生物は呼吸し栄養を取り込みエネルギーを得たりして生きているのが常識ですが、そういった仕組みが全く分からない謎の微生物が発見されました。
これはアメリカカルフォルニアにある「ザ・シターズ」と呼ばれる丘にある泉で発見されました。泉は極めて強いアルカリ性で、水素イオン濃度(pH)は11以上とされています。生物の呼吸に必要な酸素を含んでおらず、栄養分となる炭素や窒素、リンなどもほとんど含まない死の水と言われています。
この水質は「蛇紋岩化反応」と呼ばれる現象と関係があり、地球深部の岩石であるマントルを構成する橄欖岩(かんらん岩)が、水と反応すると蛇のような模様がある蛇紋岩に変質し、水素などが生じる現象です。
この丘はマントルに由来する橄欖岩が隆起してできた場所で、地下に雨水が染み込むことで蛇紋岩化反応が起き、極端なアルカリ性の泉が生まれたとされています。
こういった厳しい環境に住む生物を研究している、海洋研究開発機構の研究グループが世界有数の過酷さを持つこの泉に着目しました。日米などの国際研究チームを主導し、現地調査を開始しました。
泉からくみ上げた水をろ過し、そこに存在する微生物をDNAを抽出してゲノム解析を行ったところ、なんと16種もの微生物が確認できたようです。これらの微生物すべてが、呼吸をつかさどる遺伝子を持っておらず、さらにこのうち4種は体内でエネルギーを生産するための遺伝子すら見当たらなかったとしています。
これらの微生物は泉の水に含まれる橄欖岩に密集した状態で見つかっており、研究グループは蛇紋岩化反応に頼って生きている可能性が高いと見ています。そうだとしても、生きるための具体的な仕組みは全く分からないようです。
この泉の水は、生命が誕生した約40億年前の地球の環境とよく似ているとされ、当時の地球では多くの場所で蛇紋岩化反応が起きていたと考えられます。こうした過酷な環境で原始生命がどのように生き延びたのかは全く不明で、謎に包まれているようです。
今回見つかった微生物は、原始生命の特徴を留める「生きた化石」なのか、泉の厳しい環境に適応するため独自の進化を遂げたのか、いずれにしても原始生命を理解する有力が手掛かりなると期待されています。
また地球外でも橄欖岩と水のある惑星は多く、蛇紋岩化反応が起きるとされており、これに頼って生きる生命の可能性を示したとしています。
今回の発表は面白い微生物の発見ではありますが、微生物の多様性自体ほとんどわかっていませんので、こういった研究の進展は難しそうな気がします。
これはアメリカカルフォルニアにある「ザ・シターズ」と呼ばれる丘にある泉で発見されました。泉は極めて強いアルカリ性で、水素イオン濃度(pH)は11以上とされています。生物の呼吸に必要な酸素を含んでおらず、栄養分となる炭素や窒素、リンなどもほとんど含まない死の水と言われています。
この水質は「蛇紋岩化反応」と呼ばれる現象と関係があり、地球深部の岩石であるマントルを構成する橄欖岩(かんらん岩)が、水と反応すると蛇のような模様がある蛇紋岩に変質し、水素などが生じる現象です。
この丘はマントルに由来する橄欖岩が隆起してできた場所で、地下に雨水が染み込むことで蛇紋岩化反応が起き、極端なアルカリ性の泉が生まれたとされています。
こういった厳しい環境に住む生物を研究している、海洋研究開発機構の研究グループが世界有数の過酷さを持つこの泉に着目しました。日米などの国際研究チームを主導し、現地調査を開始しました。
泉からくみ上げた水をろ過し、そこに存在する微生物をDNAを抽出してゲノム解析を行ったところ、なんと16種もの微生物が確認できたようです。これらの微生物すべてが、呼吸をつかさどる遺伝子を持っておらず、さらにこのうち4種は体内でエネルギーを生産するための遺伝子すら見当たらなかったとしています。
これらの微生物は泉の水に含まれる橄欖岩に密集した状態で見つかっており、研究グループは蛇紋岩化反応に頼って生きている可能性が高いと見ています。そうだとしても、生きるための具体的な仕組みは全く分からないようです。
この泉の水は、生命が誕生した約40億年前の地球の環境とよく似ているとされ、当時の地球では多くの場所で蛇紋岩化反応が起きていたと考えられます。こうした過酷な環境で原始生命がどのように生き延びたのかは全く不明で、謎に包まれているようです。
今回見つかった微生物は、原始生命の特徴を留める「生きた化石」なのか、泉の厳しい環境に適応するため独自の進化を遂げたのか、いずれにしても原始生命を理解する有力が手掛かりなると期待されています。
また地球外でも橄欖岩と水のある惑星は多く、蛇紋岩化反応が起きるとされており、これに頼って生きる生命の可能性を示したとしています。
今回の発表は面白い微生物の発見ではありますが、微生物の多様性自体ほとんどわかっていませんので、こういった研究の進展は難しそうな気がします。