイモなどの毒は、私が思っている以上に危険であることが分かりました。

ジャガイモに含まれる毒成分はソラニンが有名ですが、これはステロイドアルカロイドという分類で、熱安定性も高く通常の調理方法では分解しません。ソラニンの作用としてはコリンエステラーゼの阻害などの神経毒で、頭痛、嘔吐、下痢などとされています。

この中毒量は成人で200~400mgとされており、通常のジャガイモの含量は100ℊ(中程度のイモ1個)あたり1.5mgであり、全く問題ないと思っていました。特に芽の部分は含量が多いようですが、除いてしまえば残りは食べられると思っていました。

ところが子供の場合はこの感受性が高く、成人の10分の1程度でも食中毒となり、小学校などで自家栽培したジャガイモを食べて集団中毒になる事例がかなり多いようです。このジャガイモのソラニン合成は、空気に触れると開始されるようで、栽培中であっても土がかかっていないようだとかなりの量がたまってしまうようです。

理由はよくわかりませんが、通常に栽培してもいわゆる小芋にはかなり多く含まれ、100gあたり75mgもあるとされています。ですから特に子供の場合は、こういった小芋を1,2個でも食べれば中毒の危険があることになります。通常市販されているジャガイモには、こういった小芋は含まれていないようですが、自家栽培などではできることがあるようです。普段普通に食べているものですので、毒性は低いといっても多量に合成される可能性があるというのは、やや怖い気もします。

次がインゲンマメですが、これに毒物が含まれているということは知りませんでした。毒性物質はレクチンの1種のフィトヘマグルチニンと記載されていますが、この物質についてはよくわかりません。レクチンというのは糖鎖結合タンパク質の総称ですので、どういった毒性があるかも一概には言えないようです。

以前このレクチンにダイエット効果があるとされて、たぶんインゲンマメを使って下痢や嘔吐などの症状が出たようです。但しレクチン類はタンパク質ですので、通常の加熱調理すれば分解するはずですので、あまり問題はないのかもしれません。そのほかズッキーニにもあまり聞いたことがない有毒物質が含まれていて、下痢や腹痛を起こすようです。

このように普通に食卓に上がるかなりの食品にも有毒物質は含まれているようで、加熱などをしっかりしないといけないというのは、気にすべきことなのかもしれません。