
外で食事を済ませ、ふと時計を見るとまだ午後7時半だった。
夜風が気持ちいいので、少し街を歩くことにした。
1年のうちに数度とない、完璧な気温と湿度の秋の宵だ。
テラスのあるカフェを見つけて、シングルモルトを注文した。
ショットグラスを一口で飲み干し、直ぐに店をでるつもりが、
2時間ちかくも、ジャック・ケルアックを読みながら、
通りを歩く人たちを見ていた。
僕には不似合いで、少しキザ臭いが、
これがとても贅沢な時間であることを自覚しながら、
英国ガーディアン紙に掲載されたホーキング博士の
「天国」や「脳」「人の生き方」についての話を考えてみた。
隣のテーブルでは、ビールで何かの祝杯を上げる3人組の若い OL の笑い声。
「ここは天国なのか?」 ― Is this Heaven? ―
「アイオワだよ」 ― No. It's Iowa ―
なぜか『 Field of Dreams 』の名台詞が頭をよぎった。