ごっとさんのブログ

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将来のガン細胞を尿検査で

2019-06-02 10:31:51 | 健康・医療
少し前に血液を用いたガン検診の話を書きましたが、より簡単な尿を調べるだけの、ガンが発症する前のガン細胞の検査があるようです。

病気の検査は治療の第一歩ですが、発症すれば治療や薬に費用がかかり、入院や手術で患者の身体への負担が大きくなることもあります。そのために最新検査では、「病気になる前」に注目するようになってきました。

こういった流れの中で、「数年後にかかる病気」のリスクを極めて高い精度で計測できる最新の検査が登場したようです。現代の治療は病気を治すのではなく、「病気にかからない」を目指す方向に進化してきています。

発症前の兆候をつかむことが困難とされてきたガンでも、発症を未然に防ぐ道が開けてきました。それが自宅にいながらガンのリスクを評価できる「Noah、のあ」という検査方法です。

この方法は尿を使ってガンリスクを評価しますが、その特徴は「ALA」というアミノ酸の特性を利用することです。このALAについては何の説明もありませんが、たぶんアミノレブリン酸の略称と思われます。

これは細胞のミトコンドリアに存在し、エネルギーを生み出す生命の根源物質とも呼ばれている物質で、近年非常に注目されています。

ホウレンソウやピーマンなどの緑黄色野菜、発酵食品などに多く含まれるALAは、口から摂取した後細胞に取り込まれます。それが正常な細胞であればALAはヘモグロビンなどの材料になる「ヘム」に変わります。

ところがALAを取り込んだのがガン細胞であれば、ポルフィリンという物質が蓄積して、ガン細胞内に数時間留まったのち尿として体外に排出されます。ポルフィリンは青い光を当てると赤く光るなどの特徴があるため、Noahはこの原理を応用して反応をチェックします。

個人差はありますが、画像検査などで確認できるくらいガン組織が大きくなっているケースだけでなく、大腸ポリープといったガンの前段階である病変もとらえることができるようです。

実際の検査では、希望者は就寝前にALAのカプセルを飲み、翌朝起床後に採尿した検体を検査機関に持参するという流れになります。検査結果が出るまでは2~3週間ほどで、ガンリスクの低い順にA〜Dまでの4段階で判定されます。

この結果はあくまでもリスクを判定するものであり、確定診断ではありませんし、身体のどの部位にガンのリスクがあるのかは分からないようです。

この検査方法はまだ確立したものではなく、一部の医療機関が試しに導入している程度のようですが、前ガン状態を把握できるというのは興味深い気もしています。


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