
先日の「伝説の洋画家たち -二科100年展-」に続いて、オバケ・ゆうれいを巡る「冥途のみやげ展」を見に行った。
夏に引っ掛けた催事だが、まだ先があると思いつつ、買ったチケットを持って向かったのは開催最終日。もはや夏ではない秋。
本当は数週間前に会場前を通ったが、その日が東京芸大の早々の文化祭・人ごみの渦でむず痒くて回避した。しかし結局最終日なので、ふだんは行列の並ぶのが吐き気がするほど嫌いなのに、入場制限が掛かり30分くらい並んだ。さほど苦ではなかった。
頼りにならないウワサで集まるらーめん屋でもうどん屋でもないので。
東京芸大は、都美館などでアルバイトの頃、友人と学生食堂に潜り込んだ記憶が強い。
80年代後半のその食堂は、古く懐かしいひなびた空気を放っていた。
一緒に搬入設営をする友人は、芸大の食堂は300円もあればいろんなものが食べられるよ、と二人で行った。
そこは大竹伸朗さんの作品「覗岩」が生まれた、宇和島の食堂そっくりな様。
ラーメンにカレーライス。。。安いけど懐かしい味。

展示された、日本独自の「ゆうれい」が発生した源を辿りながら、江戸時代から明治にかけて書かれた水墨画のゆうれいの掛け軸を中心に、広重・北斎・国芳の作品も含めて構成。
趣旨とはそれるが、色鮮やかな浮世絵の”名画家”たちは、江戸時代の世界のポップスターだったんだな、と今一度実感する。
海の向こうにアヴァロン(桃源郷)たる、色彩にあふれた「ジパング」がある。そう恋焦がれたゴッホの切なくも熱い想い。背景に浮世絵を描いた作品「タンギーじいさん」とともに思い出す。
もうモノを集める歳ではないのだが、ついポストカードを買ってしまう。
ポストカード集めは、YMO写真集「OMIYAGE(おみやげ)」で教授のコーナーで知ってから続いている。
チケットのバックになっている「蚊帳(かや)の前の幽霊」(1906年/明治39年)の現物が素敵で、その一枚をポストカードで買った。個人的には「海坊主」の実画が怖く好きな作品として残った。
■Japan&坂本龍一 「Ghosts」 (Live on Old Grey Whistle Test)1982■



