二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡業界で一番といってよいほど問題なこと。二胡を買う前に気を付けること。

2017-01-18 10:57:43 | ■工房便り 総合 
この10年、二胡の販売でとても変わってきたことがあります。

それは、二胡を作る木が、新しい材が増えているということです。

そして金額の安い二胡ほど、新しい木が使われることが多いのです。

10年ぐらい前には無かった材料がどんどん、二胡に作られています。

名前としては老紅木であったとしても、老とは言えないほど新しく乾燥も十分では無い材料です。

当然、胴が割れたり棹が曲がったり、木軸が抜けやすくなったりという現象になって現れてきます。

以前の二胡の木というのは、紫檀であったとしても黒檀と見分けがつかなくなったくらいに真っ黒になっている物や、

もともとオレンジ色したパドウクが、ほとんど木目も見えないくらいな焦げ茶色になった物でした。

最近、老紅木という名前で、もともとのパドウクではなく、緑がかった黒い縞目のはっきり見えるオバンコールという木が使われていることが多いです。

そして、紫檀といっても、かなり赤さの残った物も多く見受けられます。

できたらなるべく濃い色の、黒に近くなった木、・

十分に乾燥されていると思われる物を購入することを考えてください。

それらの木はまだまだ動きますし、収縮もします。

すると皮が緩むのです。

以前は古い家具や建築に使われていた材料が二胡に作られていました。

でも年間20万台を超える生産にもうすでにそれらの古い木は無くなってきています。

あったとしてもそれらはそうとう貴重な物として、かなり高価な物となっています。

確かに、中国へ行けば、日本円で2、3万円の物、

せいぜい10万も出せばそこそこの音がする楽器というのは販売されています。

しかし10年ぐらい前の、同じ金額の物とはもうすでに相当違う材になってきています。

私なども、シャム柿を10年前に購入して、乾燥させて、

それでも納得できる乾燥度にはなっていません。

自分なりに工夫した乾燥機を作って、普通人工乾燥といえば二ヶ月もすれば十分な乾燥のところ、1年かけてゆっくりゆっくり乾燥させています。

木の乾燥というのはそれほど大切でありそ、れほど手間のかかるものなのです。

それが十分にされていないとしたら。

購入した時には問題なく鳴っていたのが、一年もすると胴割れを起こしたり、鳴らなくなったりしてくる修理の方がとても多くなっています。

新しい楽器を購入する前に、

楽器屋さんとその辺を話し合って、しっかりとした保証を取り付けてください。

1年も弾きこめばかなり鳴り始めていると思います。

壊れたからと言って、また次の楽器ということになると、

そんなことを繰り返していたら、皆さんは本当に良い鳴りをする二胡というのに一生出会わないことになります。

新しい楽器を購入しようと思うのでしたら、

まず今お持ちの楽器を、ちゃんと弾きこんだ状態にまでしてから考えてみたら如何ですか。

それにはまず、きちんと楽器が十分鳴るように調整することを勧めます。
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2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
オフィス家具買取リサイクルプロショップ (リサイクルプロショップ)
2017-02-13 22:23:20
これからも役立つ記事を書いてくださいね。
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ハイ! (nisino)
2017-02-14 10:11:13
お役に立てれば
返信する

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