内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

研究・教育のデヴァイスとしてのブログ

2019-11-27 23:59:59 | 雑感

 今日は、連載「憧憬は郷愁ではない」を休む。まだまだ先は長いので、休み休み細々と続ける。そういえば、昨年9月15日から始めた連載「カイロスとクロノス」も二十回で中断したままだなと思い出す。まあ、できるところから手をつけていきましょう。
 自分にとって興味深いテーマが見つかると、いつもそうなのだが、そのテーマをめぐって、ちょっと大げさに言うと、蔵書の再編成と拡充が始まる。今回のテーマについては、ドイツ・ロマン主義とフランス・ロマン主義の比較研究にも及ぶので、その分野に関してすでに所有している書籍を本棚から引っ張り出してきて、それらを机の上に積み上げ、片っ端から目を通していった。その過程で、さらに参照すべき文献が見つかる。アマゾンその他にそれを注文する。電子書籍版があれば、まずそれを購入し、すぐに目を通す、あるいは、検索機能を使って、キーワードの使用箇所を検索する。こうした作業を通じて、文献をどのような順番で読み、考察をどういった手順で展開するかが徐々に見えてくる。それは楽しくワクワクするような知的愉悦の時間である。
 連載「憧憬は郷愁ではない」と並行して、『陰翳礼讃』についての2月の講演「陰翳の現象学」の準備も始める。これは、日本の大学の哲学科の学部二年生とこちらの修士一年生とに向けられた日本語での一時間ほどの講演である。合同ゼミのキーノートになる。ゼミ当日、日本人学生の一グループがその講演の質問者として発表する。事前学習として、さしあたり、メルロ=ポンティの『眼と精神』を読んでおくように伝えた。この講演内容も、およそ準備が整った段階で、このブログに連載形式でアップしていく。
 このブログは、私の研究・教育のデヴァイスの一つとしてかなりよく機能してくれていると思う。