
「Around The World In A Day」=「1日で世界一周」というプリンスのアルバムは、なぜかジャケットを含め、ビートルズの「サージェント・ペパーズ……」を連想させる。
ヒットした弦楽器の響きが美しい「ラズベリー・ベレー」には、70年代的な幸福感が、「ペイズリー・パーク」の重くて低いサウンドには、麻薬的なサイケデリック感が漂う。
共にかっこいい名曲だが、そこに更にトドメを刺すすごい曲が「ポップ・ライフ」という名曲である。

当時、すでにウツとノイローゼの兆候が出ていた、自分のふらふらの絶望感に包まれた重い心身を、何とか前向きにして、予備校に向かわせていた自力の元は、朝の1曲「ポップ・ライフ」であった。
あるいは、ティアーズ・フォー・フィアーズの「ワーキング・アワー」であった。
「ポップ・ライフ」は、かなおうがかなうまいが、我々は希望に向けて、歩き出すんだ、よろよろになってでも!
と深い情感に刺さり込んで来る。
この3曲を聴くだけでも、このアルバムを購入すべきである。
プリンスの中でも、重要なアルバムです。