二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

11月2日(日) 飽くなき追求は弓にも人工皮にも 11:00~17:00 

2014-11-08 08:34:07 | ○営業日の報告日記
二胡を愛する皆様こんばんは、鞄持ち ほぉです。
今週の日曜日からラジオガァデン画廊でアーティスト桐鱗の個展が始まります。
入口から続く壁面に会期中1週間をかけて壁画を描いていき、
その後次の展示会までは ずっとその壁画が残ります。
ですので、今週に光舜堂にお越しの方々は壁画のスタートを観ることが出来ますよ♪

そして、平日は西野が在廊して居たとしても二胡屋は営業しておりませんので
二胡関係のご依頼はお受け出来ません。
どうぞ宜しくお願い致します。


さて、

2日の日曜日は金属軸の二胡がなぜか続きまして、全部で4把もご来店でした。

そして、そのほぼ全ての二胡は弦の巻き方が間違っており、ある物は絡まり、ある物は固まり。
幸いにして、どれも修理が必要なところまではいかず調整の範囲内で済みましたが、
これまで光舜堂に持ち込まれた一見健康そうな金属軸の二胡でも間違った巻き方ばかりでしたから
近日中に巻き方の図解をアップいたしますね。

二胡の金属軸は、鉄と真鍮、という、
遠からず すり減って壊れる相性を持つ素材の組み合わせで出来ています。
ですので、間違った弦の巻き方をこじらせてしまうと、絡まって、
それを無理やり締めようとしたりして金属のネジ部分を削って破壊してしまいます。
また、そもそも不完全な品質のネジを使用していることも多いので、
調弦はし易く便利でも、取り扱いは要注意です。
「壊しそうで怖いから、先生がいつも替えてくれます」
とおっしゃる方々の弦も間違っていることも多いですから、
先生方でも金属軸の弦の巻き方を知らない方がいらっしゃるようですね。
とにかく、使用していらっしゃる方はしくみだけでも知っておくと安心ではないでしょうか。


さて、金属軸も多かったですが、
この日は人工皮で始まり、人工皮で終わった一日でした。
2把の人工皮の張替えが完了し、その持ち主様達が開店直後と閉店間際に引き取りにいらしたのです。

お2人ともその出来には大満足!
面白いことにお二人揃って、「元々張ってあった蛇皮の時より良い音です!」と同じ感想。
或る、側にいらしたお客様には、「あれ、実は人工皮なんですよ」と言わなければ
その方は聴こえてくるのが人工皮の音色とは気付いていませんでした。
持ち主さんはお2人とも、店主の我儘実験にお付き合い頂いての2度目の張替えだったのですが、
「前回の人工皮でもレベルが高くて凄かったけれど、今回のは更に凄い!」
「前のも良かったけれど、今回のは棹の響きが全然違う!」
と、大絶賛を頂きました。
そして前半のMさんはそのままその人工皮をレッスンに持って行ったのですが、
なんと、その場所にたまたまいらしていた演奏家さんが、その音色に驚いたそうで、
その日の午後に直ぐ訪ねていらっしゃるほどでした。

ところが、

後半にもう1人の持ち主さんの二胡をその場にいらしたお客様達と弾いて盛り上がっていた時、
張替え完了の弓とご注文の東風と修理二胡を取りに峠岡慎太郎君がご来店。
到着して一息入れる間も無く店主から即された人工皮を弾くと、、、

あれっ。。。?!

その場に居た誰もが  「。。。!」

峠岡君には驚きです!!
前々から実力日本トップクラスの腕が、最近更にメキメキとバージョンアップしている彼ですが、
もう、鳴らし方が桁違いと言いましょうか、違うのです!
あんなに皆が盛り上がっていた人工皮の音色が、峠岡君が弾くと物足りないのです。
なにしろラジオガァデン全体を鳴らすように弾くパワーの持ち主です。
その鳴らし方で奏でると、あ、あれ。。。れ。。。

「課題がまた出来ちゃった。。。!」と店主。

その場に居た方々は、「あーあ、研究意欲にまた火がついちゃった」と大笑い。
人工皮の音色追及の研究はまだまだ続くようです。
とは言え、
峠岡君ほど鳴らせて弾ける人はごくわずかですから、彼に合わせて作るとなると、
今後はプロ用と愛好家用とで皮の厚みを変えていかないと、
「一般の方には弾きこなせないだろう」(by店主)とのこと。
帰りの車でも店主は、「何が、峠岡君の演奏はあんなに特別に違うのだろう?」と
もう研究モードON!
そうなると、もう他の話題を話しかけても聞いちゃいません(笑)
今後の研究は峠岡君にご協力いただかないことには進めなさそうです。
現在さっそく次のパターンでの実験が繰り広げられております。


研究と言えば、店主による弓製作の研究も更に続いています。
この日は福音弓の進化バージョンのサンプルを皆さんにお試しいただく為に持って来ていました。
しかし、ご来店の方々からは「パーフェクトですね!」とのお墨付きを頂きましたし、
その後、大阪の、と或る方に送ってお試しいただいたところ大絶賛で、
その方からは直ぐに、そのまま買い取りたいとのご連絡をいただきましたが、
実験中で、研究中の弓なので未だ商品化の段階ではないのです。
これは今後、プロ仕様の特別弓として福音弓より更にハイグレードな商品になる予定で、
既に商品化された福音弓には反映されませんので、待ってても駄目ですよ(笑)
店主の製作の進化スピードをよく知る会員さん達は、
待っていればもっと色々良くなる事が多々有るとご存知なのですが、
弓に関しては、もう店主の意識は既に次のステップへと行ってしまっております。
お間違い無きよう宜しくお願い致します(笑)


ということで、今週も大いに盛り上がった楽しい一日でした。
ラジオガァデンにはよく外国の方々もお立ち寄り下さるのですが、
今週もドイツ人(?)のご夫婦が通訳の方とご来店して初体験!
Jimmyさんの弾く『キラキラ星』を一緒になって歌ったりして、
とても喜んでいただきました。
皆様のご来店、ありがとうございました☆☆☆


キリウロコ個展
『しろいイシといろいろ。』
11月9日(日)―11月15日(土)
13時~19時(最終日は16時まで)

※9日の光舜堂は通常通り17時閉店です
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