”好きなものが、わたしを強くする。
好きなものを守るために、強くなる。
目に映るものを見つめる力。
目には見えないものを信じる力。
今ここにあるものを味わう力。
ここではないどこかを夢見る力。
今ではないいつかに想いを馳せる力。
好きなものを、愛したい。
大切なものを、大事にしたい。
いくつもの「好き」を、いつまでも忘れないように。”(丹所千佳)
■Pupa 「Anywhere」2008■
時節柄、1982年の今ごろ、毎日聴いていたロキシー・ミュージックが到達した地点「Avalon(桃源郷)」への想いがよみがえる。稀なる透明感と恋心を抱いてやまないこの曲への一途な想いとともに。
本日一日お休みをいただいた。夏バテで丸一日横になっていた。
相変わらずの猛暑に始まり、不安定な天候は次第にカミナリの音、そして雨音を聴いた。
つね外に身を追いやる自分が、丸一日室内に居るなんてことは、いまや本当に珍しい。
そんな折、この端正な文書に出会った。
去年から今年の冬歩く中、夜の外灯が点いた古本屋の軒先。
そこで見つけ購入した雑誌『Mille(ミル)』2013年12月増刊号。
上記は、この本の冒頭の一文である。丹所千佳さんはこの本の編集者。
買ったはよいが積んであったこの雑誌を今日めくったことには、中島らもさんが言っていた「その日の天使」が居た。ページをめくると豊かな写真と詩的文章。だから買ったのだが放置していた。
「女の子」的なものが多いと感じる。(近時ハヤリの「女子」的ではない。)
丹所さんがどんなプロフィールの方かは知らないが、一文から伝わってくるもの。
とてもチカラ強い信念を感じる。それでなければ、厄介ごとをひっくるめて一冊の本を創り担うなんてことは出来ない。丹所さんが意図したものが、ちゃんと一冊の中に展開されている。
1984年に出会った雑誌「LOO」を想い出す。
丹所さんが言わんとすることはよく解かる。それを視る側の自分は”そうは想えど”もうその地点から別の地点に移っている。それは自ら動いたものもあれば、周囲の様相がおかしくなったからもある。
熱い想いとそれを定着させた一冊。”時を超える夢”などを込めた内容がまぶしい。
たた好きなものに没頭していられたのは、育ててくれた人たちが与えてくれた空白余地あってのこと。
そんな場所で出会えたものたちは一生刻まれるが、人は次第にそうも行かなくなる。
イヤでも好きだけでは済まなくなる。しかし、現実に目の前で見た夢のような出来事を手放し・あきらめることはない。
*現代は「人はパンのみにて生くるにあらず」のみではない。「人は検索のみにて生くるにあらず」も言っておいたほうが良い。
検索しているヒマがあったら、みずから動いて、いきあたりばったりの何かに出会った方が良い。
たぶん、つまらん洗脳を回避するのも含めて、今選ぶべき生き方はそれなんだろう、という直感にはまちがいはない。