ごっとさんのブログ

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外来魚根絶に遺伝子技術

2016-12-13 10:44:29 | 自然
三重県の水産研究・教育機構や三重大学の研究グループが、「ゲノム編集」という新技術を使って琵琶湖から外来魚を根絶させるプロジェクトを進めています。

これは遺伝子技術を使って不妊にした外来魚・ブルーギルを琵琶湖に放流する方法で、3年後をめどに人工池で実験するという計画です。

ブルーギルは北米原産の魚ですが、現在では世界各地に分布しているようです。この魚は小動物から水草まで食性が幅広く、汚染などにも適応力があるようです。さらに卵や稚魚は親が保護しているため、他の魚は食べることができず、短期間で個体数を増やすことができ、各地で分布を広げています。

当初は食用として期待され養殖試験なども行われましたが、成長が遅く養殖に適さないことが分かりました。ブルーギルが全国的に広がったのは、1980年代にバス釣りブームが起こり、ブラックバスの餌として放流されたものが繁殖したとされています。

琵琶湖にはブラックバスと合わせて1240トン(2015年)いると推定され、従来の生態系への悪影響が懸念されています。そのため滋賀県と国が年間約1億円の対策費を負担し、網での捕獲や電気ショックでの駆除が続いているようです。しかし近年は天候などの影響で駆除量が減り、14年から生息数は増加しているとみられています。

研究グループが進めているのは、卵を作るために必要な遺伝子をゲノム編集によって壊し、メスが不妊化する遺伝子変異を持ったオスを大量に繰り返し放流するという方法です。

この遺伝子編集という手法に興味を持っているのですが、どうも具体的によくわかりません。従来の制限酵素などを使った方法に比べ、非常に簡単に目的とする遺伝子を壊したりできるようです。何種類かの方法があるようで、勉強したい技術なのですが、なかなかすっきり分かるまで行かないのが実際です。

このように遺伝子改変されたオスと野生のメスから生まれたメスは卵を産むことができず、高い駆除率が期待できるようです。但し実際の作業は大変で、アメリカの湖のデータを基にした試算では、当初の生育数の10%弱を毎年放流すると、捕獲と組み合わせることによって琵琶湖でも数十年で根絶できる可能性があるようです。

現在は色々なところで、カミツキガメのような外来種の繁殖によって生態系が壊れる問題が出ています。それでも生殖系の遺伝を壊すというのは、若干気持ち悪さがあります。当然他の生物には何の影響も与えないはずですが、こういった生物駆除では最後の手法として成果が出るのを期待しています。