慶応大学先端生命科学研究所の研究グループは、100年来の謎であったガンの代謝が変化する仕組みを解明しました。
この記事自身がかなり難しい内容ですが、まず代謝の変化というのは、通常細胞は食事などで吸収したタンパク質や糖類、脂質を色々な酵素を使って変換し、生きていくために必要な物質を作り出しそれを利用しています。しかしガン細胞は通常細胞とは違った物質を作り出し、それをうまく利用して増殖しています。
こういった代謝の変化は1920年代には見つかり、ドイツの生理学者ワールブルグはこの成果によってノーベル賞を受賞しています。この発見が起点となり、ガンの代謝研究が盛んに行われましたが、代謝と発ガンの関係は解明されず、その後の数十年は下火になっていました。
21世紀に入り、ワールブルグが発見した代謝以外にも、ガンに特異的な代謝がいくつか見つかり、ガン細胞はこういった代謝経路を使って増殖に必要な物質(生体分子)を作り出していることが判明しました。
現在、ガンが示す代謝を阻害してガン細胞を死滅させようとする抗ガン剤の開発が世界中で精力的に行われています。しかしガン細胞がどのようなメカニズムで代謝を変化させているのかについては未解明なままでした。
研究グループは、大腸ガン患者275名から採取した正常組織とガン組織に存在する生体分子をメタボローム解析技術(よく分かりませんが、すべての分子を電気泳動やマススペクトルといった機器で分析していく手法のようです)などの最先端の分析技術で手あたり次第測定しました。
この解析など詳しいことは出ていますが、私にもよく理解できませんので結果だけを箇条書きにします。
1)大腸ガンの代謝は、ガン化する前の良性腫瘍の段階から変化し、ガンの進行ステージが変わっても変化しない。
2)ガン遺伝子産物であるMYCタンパク質が、215という大量の代謝反応を介して大腸ガンの代謝を変化させていることを臨床検体で始めて証明した。
3)MYCタンパク質およびこれが制御している代謝酵素の抑制が、大腸ガン細胞の増殖を抑えることを示した。
4)MYCタンパク質が制御しているピリミジン代謝経路が、有望な大腸ガンの治療法の標的になることを示した。
このMYCというのはガン遺伝子として知られていましたが、それが作り出すタンパク質が代謝の変化に重要な意味を持っていることが分かったわけです。この代謝の変動つまり栄養源の供給が、細胞がガン化し増殖するために不可欠であると結論しています。
これによって標的の代謝経路が特定できれば、よりガン選択的な治療薬の開発に結び付きそうな気がします。
この記事自身がかなり難しい内容ですが、まず代謝の変化というのは、通常細胞は食事などで吸収したタンパク質や糖類、脂質を色々な酵素を使って変換し、生きていくために必要な物質を作り出しそれを利用しています。しかしガン細胞は通常細胞とは違った物質を作り出し、それをうまく利用して増殖しています。
こういった代謝の変化は1920年代には見つかり、ドイツの生理学者ワールブルグはこの成果によってノーベル賞を受賞しています。この発見が起点となり、ガンの代謝研究が盛んに行われましたが、代謝と発ガンの関係は解明されず、その後の数十年は下火になっていました。
21世紀に入り、ワールブルグが発見した代謝以外にも、ガンに特異的な代謝がいくつか見つかり、ガン細胞はこういった代謝経路を使って増殖に必要な物質(生体分子)を作り出していることが判明しました。
現在、ガンが示す代謝を阻害してガン細胞を死滅させようとする抗ガン剤の開発が世界中で精力的に行われています。しかしガン細胞がどのようなメカニズムで代謝を変化させているのかについては未解明なままでした。
研究グループは、大腸ガン患者275名から採取した正常組織とガン組織に存在する生体分子をメタボローム解析技術(よく分かりませんが、すべての分子を電気泳動やマススペクトルといった機器で分析していく手法のようです)などの最先端の分析技術で手あたり次第測定しました。
この解析など詳しいことは出ていますが、私にもよく理解できませんので結果だけを箇条書きにします。
1)大腸ガンの代謝は、ガン化する前の良性腫瘍の段階から変化し、ガンの進行ステージが変わっても変化しない。
2)ガン遺伝子産物であるMYCタンパク質が、215という大量の代謝反応を介して大腸ガンの代謝を変化させていることを臨床検体で始めて証明した。
3)MYCタンパク質およびこれが制御している代謝酵素の抑制が、大腸ガン細胞の増殖を抑えることを示した。
4)MYCタンパク質が制御しているピリミジン代謝経路が、有望な大腸ガンの治療法の標的になることを示した。
このMYCというのはガン遺伝子として知られていましたが、それが作り出すタンパク質が代謝の変化に重要な意味を持っていることが分かったわけです。この代謝の変動つまり栄養源の供給が、細胞がガン化し増殖するために不可欠であると結論しています。
これによって標的の代謝経路が特定できれば、よりガン選択的な治療薬の開発に結び付きそうな気がします。