二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

日本の二胡?、その2

2012-10-02 13:47:48 | ■工房便り 総合 
琵琶、薩摩琵琶、筑前琵琶、

絹の糸と漆塗りの桑の木から響き渡る、鋭利な響き。

琵琶と言えば平家物語ですし、侍たちの嗜みの一つと言われるような弦楽器ですね。

あの音の鮮烈さが、峻厳なというイメージを言葉を呼び起こします。

琵琶は、元々ペルシャの楽器だったと言われます。

それが1000年前の遺産として奈良時代から日本に入って来ています。

そう言われなければ、琵琶は日本の楽器と思う方が殆どではないでしょうか。

千年も使われ続けていれば、もう日本の楽器ではあると思います。

バイオリンもそうですね、

元々は、アラブのレバーブ(レバブ)という楽器が進化した物と言われていますが、400年前のニコロ・アマティー以来、もうそれはヨーロッパの弦楽器として定着しています。

日本の着物にしても元をただせば、韓国の僧侶の衣類からとも言われます。

文化というものは時と共に、土地も移動し、それぞれの民族の好みに合わせて、或いは、生活に合わせて、変化していくものです。

二胡にしても同じです。

京劇などの、伴奏楽器として伝わって来た二胡が、1950年代になって、国民の楽器として、改良され、独奏でも人々を楽しませるぐらいに改良されて来ました。

それも、中国での他の民族楽器だけの編成の中での楽器としては、です。

その二胡が日本にまで伝わり、そこには既に、明治以来百数十年ヨーロッパの弦楽器達が既に定着していました。

そうですね、定着と言ってよいと思います。

世界の音楽コンクールでもう既に何人ものバイオリンの優勝者が日本人から排出していますし、

楽器作りとしても、もう既に数人の、金賞受賞者が出ています。

200万人と言われるバイオリンの愛好者、或いは演奏者が居ます。

二胡も、既に、その販売台数は30万台を越えたと言われます。

また、実際には二胡弾き続けている方は、5万人を越えていると思われます。

三味線などが、1万人いるかいないかですから、これは趣味としても相当多い方だと思います。

知り合いの楽器屋さんにも、年間通して自作の二胡を持ってこられる方が数人はいらっしゃるそうです。

直接知っている人でも3人は二胡を作っている人が居ます。

わたしなんかはずうずうしくも、自作の二胡の販売などしていますが、なかなか皆さんそこまではしていません。

しかし楽器そのものを作るようになったというのは、二胡そのものが定着して来たということではないでしょうか。

また、こんな日曜日きり営業していない、通販もしていない二胡屋に、これから台風がきますよという日に、15名ものお客様が修理その他でいらっしゃるようになったというのも如何に二胡人口が多いかという事だと思います。

そして、鳴尾弦楽団です。

最近二胡の演奏会というのは、相当有名な中国人演奏家でも、200名ぐらいの観客動員でしかない中、


ある一人の先生を中心として、その生徒さん或いは仲間内が、有料で演奏会を開きなおかつ、370席が満席になるというのは、これはもう時代が変わりつつあるなという気がします。


木村ハルヨ姐さんように、二胡だけでなく、その他の現代楽器とのユニットなども出来て来つつあり、二胡の音楽が中国音楽だけでは無く広がりつつあるのも皆さん感じておられると思います。

中国の民族楽器(ホントは中国でさえ輸入楽器なのですが)それが今の日本に、じわじわ定着してきているのを最近しっかりと感じます。







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