SIDEWALK TALK

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夏鍋

2011-07-04 12:34:00 | まち歩き
Natsunabe嫁さんの誕生日や結婚記念日、はたまたお婆ちゃんの命日まで、
こっちが意識してなくても、
デジタル機器のスケジュール管理ソフトがこっそりと教えてくれる。
僕のようなウッカリ者には、ありがたい時代になったもんだ。


けど、当日忘れちゃう。
起き抜けに PC をいきなり開くわけじゃないからね。
先日の嫁の誕生日の朝、ふつうに出社した。
そして PC を開いて、愕然。
まぁ、こんな具合です。


さて、その罪ほろぼしに、昨夜は食事に出かけた。
時たまいく小料理屋さんに、以前から気になってたメニューがあった。


「四川風黒豚鍋」(て感じの名前だったと思う)


いかにも汗かきそうなメニューだし、夏はやってないかと思ったけど、
そこは田舎のいいとこで、ごり押しすれば融通が利く。
お店ではちょうどビールフェアというのもやっていて、
汗かきながらビールで流し込んできた。


僕(僕んち)は、夏でもよく鍋をする。
あのー、ウチはいま問題のオール電化でして、このご時世、
エアコンを入れて電気鍋でわざわざ真夏に鍋を食べるなんてことは
非国民と罵倒されそうですが、週に3回は鍋料理を食べてるかな。


会社にも九電から節電(省電)要請がきてたから、
今後はせめてカセットコンロを使おうかな、と。
夏鍋はサイコーですよ!


手向け謡 『江口』

2011-07-01 14:22:00 | アート・文化
Eguchiお客さまで、
能楽関連のお道具を取り扱っておられる会社がある。
そのH社のSさんが、先日、鬼籍に入られた。
亡くなられる数日前に電話でお話ししたばかりだったので、
突然の訃報にしばし茫然とした。


Sさんは篤実な紳士で、弊社にとって先方がお客さまにもかかわらず、
鄭重な語り口でご注文くださっていた。
笑顔を絶やさない、
そのジェントリーな物腰にはお目にかかる度に感心させられた。


ご葬儀に参列したかったのだけど、
都合がつかず、供花を贈った。
式はカソリックのマナーでおこなわれたらしいが、
お通夜の席で、
二十六世 観世清和 宗家が『江口』の一節を
手向けとして謡われたらしい。
昨日、お礼状と共に、小さな謡本が送られてきた。


能『江口』は、世阿弥作で、
『新古今和歌集』にもみえる西行法師と遊女の歌問答と、
遊女が普賢菩薩として現れた話に取材して作られた。
詳細は煩雑になるのでここでは触れないが、素人解釈すると、
人生は夢幻のような「仮の宿」だと悟り、
その生や業の執着から解かれることにより
煩悩に苦しんでいた遊女が救われるというプロットだと思う。


Sさんに下世話な意味での煩悩があったとはとても思えないが、
華やかな中に深い宗教性に貫かれた格調高い調べの『江口』に送られ、
Sさんの魂もさらに美しく昇華したのではないかと感じている。

合掌...