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ホールデン・コールフィールドは永遠に…

2010-01-29 14:35:00 | ニュース
サリンジャーが亡くなった。
91歳。老衰だった。


サリンジャーは、僕の思春期に、
直接的には彼の作品によって、
間接的には彼に影響された文学や音楽、映画を通して、
大きな影響を与えてくれた。
それがいいことだったのか?悪いことだったのか?
未だに僕にはわからない。

The Catcher in the Rye The Catcher in the Rye

 J.D. Salinger
 価格:¥ 670(税込)
 発売日:1991-05-01


1950年代、『ライ麦畑でつかまえて』の成功は、
サリンジャーを第一級の作家の地位に祭り上げた。
が、彼はこの名声を負担に感じ、
生まれ故郷 NY マンハッタンを引き払い、
ニューハンプシャー州の田舎町で隠遁生活をはじめた。
それ以降、オフィシャルな場(人前)に姿を現さなかった。


1965年の『 Hapworth 16: 1924 』を最後に、サリンジャーは新作を発表していない。
けど、1980年?、Boston Sunday Globe のインタビューに、めずらしく応じ、
次のように語った。

  I love to write, and I assure you I write regularly.
  But I write for myself and I want to be left absolutely alone to do it.

  書くのは好きだし、日常的に書くことはやめていない。
  だが、自分のために書いているだけだ。私のことはそっとしておいてほしい。

ということは、未発表作品が複数あるにちがいない。


サリンジャーはもっとも好きな作家の一人だが、
彼の訃報に接しても、不思議と何の感慨もわかなかった。
あると思われる未発表作品についても、何の頓着もない。
これは、サリンジャーが僕にとってすでに歴史上の作家で、
伝説の部類に属しているからだろう。


大人の世界のインチキを見抜く高校生
ホールデン・コールフィールドの反抗的で混乱した精神は、
今でも僕の Soul に何ごとかを語りかけている。

Mourn over the death of J.D. Salinger