先週は月から金まで毎日大学に出勤し、しかも木金は朝から晩までプログラムが詰まっていたから、昨日土曜日はちょっと虚脱状態に陥ってしまいました。何もする気になれませんでした。今週の授業の準備はだいたいできているからこの週末には少し時間的余裕があるということも、一時的に無気力状態に陥らせる誘因の一つになったのでしょう。
起床は八時過ぎ。四時前に起きるのを常としていますから、私としてはかなり大幅な朝寝坊です。肉体的疲労感はほとんど残っていませんでしたが、とにかく何もしたくない。
で、午前中はずっとネットでニュースを読みつづけていました。それも何かのテーマに沿って系統立ててというのではなく、たまたま開いた頁で最初に目についた記事を読み、同ページの別の記事へと移り、読みたい記事がなくなると、別のサイトに移動して、同じことを繰り返す。
まあこれでも結果として教材探しになっていなくはないのですが、本人としては、そうやってただ時間を無駄に過ごているという後ろめたい気持ちを引きずっていました。
午後は何か本を読もうとしましたが、虚脱感に侵食された脳がそれを拒否しているかのようでした。「現代文学」の授業ために作成したエクセル表の整理という単純作業の後、ジョギングに出かけました。調子は悪くなかったのですが5キロで切り上げました。頑張りたくないのです。
早めの夕食中、先月ネットで読んだテレビドラマ評で高く評価されていたNHKドラマ『母の待つ里』(全4話、昨年9月放映)の第2話を観ました。第1話はすでに先週観ました。浅田次郎の同名小説が原作ですが、それは読んでいないし、あらすじも知らずに観ました。
それがよかった。タイトルから、懐かしい故郷に関わる話かなと想像しましたが、それが見事に裏切られました。まったく予想外の状況設定で、しかも現代人の心の深部の煩悶に触れている話でした。
何よりも、ドラマの設定のなかで「母」を「演ずる」宮本信子の演技が素晴らしい。それに、各回にそれぞれ登場する中井貴一、松嶋菜々子、佐々木蔵之介もさすがの演技。昨日続けて観てしまおうかとも思ったのですが、なにかそれはもったいないような気がして、あと二話、一日一話ずつ、ゆっくり味わって観ることにしました。
もう一つ観たのがやはりNHKのドラマで、蓮佛美沙子主演の『バニラな毎日』。賀十つばさの同名小説が原作。一回十五分の短編連続ドラマで、今のところシーズン1・エピソード12までNHKオンデマンドで視聴できます。まだ第3エピソードまでしか観ていませんが、佳作の予感。
蓮佛美沙子には、2010年公開の『ハナミズキ』と『君に届け』のころから注目しているのですが、優れた演技力の持ち主なのにあまり作品に恵まれていないという印象があります。『バニラな毎日』の白井葵は適役だと思います。続きを観るのが楽しみです。
こうして、いいドラマを観ることができたおかげで、少し気分が上向いたところで一日を終えられたのは幸いでした。
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