日曜ライヴの残り香。
いろいろあるが、それはそれで整理は付かない。
マー坊(土屋昌巳さん)のギター姿や、”カフカ”が唐突に演奏したジョイ・ディヴィジョンの曲「トランスミッション」への感銘などがあり、一言では言い尽くせない。
そんな日曜出会った出来事/体内の小宇宙をすっ飛ばすように、台風は迫り・週を明ければ社会なり仕事は容赦ない。
頭痛。今夜はいつもの片側だけのものではなく、頭全体。馬鹿らしいことがこの世には多過ぎる。
それを持って島に戻ると、涼しさは不測の事態を呼び込む。
すでに鈴虫は聴いていたが、今夜はそれが暗闇に浮き立つ。その音色。
帰り道、公園を覗くと、いつもの草むらにキジトラちゃん・黒ちゃんが折り重なるように眠る姿。
最近如実に、この二人の姿が目立つ。
ただ”折り重なる”。まるで昭和枯れすすきのように、お互い手を乗せ合って眠っている。夫婦のように。
今まで多くのネコと時を過ごし、一緒に暮らさせてももらったが、このようなネコの姿を見たことがない。
”オスとメスで仲良く夫婦”なんてものは単なる美談で、お互いが利用し合いながら距離を置くものであるのだが、この2人のありさまはいったい何なのか?
ネコという生き物を私なりに知っている”つもり”は、暗闇の2人に不可思議に映る。
眠っていても大抵カリカリを求めて2人は近付いてくるのに、熟睡は2人を別世界にいざなっていた。暗闇の草むら。
帰宅して、本来の”仕事”たる紙とノリとペンの世界に入る。
帰路に聴いていたBVDUBを、再度掛けながら。もはやエアコンを必要としない奇妙な夜。
BVDUBを聴いて白痴で作業していると、いきなり女友達から電話が鳴る。ノリを付けた紙を貼る手を休めて数十分。そうしている間に気にしていた頭痛が消えている。
■Joy Division 「Transmission」1980■
この12インチシングルは、素浪人のノイローゼのさなか、1985/86いずれかの年に、御茶ノ水交差点ディスクユニオン2階で千数百円で買ったもの。
この曲を、若い人が見向きをしない中、一人たたずんで聴いていた。
すっかり分かる人も少なくなった。