ごっとさんのブログ

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新型コロナ、世界で進む治療薬候補

2020-09-06 10:31:49 | 
新型コロナウイルスは、新規感染者が国内で1000人を割ったものの、依然として状況は混沌としています。予防のためのワクチンとともに、治療薬特に既存薬の転用が急がれています。

まず小野薬品が進めている、慢性膵炎の治療薬であるカモスタットメシル酸塩があります。カモスタットは「プロテアーゼ阻害剤」と呼ばれる、ウイルスが細胞に侵入の際に必要とする酵素を邪魔するタイプの薬剤で、新型コロナの治療においても成果を上げるのではないかと注目度が高まっています。

米国ウィチタ州立大学などの研究グループは、「3CLプロテアーゼ阻害薬」がコロナウイルスの治療薬として有望である可能性を示しました。

このグループはMERSに感染したマウスに3CLプロテアーゼ阻害薬を試したところ、通常は100%に近い致死率をほぼ0%に減らせることを確認しました。3CLプロテアーゼがコロナウイルスで重要な働きをするメカニズムがあると予想されています。

コロナは同類のウイルスの中でも巨大なタンパク質を作るなど、増殖の仕組みが複雑であると指摘されています。その複雑さのひとつとして、行った作り出されたタンパク質を3CLプロテアーゼで処理するプロセスがあります。

このプロセスを阻害薬で邪魔することで、ウイルスの増殖を防ぐというメカニズムです。寄生虫薬であるイベルメクチンも、プロテアーゼ阻害薬としての効果が想定されている薬剤のひとつです。

オーストラリア・ロイヤルメルボルン病院などの研究グループは、細胞培養レベルの研究でイベルメクチンによる新型コロナの増殖抑制を試み、増殖を抑え込むことに成功したと報告して注目を浴びました。

イベルメクチンによって、48時間後の時点でウイルスの数が5000分の1未満まで減少したと報告しています。イベルメクチンのメリットは、既に承認されており世界中で使われていることです。

鹿児島大学の研究グループが、HIVの増殖抑制効果で知られ、現在はアルコール性脂肪性肝炎の治療を目的として臨床試験が進むセニクリビロックという薬剤が新型コロナの抑制に効果があると発表しました。

ウイルスが細胞に侵入する仕組みを邪魔する効果が期待されています。フランスのリヨン大学を中心とした研究グループは、ウイルスを狙った薬だけでなく、感染した人の持っている免疫に働きかける薬との組み合わせを試みています。

同グループは新型コロナの適用が承認されているレムデシビルに、高血圧薬として知られるジルチアゼムを組み合わせることで、相乗効果が得られる可能性を見出しました。

その他にも世界中で多くの薬が検討されていますが、どの薬が治療薬として承認されるかはまだ先のはなしのようです。下手な鉄砲的な感じもしますが、どれか特効薬が出てくることを期待しています。


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