日本などの研究者が参加する欧州合同原子核機関(CERN)の国際研究チームが、反物質の性質を精密に測定することに成功したと発表しました。
「反物質」というのは、通常の物質はすべて原子核の中にプラス陽子があり、その周りをマイナスの電子がまわっているという構造ですが、反物質は逆にマイナスの荷電をもった反陽子があり、その周りをプラスの陽電子が回っている物質です。私は昔からこの反物質に興味を持っていましたが、あくまでSFの世界の架空の物質と思っていました。
しかし実際に陽電子や反陽子が発見され、現実のものとなっていたのです。実際に高速の加速器の実験ができるようになり、1990年代末には「反水素」が生成したことが確認されています。
しかし反物質は物質と衝突すると、対消滅を起こし質量がエネルギーとなって放出されます。これは反応前の物質・反物質そのものが完全になくなり、消滅した質量に相当するエネルギーが残るということになります。2000年代に入り、反水素などを合成しそれを磁気ビンの中に閉じ込めることもできたようですが、存続時間は0.2秒程度だったようです。
反物質は自然界に存在しませんので、すべて人工合成ということになりますが、これは加速器の進歩によるようです。核融合をするときのように粒子(原子核が多いようです)を加速して、高エネルギー状態にするとその時のエネルギーが物質となり、その時に反物質が生成するとされています。
宇宙が発生した時は、物質と反物質が同じように生成し、それが消滅・生成を繰り返すうちに物質だけが残ったとされています。この辺りは仮説はあるものの核物理学の謎になっているようです。
今回の研究チームは、反水素を人工的に作り磁場の中に閉じ込める技術を開発しました。この反水素にレーザー光を当てる方法で、反水素のエネルギーが変化する様子を精密に図ることに成功しました。これにより反物質の性質の究明が可能となり、物質優先の宇宙の謎の解明が進むと期待されています。
現在この反物質が注目を集めているのは、宇宙開発などの燃料としての利用が考えらえているようです。反物質は自身の質量の200%がエネルギーとなりますので、ごく微量で宇宙船などを長時間飛ばすことができるようです。こういった実際の用途には程遠い段階で、合成法の全く新しい方法など課題は多いようですが、ある意味夢のある研究といえるのかもしれません。
「反物質」というのは、通常の物質はすべて原子核の中にプラス陽子があり、その周りをマイナスの電子がまわっているという構造ですが、反物質は逆にマイナスの荷電をもった反陽子があり、その周りをプラスの陽電子が回っている物質です。私は昔からこの反物質に興味を持っていましたが、あくまでSFの世界の架空の物質と思っていました。
しかし実際に陽電子や反陽子が発見され、現実のものとなっていたのです。実際に高速の加速器の実験ができるようになり、1990年代末には「反水素」が生成したことが確認されています。
しかし反物質は物質と衝突すると、対消滅を起こし質量がエネルギーとなって放出されます。これは反応前の物質・反物質そのものが完全になくなり、消滅した質量に相当するエネルギーが残るということになります。2000年代に入り、反水素などを合成しそれを磁気ビンの中に閉じ込めることもできたようですが、存続時間は0.2秒程度だったようです。
反物質は自然界に存在しませんので、すべて人工合成ということになりますが、これは加速器の進歩によるようです。核融合をするときのように粒子(原子核が多いようです)を加速して、高エネルギー状態にするとその時のエネルギーが物質となり、その時に反物質が生成するとされています。
宇宙が発生した時は、物質と反物質が同じように生成し、それが消滅・生成を繰り返すうちに物質だけが残ったとされています。この辺りは仮説はあるものの核物理学の謎になっているようです。
今回の研究チームは、反水素を人工的に作り磁場の中に閉じ込める技術を開発しました。この反水素にレーザー光を当てる方法で、反水素のエネルギーが変化する様子を精密に図ることに成功しました。これにより反物質の性質の究明が可能となり、物質優先の宇宙の謎の解明が進むと期待されています。
現在この反物質が注目を集めているのは、宇宙開発などの燃料としての利用が考えらえているようです。反物質は自身の質量の200%がエネルギーとなりますので、ごく微量で宇宙船などを長時間飛ばすことができるようです。こういった実際の用途には程遠い段階で、合成法の全く新しい方法など課題は多いようですが、ある意味夢のある研究といえるのかもしれません。