日々、自分(=一個人)をケムに巻こうという社会事象が、幾多も起きて、不明瞭な視界であるのは、何も今始まったことではない。
過去も今もようくめくる寺山修司さんの薄いボロボロになった文庫「ポケットに名言を」をめくれば、エンピツのアンダーラインの下に思いはせる言葉。
『人生は夢にして、その外形は・・・』
かつて働いていたエネルギーはもはや枯渇し、土日はよほどで無いと働かない。
催眠世界を離れて、正気に戻るために、社会という汚泥を振り払うために。
12日 土曜日
昨日は、偏ってしまった体内かたちんばを補正すべく、鳩の街にある足裏マッサージに向かう。
ぶらぶら島めぐりをしながら。
しかし、施術を受ければ、歩けないほどまで悶絶す。
あれ程叫んで痛みを覚えたのは、久しく無かった。
東洋医学を唱える先生と話しながら、如何に西洋医学が薬なる麻薬をばらまきながら、多くの命を公的に殺してきたかを話した。
薬で肝臓を壊し、今に至る経緯を語りながら。
とは言え、歩いて帰る夜道も難儀した。
痛みから汗だくになり苦しんだせいで、早々に眠りに堕ちた。
13日 日曜日
このところ室内に居ると気分は堕ちていく一方なので、何はともあれ外に出る。
ぶらり歩き、写真を撮り、公園で佇む
花やぐ中で、ネコと出会いカリカリを上げる
足裏マッサージで、ロクに歩けず、びっこを引きずりながら
ローギア以下の自足で歩くと、普段見えないものが見えはじめる。
段差のある道の苦しさ、手すりの有り難さ、など。
独りで出来ることは限られる。
よく喫茶店で勉強、執筆、アタマの整理をする人は多い。
場を変えないと、見えないことの多さ。
びっこを引きずり、公園のイスに座って、空気を味わう。
文章をメモし、イヤホンを付けてラジオを聞く。
鳩たちは、地面をついばむ。
となりのお年寄りの会話、公園にたわむれる家族の姿。
空、雲、樹々、花。
外に居ると、悪夢の妄想は吹っ飛ぶ。
■ジャパン 「スティル・ライフ・イン・モービル・ホームズ」1981(オリジナル・ラストアルバム「ブリキの太鼓」より)■
ときおり、部屋を歩き回る
ときおり、ひどくさみしくなる
この異国の地を離れたい
ボクは、何も知らなかったんだ
いつでも泊まるところはあったよ
「移動出来る家」で、計画をたてよう
波に揺られて、ゆっくり進む小舟
はるか沖合いに浮かんでいる
この国のくらしがどんなものか?
ボクは、いままで知らなかったんだ
建物や家を建てる計画をたてよう、「移動出来る家」で
計画された人生、ボクの人生
「移動出来る家」で送る、静かなくらし
野生の生活のたてる音が、あたたかく乾いた空気を満たす
南国の熱にあぶられて、ねじれて燃え上がれ
裸火のように
ボクたちが海に乗り出そうとすると、天から叫びが響いてくる
それは昔慣れ親しんだ、祖国からの呼び声
キミが泊まるところを探してあげるよ
「移動出来る家」で計画をたてよう
詞 : デヴィッド・シルヴィアン
曲 : ジャパン
プロデュース :スティーヴ・ナーイ&ジャパン
エンジニア : スティーヴ・ナーイ