アトピー性皮膚炎の乳児が生後6か月から卵を食べ始めると、1歳時点で卵アレルギーになるのを8割減らせるとの研究結果を国立成育医療研究センターのチームがまとめました。
アレルギーの原因となる食物は早く食べ始めた方がいいという考え方で、新たな予防法につながる可能性があるとしています。
実験は食物アレルギーを発症するリスクが高いアトピー性皮膚炎と診断された乳児を、ゆで卵とカボチャの粉末を毎日食べるグループ〔60人〕と、カボチャの粉末だけを食べるグループ(61人)に分けました。卵の量は段階的に増やし、両グループともアトピーの治療を並行して行いました。
1歳の時点で卵アレルギーの発症を調べたところ、卵を食べていない乳児の発症が38%だったのに対し、卵を食べた乳児は8%と、発症を約8割抑えることができたとしています。特に副作用も出ず、少しずつ卵を食べることで耐性ができたと考えられます。これはアレルギーの予防法ですが、新しい治療法もいろいろ試みられています。
しかしなぜアレルギー疾患が増加しているのかについては、あまり明確な答えは出ていないようです。一般的には食生活の変化で、欧米化が進んでおり、タンパク質の摂取量が多くなりアラキドン酸を摂る機会が増えたためとされています。しかしこれが免疫システムの異常につながるとは考えにくい気もします。
次が食品添加物といわれていますが、このような化学物質が免疫システムに悪影響をおよぼし、免疫が低下するならわかる気もしますが、アレルギーは免疫の亢進によって起きますので、これも原因とは考えにくいものです。
遺伝的要素も考えられますが、免疫システム自体は遺伝とは無関係です。ただし体質が受け継がれる可能性はありますが、とても原因とは言えないでしょう。大気汚染もよく出ますが、排気ガスなどの汚染物質は明らかに減っていますし、タバコも喫煙者は減少しており、近年増加という説明にはなりません。
ここで衛生仮説といわれているものがあり、現在は上下水道の完備や抗菌剤の普及など、衛生的に非常にきれいな環境で暮らしています。このため細菌感染や寄生虫感染は著しく減少しています。そのために乳幼児期に感染症にかかることが少なく、正常な細菌免疫というシステムが構築されないという説です。
私はこの過度に清潔な環境がアレルギーの原因だという説に賛成しています。しかしたぶんこれはこのまま仮説で終わりそうな気もします。これが原因だとしても、もっと不潔するという指導はできませんし、これだけ抗菌や除菌が一般化している現代では、流れに逆らうことになります。
それこそある先生が提唱している、無害な菌をワクチンのように接種するといったことが、現実味を帯びてくるのかもしれません。
アレルギーの原因となる食物は早く食べ始めた方がいいという考え方で、新たな予防法につながる可能性があるとしています。
実験は食物アレルギーを発症するリスクが高いアトピー性皮膚炎と診断された乳児を、ゆで卵とカボチャの粉末を毎日食べるグループ〔60人〕と、カボチャの粉末だけを食べるグループ(61人)に分けました。卵の量は段階的に増やし、両グループともアトピーの治療を並行して行いました。
1歳の時点で卵アレルギーの発症を調べたところ、卵を食べていない乳児の発症が38%だったのに対し、卵を食べた乳児は8%と、発症を約8割抑えることができたとしています。特に副作用も出ず、少しずつ卵を食べることで耐性ができたと考えられます。これはアレルギーの予防法ですが、新しい治療法もいろいろ試みられています。
しかしなぜアレルギー疾患が増加しているのかについては、あまり明確な答えは出ていないようです。一般的には食生活の変化で、欧米化が進んでおり、タンパク質の摂取量が多くなりアラキドン酸を摂る機会が増えたためとされています。しかしこれが免疫システムの異常につながるとは考えにくい気もします。
次が食品添加物といわれていますが、このような化学物質が免疫システムに悪影響をおよぼし、免疫が低下するならわかる気もしますが、アレルギーは免疫の亢進によって起きますので、これも原因とは考えにくいものです。
遺伝的要素も考えられますが、免疫システム自体は遺伝とは無関係です。ただし体質が受け継がれる可能性はありますが、とても原因とは言えないでしょう。大気汚染もよく出ますが、排気ガスなどの汚染物質は明らかに減っていますし、タバコも喫煙者は減少しており、近年増加という説明にはなりません。
ここで衛生仮説といわれているものがあり、現在は上下水道の完備や抗菌剤の普及など、衛生的に非常にきれいな環境で暮らしています。このため細菌感染や寄生虫感染は著しく減少しています。そのために乳幼児期に感染症にかかることが少なく、正常な細菌免疫というシステムが構築されないという説です。
私はこの過度に清潔な環境がアレルギーの原因だという説に賛成しています。しかしたぶんこれはこのまま仮説で終わりそうな気もします。これが原因だとしても、もっと不潔するという指導はできませんし、これだけ抗菌や除菌が一般化している現代では、流れに逆らうことになります。
それこそある先生が提唱している、無害な菌をワクチンのように接種するといったことが、現実味を帯びてくるのかもしれません。