ごっとさんのブログ

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   薬と猫と時々時事

「死の水」に住む謎の微生物を発見

2017-10-26 10:42:44 | 自然
生物は呼吸し栄養を取り込みエネルギーを得たりして生きているのが常識ですが、そういった仕組みが全く分からない謎の微生物が発見されました。

これはアメリカカルフォルニアにある「ザ・シターズ」と呼ばれる丘にある泉で発見されました。泉は極めて強いアルカリ性で、水素イオン濃度(pH)は11以上とされています。生物の呼吸に必要な酸素を含んでおらず、栄養分となる炭素や窒素、リンなどもほとんど含まない死の水と言われています。

この水質は「蛇紋岩化反応」と呼ばれる現象と関係があり、地球深部の岩石であるマントルを構成する橄欖岩(かんらん岩)が、水と反応すると蛇のような模様がある蛇紋岩に変質し、水素などが生じる現象です。

この丘はマントルに由来する橄欖岩が隆起してできた場所で、地下に雨水が染み込むことで蛇紋岩化反応が起き、極端なアルカリ性の泉が生まれたとされています。

こういった厳しい環境に住む生物を研究している、海洋研究開発機構の研究グループが世界有数の過酷さを持つこの泉に着目しました。日米などの国際研究チームを主導し、現地調査を開始しました。

泉からくみ上げた水をろ過し、そこに存在する微生物をDNAを抽出してゲノム解析を行ったところ、なんと16種もの微生物が確認できたようです。これらの微生物すべてが、呼吸をつかさどる遺伝子を持っておらず、さらにこのうち4種は体内でエネルギーを生産するための遺伝子すら見当たらなかったとしています。

これらの微生物は泉の水に含まれる橄欖岩に密集した状態で見つかっており、研究グループは蛇紋岩化反応に頼って生きている可能性が高いと見ています。そうだとしても、生きるための具体的な仕組みは全く分からないようです。

この泉の水は、生命が誕生した約40億年前の地球の環境とよく似ているとされ、当時の地球では多くの場所で蛇紋岩化反応が起きていたと考えられます。こうした過酷な環境で原始生命がどのように生き延びたのかは全く不明で、謎に包まれているようです。

今回見つかった微生物は、原始生命の特徴を留める「生きた化石」なのか、泉の厳しい環境に適応するため独自の進化を遂げたのか、いずれにしても原始生命を理解する有力が手掛かりなると期待されています。

また地球外でも橄欖岩と水のある惑星は多く、蛇紋岩化反応が起きるとされており、これに頼って生きる生命の可能性を示したとしています。

今回の発表は面白い微生物の発見ではありますが、微生物の多様性自体ほとんどわかっていませんので、こういった研究の進展は難しそうな気がします。


インフルエンザワクチンは本当に必要か

2017-10-25 10:41:19 | 健康・医療
このところ寒い日が続き、そろそろインフルエンザの季節となりそうです。

この時期になるとインフルエンザワクチンを早めに接種しようというキャンペーンが始まりますが、逆にワクチンは必要ないという話が出ていました。私はもともとインフルエンザに対してワクチンは効果がないだろうという意見ですので、私の感想を含めて書いてみます。

この記事の筆者は薬剤師ですが、薬局でのアンケートの結果が出ています。インフルエンザに罹った患者200名を調査したところ、ワクチン打ったのに罹ってしまった人99人、ワクチンを打たずに罹ってしまった人101人と、ワクチンの接種有無とインフルエンザ罹患率に有意な差はなかったようです。

もちろんこれは疫学のようなしっかりした調査ではありませんが、大体の傾向は出ているような気がします。ワクチンというのはウイルスなどが入ってきたときに、すぐに免疫が作動するように抗体を作るための手法です。

通常できた抗体は「はしか」のワクチンのように、非常に長時間いわば一生消えることは無いとされています。ところがインフルエンザの場合は、まずウイルスの型が非常に多いようです。今年はA型とB型のワクチンが準備されています。

それ以上にウイルスの変異、つまり抗体が認識する部位が非常に変わりやすいとされています。そのためインフルエンザが流行する前に、新しいワクチンを打つ必要があるわけです。この辺りは変な理論になっています。

つまり新しいワクチンといっても、作製時間などを考えると昨年のウイルスを使わざるを得ないでしょう。このワクチンが今年有効であるならば、昨年インフルエンザに罹った人はその時点で抗体ができていますので、今年は罹らないということになります。

実際は風邪をひきやすい人は毎年罹ったりしていますので、ウイルスの変異は半年ぐらいで起きてしまうと考えるのが良さそうな気がします。つまり地上には非常に多くのインフルエンザウイルスの変異株が存在し、その内の多くの人が抗体を持っていない変異株が流行するというのが実際のような気がします。

ですからワクチンには当たり外れがある訳ではなく、ワクチンでできた抗体が効力を示さない株が流行るわけですので、全く効果はないといってよいでしょう。

この著者は当たり外れがあっても、とりあえず接種しておくということにも反対しています。子宮頸ガンワクチンで問題となっているような、ワクチン自身にもリスクがあるとしています。特にアジュバントといわれる免疫活性剤の危険性を言っていますが、私はその面ではそれほどリスクはないと考えています。

しかしこのインフルエンザワクチンを多額の費用をかけて作り接種するというシステムは、やめた方が良いような気がします。

衆議院議員選挙 またもや与党圧勝

2017-10-24 10:45:28 | 時事
衆議院選挙の開票が行われ、自民党が単独で安定化半数以上の283議席を取り、公明の29議席で3分の2を超えるという圧勝でした。

安倍首相がなぜこの時期に解散したのかあまりスッキリしませんが、野党のごたごたが解散前以上にひどくなり、結局自民党に落ち着いたための大勝であり、いわば野党の自滅で安倍首相もこんなに勝つことは予想していなかったとされています。

投票日が台風と重なった割には投票率の53%は良い方で、国民はそれなりに関心があったと思われます。

それにしても野党の混迷ぶりはひどいものでした。小池知事が希望の党を立ち上げたのは、今までの流れからいって当然だと思います。民進党は嫌だけど自民を批判したいと思うような票の受け皿になりそうでした。

しかし私はそれほど大きな勢力になるとは思っていませんでした。やはり都議選で圧勝しすぎたと感じていましたし、その後の都政がよくなったかの情報もまるで入って来ませんでした。多分都民も小池さんの会が、あれほど多くの議席を取るとは思っていなかったのではないでしょうか。

多分都民も含めて国民の多くが、あまり偏るのは良くないと感じていたと思います。さらに前原民進党が合流してしまうのでは、ますます希望の党離れが進んだのだと思います。それに加えて希望の党も民進党を全員受け入れるのではなく、選別すると言ったら、必然的に排除されそうな人がまとまることは大いに考えられるわけです。

結局立憲民主党ができ、民進党の大物たちは無所属で立候補という形になりました。しかも当然ですが希望の党と立憲民主は選挙協力をするわけではなく、マスコミで言われているように3極での争いとなってしまいました。

こうなると立憲民主は、自民批判票の受け皿としてある程度健闘しましたが、54議席の野党第1党では非常に弱い気がします。あまり話題にもなっていませんが、このために共産党がかなり減ってしまったのではないかと思っています。

今後野党としては、参議院に残っている民進党や、選挙に受かるために入った希望の党、無所属で当選した元民進党議員がどう動いてどんな再編が行われるのか興味はありますが、小党乱立だけは避けてほしいものです。

私は安倍政権を否定するわけではありませんが、あまりにも長く政権にいるといろいろ問題が出てきそうですし、安倍首相にやや飽きたというのも確かなところです。残念ながらこの結果では安倍政権は当分続きそうです。

基本的には二大政党を期待しているのですが、寄せ集めだった民進党が少しは整理されてきたとはいえ、自民に代わる勢力になるには当分かかりそうです。

糖質制限論争に結論か?

2017-10-23 10:44:07 | その他
糖質制限ダイエットということが注目されてから、この方法の可否についても色々論争が起きているようです。

私自身はダイエットの必要は全くありませんし、脳の栄養源がブドウ糖であることを考えると、極端な糖質制限はあまり良くないのではという感じを持っていました。

この糖質制限の影響について最近カナダのマックマスター大学の研究グループが、大規模な疫学研究の結果を発表しました。この研究は5大陸18か国で全死亡および心血管疾患への食事の影響を検証した大規模疫学前向きコホート研究というものです。

これは2003年1月時点で35~70歳の13万5335例を登録し、2013年3月まで追跡調査をするという大規模なものでした。これまでの研究データのほとんどが、栄養過剰の傾向にある欧米の物であったのに比べ、低所得から高所得層を網羅しており、その点でも信頼性の高い研究と言えるようです。

論文の細かい点はよく分かりませんが、以下の様に要旨をまとめています。まず炭水化物摂取量の多さは、全死亡リスク上昇と関連している、次に総脂質および脂質の種類別の摂取は全死亡リスクの低下と関連している、総脂質および脂質の種類は、心血管疾患、心筋梗塞と関連していない、最後に飽和脂肪酸は脳卒中と逆相関しているというものです。

あまり分かりやすい要旨ではありませんが、簡単に言えば炭水化物を摂るほど死亡リスクが高くなる一方で、脂質の摂取量が多いほど死亡リスクは低下し、特に飽和脂肪酸の摂取量が多いほど脳卒中のリスクは低くなるということのようです。

ここではタンパク質の摂取については触れていませんが、死亡リスクなどへの関連がなかったということかもしれません。

研究グループは、今回の結果を踏まえ世界的な食事ガイドラインを再検討すべきであると提言しています。例えば日本の医療現場などで指導されるカロリー制限食では、6割ぐらいの糖質量になっているため、糖尿病に限らず生死にかかわる健康リスクが増大しているとしています。

この発表を受けて糖質制限派は、日本でも食事の質を考え直すべきとしていますが、基本的な和食は糖質を主食としており、これを変えるのは難しいような気がします。

食糧生産はいわば歴史的な変遷をたどりながら、最も効率の良い形として現在のシステムが出来上がっているのであり、糖質が病気のリスクを高めるからと言ってそう簡単に変えられるものではありません。

私はかなり糖質主体の食事を摂っていますが、これを気に入っているのであり、少々リスクが高まるといってもあまり変えようという気にはなりません。まあこんな結果もあるということを記憶にとどめるといったところかもしれません。

日本に本当の保守政党はないのか

2017-10-22 10:46:24 | 時事
今日はいよいよ衆議院選の投票日です。今回の総選挙に関連して色々と政党に関する記事を見ていましたが、田原総一朗さんが日本に本当の保守政党はないのかという記事を読みました。

田原さんは「朝まで生テレビ」という番組を持っており、もう30年も続いていますが討論番組としてはなかなか面白く、録画してゆっくり見ています。

田原さんによれば、各党の公約を読んでいると日本には保守政党がないというところから始まっています。アメリカでは共和党と民主党があり、イギリスは保守党と労働党という、いずれも「保守」と「リベラル」の二大政党が闘っています。

「保守」は、自由経済であり社会保障などは最小限で、あまり予算が膨らまないいわゆる小さな政府となっています。対する「リベラル」は、社会保障を厚くする大きな予算の大きな政府となっています。

保守政党の政権が続くと、少数の勝者に比べて生活が苦しい人々が増え格差が広がります。この状況で選挙を行うと、リベラルが勝ち政権交代が実現するわけです。このリベラル政権は、敗者を救うため社会保障や福祉にどんどん税金を投入します。すると財政が悪化し次の選挙では保守が勝つという、国家としてのバランスを保っているわけです。

こうやって単純化して説明されると非常にわかりやすく、アメリカの共和党と民主党の差も分かる気がしました。

日本で民主党が誕生し、政権を取ると健全な民主主義が確立するかと期待されたのですが、その民主党が無くなってしまいました。田原さんは、自民党が保守とリベラルの両面を併せ持っていることが理由としています。

自民党は基本的には保守政党ですが、経済政策ではリベラル路線となっています。ですから民主党は政党色を打ち出すのが難しく、混迷を経て民進党に変わり実質的に解党する状況になったとしています。

自民党は社会保障を厚くしたのですが、日本経済が悪化してもその政策を続け、政策転換ができなかったために1000兆円もの借金を抱える羽目になったわけです。

自民党は予定通り2019年に消費税を10%とすると表明していますが、全野党がこれに反対しています。立憲民主党や共産党は当然と思いますが、寛容な改革保守としている小池さんの希望の党ももちろん反対しています。どの政党も財政再建を真剣に考えず、口当たりの良いことしか語っていません。

田原さんの「保守」の定義によれば、確かにどこにも健全な保守政党がいないのかもしれません。こうしてみると日本には二大政党制が育つ土壌がないと言えるような気がします。