こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

2014年5月23日 金曜日 暮らしの風景 ~パンク脳~

2014-05-23 23:53:14 | 音楽帳

先日、最近聴いていて・ついなごんでしまう赤江珠緒さんの番組「たまむすび」(TBSラジオのお昼)で、ピエール瀧さんが興味深い話しをしていた。

ビデオもCDも無い・情報が少ない時代だったからねぇ~、と中学生時代を振り返りながら、赤江さんに尋ねられた瀧さんは、当時はひたすらクラフトワークを何度も繰り返し聴きながら、毎日3~4時間くらいプラモデルを作っていましたよ~、というくだり。
たくさんのものがあることの反対側として、同じものを繰り返し繰り返し聴くことで深く入り込む。
別に、それでひもじい・・・ということもない。むしろ満たされている。

同様の話しとして浮かんだのは、石野卓球さんの話。
毎日毎日、YMOを繰り返し聴き過ぎていて、「おかん」から「YMO禁止令」を下され、「YMOのレコードは1日何回まで」と制限される。

卓球さんが静岡で制限令を受けている同じ頃、下町に住む自分は(プラモデルは卒業していたけれども)同じように1日じゅうYMOを聴いていた。
「おかん」からは何も言われなかったが、テレビなどでは『テクノ・ミュージックという、コンピューター音楽なる”無機質”な音を聴き続ける少年は、一体どんなオトナになるのか憂慮して止みません』と言われる始末。
本人の中には『無限』が充満している、というのに。
まあ、それはともかく。。。

また、別で思い出すのは、細野さんのラジオでの発言だったか?「当時は、レコードもそんなに多く買えなかったから、その分・一枚一枚を、何度も聴き込むようにしていた。」


1982年の今頃、「サントリー・サウンド・マーケット」(FM東京の夜の番組)で、一週間ぶっ通し、当時ニューヨーク・マンハッタンのアパートに住んでいたブライアン・イーノのインタビューが音楽と共に掛かった。
現地にて、インタビューをしたのは、立川直樹さん。

「・・・持っているレコードは、何らかの形で処分してしまうので、自分のレコードライブラリーはいつも10枚程度。
しかし、その10枚で、自分は十分ハッピーになれる。

・・・都市の情報、プレッシャー、ストレスに疲れたとき。
灯りを消した部屋に座って、静寂の時間を過ごす。
そうした時間を過ごすと、自分の中に何かが戻ってくるんだ。」(ブライアン・イーノ)

イーノの発言には、都市生活者なら共通する感情に満ち満ちていたが、彼が、今、どう思い・どう考えているのかに夢中だったので、これらの発言は自分の奥底にひどく響いた。

いつもは、ダビングなどをまじえつつ、会話をカットして音楽のみをカセットテープに収めていた自分が、むしろ音楽よりもインタビュー部分を多めに保存した初めてのカセットテープだったかもしれない。
持ちカネの少ない制約の中で、買ったカセットテープにしては、あまりありえないものだった。
それくらいに重要だった。

放っておくとモノを溜め込んでしまう性格の自分。
泣く泣く捨てたり(「おかん」に勝手に捨てられたり)、売ったりしながら、モノにサヨナラを言っては、後に後悔したりもしたが、最近、掃除をしながら「なんで、こんなモノまで取っているのだ?」と自らに問ったりする日々である。

「いつかは、ノートに貼り込むから」と、それを今までは捨てられずにいたが、では取り置きしていたら、どうなるか・・・も考えて、第一次身辺整理(Byみうらじゅんさん)をせねば、と、ある程度決断を下しつつある。
それを、いっときハヤった「断捨離(だんしゃり)」などという、平成お気軽主婦の行為と並列にされたくはないのだが。

***

話しがそれてしまったが、伝えたかったのは「捨てるか取っておくか」ではなくて、新しい情報摂取が全然ハッピーには繋がらない、ということ。
それが、ピエール瀧さんという同世代の肉声回路を通じることで、体内にすっと入ってきた。

テレビを見ない・無駄なニュースやアカの他人に耳を傾けない等々、この十年程度で、自分の暮らしはガラリと180度変わったものの、まだ落ち着きがない。
その証拠がチラシやポストカード集めだったり、色んな部分に現れている。

とは言え、このブログにも現れているように、気が付けばいっつも同じ音楽に戻っている。
YMO、イーノ、ロキシーミュージック、トーキングヘッズ、ジャパン、PIL・・・等々とその周辺。
まあ、全部繋がっているのだが。

一方では、残りが少ないからゆえ、未開領域にある世界の音楽は見聞し続けたいが、だからと言って、それが自分にとって最後残る10枚のアルバムとはならないだろう。
本当は、もっとたくさんのアルバムが好きなので、せめて1ケタ上の100枚にして欲しいけれども、中学生当時の自分が100枚なんて聞いたら驚くだろう。。。

そう言いつつ、今日は一日、リップ・リグ&パニックを聴いていた。
スネークマンショーと桑原茂一さんのセンスの良さを思い出しながら。

■Rip Rig & Panic 「The Ultimate In Fun」1981■
コメント (2)
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