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認知症により脳はどうやって壊れていくのか

2022-05-07 10:30:56 | 健康・医療
私の古くからの友人が認知症を発症したようで、3年ほど前から言動がおかしくなってきました。また昔の職場の先輩もアルツハイマーではないのですが、やはり認知症となったようです。

やはり75歳以上になると周りの人たちにもこういった症状が出てくるのはやむを得ないことかもしれません。

厚生労働省によれば、日本でも2025年には65歳以上の約3600万人のうち、約700万人が罹患すると試算されています。人間の脳はどんなメカニズムで認知症を発症し壊れていくのでしょうか。

まず「認知」の定義としては、「物事の捉え方」とする説があります。例えばステーキを見て、空腹ならば美味しそうと思って食べ始め、満腹ならもういいとなって食べることはありません。つまり認知は、自己の存在にとって最も適した行動をとるための機能といえるようです。

約70%を占めるアルツハイマー病は未知の部分が多いのですが、キーワードがアミロイドβというタンパク質であるという説が有力となっています。このメカニズムの詳細については省略しますが、40歳前後から脳の老化は始まり、アミロイドβが溜まり始めます。

ただこの年代ではこのごみを除去する働きが保たれているわけです。これが加齢とともに衰え、40代から何十年もかけてアミロイドβが溜まった後、5人に1人が60〜90代で発症することになります。

これにより年相応の「もの忘れ」ではなく、アルツハイマーの典型的な症状である「記憶障害」が表れてきます。記憶は保存する時間の長さによって「短期」と「長期」に分けられますが、アルツハイマーになると新しい記憶から失われて行きます。

短期記憶は海馬に記されますが、アルツハイマーは海馬から萎縮が始まり、新しいことをうまく覚えられなくなります。また記憶障害だけでなく、時間や場所、人物を認識できなくなる見当識障害も伴います。

認知症患者は「行きたい」という目的は持っていますが、昔の記憶しかないため迷ってしまい「徘徊」が起こることになります。ほかにも言葉が出てこなくなる言語障害や、作業の段取りが分からなくなる実行機能障害、判断力低下が認知症の中核症状となります。

1日4〜6時間の短時間睡眠が続くと、アミロイドβの蓄積が一定量上がるといわれています。40〜50代で睡眠不足だった人は、認知症のリスクが高いと考えられています。

現在認知症の薬は出ていますが、従来使われているのは「アセチルコリン説」のころのものですし、最近やっとアミロイド説に基づいた薬が認可されています。しかし脳の萎縮が改善されることはなさそうですので、進行を止めるのがやっとではないかと考えています。

従っていかに早く認知症の症状を感知するかが、最大の認知症対策なのかもしれません。


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