会社によって呼び名が皆違います。
単にインド紫檀と言うとこともあります。
光舜堂ではこれはコウキ(紅木)紫檀と昔ながらの日本の呼び方で呼びます。
三味線などの最高級の材料です。
元々は、インドの東南部に自生していた木ですが、数百年前くらいから、インド、ミャンマー、インドネシアなどにも移植され、それぞれの地で独自の名前になります。
インドネシアのは、ソノケリンと言う材料になり、見た目までかなり違う物になってしまいます。
それらの各地に移植されたものが全て今、インド紫檀の名前で売られていますが、音にするとやはり違いがでますし。
見た目でも、この本物のインド東南部の紫檀は格調高く品があります。
最高級の紫檀と言われるわけです。
たまたまこの木が手に入り(40年前に日本に輸入されたもの)それで、4台だけ二胡を作りました。
この楽器を見てある中国人の演奏家は、材料としてこの木を売ってもらえないかと言ってきました。
1台分150万円で。
勿論おことわりもうしあげました。
日本の財産ですから。
売るなどと言うのは、この木を見た人は考えられないと思います。
それほど美しい木です。
美しい音です。
そこで残すことにしました。
一台は、木村ハルヨさんに預けました。
と言うより私の二胡を作り始めた当初から気に入って、それだけを弾いて来てくれた彼女に感謝です。
未だに西野二胡などは、二胡ではないと言われ馬鹿にされることも多いのですが、それを最初から気に入ってましてや西野二胡だけを弾いて来てくれたのです。
演奏家は気に入る楽器を見つけ出すのに、そうとう時間がかかります。(ジャーバンファンさんは今の楽器に出会うのに20年かかったとおっしゃっていました)
何台も色々取り替えて弾いていくのが常なのですが、ハルヨさんは私のだけを弾いて来てくれています。
そのことに関しても、いろいろ言う人たちがいるのは知っています。
しかし、演奏家は、自分の気に入らない楽器は演奏しない物だというのが真実です。(中西桐子ちゃんと紅子ちゃんの関係も同じでしょう)
それが見つからない人は不幸でしょう。それに出会えない人が、いろいろ言うのは解ります。
皆さんもご自分の楽器に出会えることを祈ります。
楽器は出会いですから。
たぶん、この楽器は、木村ハルヨさんの演奏をさらにアップさせてくれるとともに、皆さんにも二胡の本物の紫檀の音色がどういうものかを聞かせてくれる音もいます。
彼女のライヴで、この紫檀の音をお楽しみください。
後の3台に出会えるのはどなたでしょうか。