と、言っても、始められるのは、コロナがもう少し落ち着いて、工房が出来上がってからですが。
この弓光風です。微妙に竹の反りが違うのが分かりますね。
これは竹の硬さと、そして部分部分の反発力が違うからです。弾いた時に先端にまで一定に力が伝えられやすいように、竹をそらしているのです。
勿論、中国で作られたものも、このように反りが付いています。
但し一本一本違いはするのですが、同じ型で曲げてあるので、更に反発力はそれぞれ違ってしまいます。
竹に合わせているわけではないですから。そのこともあり、購入する度に弓が違う感じになってしまうのです。
最近作っている光風舜風は可能な限り一本一本の竹を活かすように曲げて行っています。
そいうことが分かって来たからでしょうか?最近かなりの無理難題をお望みの方が増えています。
私のは個々がもう少し曲がりが大きい方が、あるいは先端だけ弾みがつけられるように。低音二胡も普通の二胡も弾けるように、、、これは無理です。
毛の量も変われば竹の太さも変わります。
コントラバスも弾ければヴァイオリンもうまく弾けるような弓と言っているのと同じです。
でもこれ、案外ご希望の方多いのですよ。
こういうことも、工房に来ていただいて、低音二胡用の弓と二胡用の弓を弾き比べていただければわかることですね。
販売しているものも含め、今までに9種類くらいの二胡の弓を作ってきました。
約2100本くらいです。
竹も白竹紅竹。
馬毛に関しては、モンゴル産の軽い脱色(ヴァイオリン用)無脱色、南ロシア産無脱色。モンゴル産の華色・そしてカナダ産の黒毛。イタリア産の軽い脱色。
これらの特質もわかり、また竹の形状もその太さや撓りなどに合わせて作れるようになってきたと思います。
短い弓も76センチから81センチくらいまで、長いものは84センチ。
それぞれの長さに合わせて、竹の反り具合も変えてきています。
また弾く曲によってもかなり性格の違うものが作れるようになったと思います。
一弓の中で音質も変えていくような中国の曲にも対応できるようになったと思います。
今販売しているのは、西風。東風。そして光風。舜風です。
これらは、その竹と馬毛のバランスを考えて作られています。
どちらかというと、それぞれの特質に合わせてなるべく質を一定にするようにして作っているものです。十分に二胡愛好家の、それも相当なレベルの方達にも納得していただいています。
それでも更にとお望みの方もいらっしゃるのです。!!その方達のために!
比較的柔らかめの弓。比較的硬めの弓。強い毛、滑らかな弓毛それらを組み合わせ尚且つ長さも変えて、御来房いただいたうえで、対面で弾いてもらってオーダーで作り上げていくのです。
現在発売中の中国製の弓は。試すこともできませんし、送られてきた弓にご自身が合わせていくきりないものがとても多いです。
あるいは、購入して使ってみてこれはだめだからさらにもう一本、などという方もたくさんいらっしゃることと思います。
今回やろうとしている弓のオーダー品は、まず工房で、それぞれ特質のある弓を弾いていただき、それらを組み合わせてご自身に合うものを作るという方法です。
長い弓短い弓。比較的柔らかい竹の弓硬い弓弾き比べてもらってそのどちら寄りが良いのか、そこで竹を選んでもらい、次は弓毛による引っ掛かりの違い音色の違いを弾き比べてもらいます。
それらを組み合わせて、ご自身の技術と感性が活きる弓を作り上げるのです。
これが私の考える究極の二胡の弓の作り方だと思います。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ。ネオ