八兵衛のセカンドライフ

46歳で脳幹(橋)出血、現在72歳の車イス男性。ブログはFact is factで(事実だものしょーがねぇべ)

12月17日(イノチの水)

2015年12月17日 18時21分21秒 | 脳幹出血
脳幹(橋)出血で意識は回復したけど、両手両足はピクとも動かなかったし、
腕には点滴チューブ、下腹部には導尿チューブ、鼻には経管食チューブが繋がっていた。
意識が回復した1週間後くらいに、原因は分からないけど40度前後の高熱が出た。
『脳出血再発の危険のため解熱剤や抗生剤は使えない、八兵衛さんの体力勝負です』と、
主治医(関東逓信病院)がお銀に話していたことは、今でもハッキリ覚えている。

結局、高熱は3日3晩続き、その間ずーっと私は『水、みずぅ・・』とうわ言のように喚いていた。
灼熱のサハラ砂漠で匍匐前進させられているシーンなど、その間いろんな夢や幻を見た。
ジョッキになみなみと注がれた麦茶をゴクゴクと飲み干す前に、
いつも高熱でうなされている現実に引き戻された。

私の生活環境の中で、喉がヒリヒリと渇くこの時の状況に近いのは風呂上りなのだ。
以来17年間、入浴後には、
なみなみとコップに注がれた麦茶を『イノチの水』と称して、
まるで生ビールのようにイッキに飲んで、生きている喜びを噛み締め、そして感謝してきた。
それがなんと、デイでも入浴後にはいつも一杯の麦茶を出してくれるではないか。
入浴後に初めて麦茶を目にした時の嬉しい驚きと感激は、今でも忘れられない。

 ps:断酒断煙した私には、イノチの水は生ビールよりも美味しい。
   倒れる直前の私は、タバコを1日70本、アルコールを休肝日なし日本酒換算で3,4合/日は呑んでいた。
   『海峡』は、酒とタバコに溺れた東京での単身赴任生活を、もう1度やり直したいけど、しかしもう遅い、
   と歌っているようにも聞えるから、ほろ苦いけどたまらなく好きなのだろう。
コメント
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