健康長寿のカギは腎臓にあり

腎臓が人間の健康を大きく左右するということが、医療の現場ではそれが新たな常識になりつつあるようです。

これはＮＨＫで取り上げた番組ですが、私の知らなかったことも多く入っていました。腎臓の役割は尿を作るだけではなく、臓器同士をつなぐ人体のかなめであり人間に寿命に直結していることも分かってきました。

腎臓の機能を詳しく見ていくと、腎臓は非常に多くの血管の塊とでもいえる臓器のようです。この中にある直径0.2ミリ程度の糸球体によって、血液中にある色々な物質の最終代謝産物いわゆる老廃物と水分を取りだす作業をしています。

このように取り出した水分と老廃物を原尿と言いますがこの総量は、一日で180リットルにもなるようです。ここからまた必要な成分や水分を再吸収して血液に戻しているのですが、この時に各臓器からの情報を取り入れ、吸収する成分量などをうまくコントロールし、適正な血液を再構築していくわけです。

例としてレニンという物質が出ていましたが、これは血管収縮の作用を持っています。心臓などの臓器からの必要血液量や必要酸素量の情報により、このレニンをどの程度血液中に戻すかにより、適正な血圧値を保っているようです。

腎臓ではあらゆる種類の物質に対して、それを捕まえる受容体が存在し、その働きを非常に細かく制御しているといいます。例えば塩類なども金属イオン一つひとつの量を把握し、血液中の塩濃度も適正値になっています。

また各臓器から酸素量が足りないという情報が入ると、骨髄細胞に指令を出し赤血球を増やすという役割までも担っていました。

また寿命という点では、血液中のリンの量が重要なようで、リンが増加すると老化が進みますが、少なすぎると骨が弱くなるという微妙な調整が必要なようです。このように腎臓は身体の恒常性を保つだけではなく、老化や寿命にも関連している重要な臓器と言えるようです。

しかし腎臓はある意味沈黙の臓器であり、機能が弱まったり不都合が出てきても痛みのような症状は全く出てきません。そのためにいかに腎臓の状態を知るかが重要であり、そのための取り組みも始まっているようです。

イギリスの腎臓に焦点を当てた先進的な病院の例が紹介されていました。ここの感染症で入院中の女性患者について、病院に導入されている最新医療システムが彼女の腎臓に危機が迫っていることを告げました。

この女性は高血圧でその治療もしていたのですが、その薬を止めることを決断しました。この高血圧の治療を辞めてまで回避したい、深刻な事態が「急性腎障害」だったのです。このように腎臓に障害が出ると簡単に他の臓器にも広がり、多臓器不全に陥るケースが多いようです。

私もこの番組を見て初めて腎臓が非常に重要な臓器ということが分かりましたが、どうすればこの腎臓を大切にできるかはよくわかりませんでした。